Mental Coach for Classical Musician :: (9月8日から http://mc4cm.blog.fc2.com に引越しています) -51ページ目

Mental Coach for Classical Musician :: (9月8日から http://mc4cm.blog.fc2.com に引越しています)

音楽家のためのメンタルスキルを考えるブログ。メインテーマは『メンタルスキルをどのように活用すれば、本番で最善の演奏に導けるか』です。

"(ジャクリーヌ・デュ・プレは) 多くの時間をダニー(バレンボイム)と過ごしたい。彼のためになりたい、人間であることを楽しみたいというのだった。わたしは二人に再会する度に、彼らの性格と仕事への規律、意思の強さと精神集中の能力、それらを彼らが調和させていることを知って幸福になった。それにもかかわらず、二人には快活さとウィットが絶妙に溶け合っていた。"

--- ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ 『自伝 フィッシャー=ディースカウ 追憶』 p. 386. メタモル出版 (1998)



フィッシャー=ディースカウは、バレンボイムとデュ・プレ夫妻と仲が良かったんですね。


フィッシャー=ディースカウは、この夫妻の演奏を聴いて感激し、夫妻に手紙を書いて送ったのですが、当時若かったバレンボイムはその手紙が自信になったそうです。


音楽家として超一流である3人は、お互いが健全に切磋琢磨する関係だったようですね。


このフィッシャー=ディースカウの言葉が面白いと思ったのは、彼が夫妻に会う度に感じることが「心理的なもの」ばかりだったということです。


天才音楽家と言われているバレンボイムとデュ・プレ、当然音楽の技術的なものが際立っているはずですが、性格と規律と意思の強さと精神集中の能力、全部、心のこと。


不世出の大バリトンと言われたフィッシャー=ディースカウは、彼ら夫妻の凄まじい音楽力(彼らの演奏は火のような刺激を発していると別のところで書いてました)は、この心理的な調和によるものであると見抜いていたんですね。


心の調和、融合、バランス、なんですよね、、、演奏って、、、私は本番で演奏するたびにこのことを痛感しています。


音楽は生きることと同じと言っていたのはバレンボイムですが、ということは、音楽力は人生力ということになります。


どういう心でもって人生というプロセスを歩む or 走るか(人生のゴールは決まっています。死、ですね)、そのことが「直接的に」音楽の質となって、舞台上で否応なく現れるものなのでしょう。


音楽家のためのメンタルトレーニングでは特に、人生をどう歩むか、もっと具体的に言えば、将来的なゴールを定めたとしても、どのような意識/考え方を毎日の練習やルーティン、一音作りにまで落とし込めるかというのが不可欠なのではないかと思います。


自伝 フィッシャー=ディースカウ―追憶 (国際フランツ・シューベルト協会刊行シリーズ)/ディートリヒ フィッシャー=ディースカウ

¥4,410
Amazon.co.jp