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Mental Coach for Classical Musician :: (9月8日から http://mc4cm.blog.fc2.com に引越しています)

音楽家のためのメンタルスキルを考えるブログ。メインテーマは『メンタルスキルをどのように活用すれば、本番で最善の演奏に導けるか』です。

"力を抜け、抜け、頭の力も体の力も手の力もみんな抜け・・・・・・。


--- 檜山乃武 『音楽家の名言』 p. 48. ヤマハ (2010)



若き日の小澤征爾氏が師事した指揮者ミュンシュが、レッスンで小澤氏に言った言葉だそうです。


これはまず、(演奏家ではない) 指揮者が指揮者に言った言葉であり、この若かりし時の小澤氏の状態が分からないとなんとも言えない言葉ではないかと思います。 (もしかしたら肩に力が入りまくっていた、ということも小澤氏の修行時代ですのであるかもしれないですし)


声楽の場合ですと、特にオペラなど「声のウェイトリフティング」と言われるくらい、リラックスとは対極にあるような種類のパフォーマンスですから、力を「みんな抜く」わけにはいきません。


演奏のためならば、「みんな抜く」というより、自分にとって最善の覚醒状態やエネルギー状態に近付けるためのリラックスと考えた方がいいです (リラックスの反対の作用を促すことはサイキングアップと言います)。


このミュンシュの言葉は、メンタルトレーニングのリラクゼーション技法を想起させます。


リラクゼーション技法を訓練することによって、免疫機能の向上、酸素消費量の減少 (持久力の増加) などの効果が認められていますが、音楽家としては、演奏の向上/改善のためにリラクゼーション技法を活用したいところです。


リラクゼーション技法は大きく分けると、以下の4つがあります。

1.呼吸法 (吸気<呼気の腹式呼吸)
2.漸進的弛緩法 (身体各部の筋弛緩)
3.動作法 (動作者と援助者による特定の動作制御)
4.自律訓練法 (注意集中や自己暗示による心身調整)


これらを自分のニーズ (最善の覚醒具合) に合うように、単独で用いたり、組み合わせたりしますが、演奏家としては、演奏に最も大切な「集中力」の発揮を促すリラクゼーションが好ましいですよね。


ちなみに、このリラクゼーション技法は、全てのメンタルスキルの基礎とも言われており (特にゴールセッティングを効果的に行うためにはまずリラックスが必要など)、プレッシャーのかかるパフォーマーには不可欠のスキルです。


ピアニストのアラウは、精神的に厳しかった時期に「自律訓練法」を本格的に学び演奏に活かしたと自著で明らかにしています。演奏家は、演奏場面で最善の集中力を引き出す、興奮しすぎでもなくリラックスしすぎでもない最適な覚醒状態 (オプティマルアクティベーション) に導くリラクゼーション技法を自分に合うカタチで応用することが必要だと思います。


音楽家の名言 あなたの演奏を変える127のメッセージ/檜山 乃武[ひやま・のぶ]

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