--- 檜山乃武 『音楽家の名言3』 p. 72. ヤマハ (2011)
「ヤマカズさん」の愛称で親しまれ、日本のクラシック音楽界を第一線で支え続けた指揮者/作曲家の山田一雄氏の言葉です。
この言葉は、音楽家だけというより、人間全体に当てはまるのではないでしょうか。
「他人の敷いたレールの上をなぞる」だけだと「まったく自分を見失った人間になってしまう」ことになりますよね。
他人は、当たり前ながら、自分外部の存在ですが、人によっては「他人は、幻想、ニセモノ」と断言している人もいます。。。。。(言い切っているのはすごいです。でもその反証を挙げるのは難しくないですか?)
私はアメリカに住んで10年目になるのですが、特に日本は「他人のために」「他人のことを考えて」「他人の意見を尊重して」という考え方が根付いていて、これなんて本当に世界に誇るべき美徳だと思うのですけど、この思考が「自分を大切にすること」に比べて強過ぎてしまうとおかしなことになってくるような気がします。
または、もっと言えば、その他人志向に「そうしなければならないから」という強制感が入ってくると、上辺だけ取り繕る単なる自分犠牲の思考となってしまいます。
私はサラリーマン時代、誰かが (イヤそうな顔をしつつ) 「土日も得意先 (他人) のために出勤だよ~」と言っていたことを覚えていて、その時は私も含めて「得意先のために週末も働くなんて偉いなぁ」という空気が流れてましたが (だからこそその人もそれを口にできているのですが)、アメリカでこれを言うと「自分がやりたくもないのに土日も働かなければならないのは、仕事を平日に終わらせられない能力欠如の証拠」と思われかねません。
内発的動機が大前提の音楽家でさえも、「他人のために」という外発的動機に価値を置いているところがある日本では、「他人への思いやり」が気が付かずに「自己犠牲」になっていたということが全くないとは言い切れないと思います。
私は、日本人音楽家が "知らないうちに" 「他人の敷いたレールの上をなぞる」ような音楽をする方向に行かないためにも、メンタルトレーニングを活用して「内発的動機」の再認識やその育成を促す必要性を感じています。
音楽家の名言 3 ~壁を乗り越えるためのメッセージ~/檜山 乃武

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