--- 三宅幸夫 『音楽家の言葉』 p. 54. 五柳書院 (1997)
マリア・カラス、、、ここに、人生の、日常生活における言葉の使い方をそのまま芸術の極みにまで昇華させた人の考え方があります。
この考え方から見ても、数多くの一流音楽家が口を揃えて言っていることですが、音楽は人生ととても似ていますよね。
このマリア・カラスの言葉は、バレンボイムが取り上げていた「自分が出したいと望む音」というのを思い出させてくれます。
バレンボイムは、音を望む気持ちの強さの度合いは教えることはできないと言っていました。
普段の生活で考えてみると、分かるかもしれません。例えば、日常生活で誰かとあって「おはようございます」とか「こんにちわ」と挨拶するとき、そのときの気持ちの「強さの度合い」は教えることができないですよね。教えられるのは言葉という形式的なことだけです。
その「強さ」ってとても個人的なんだと思います。
それは「強さ」とも言えるし、「繊細さ」とも言えるかもしれませんが、それらが音楽家としての音に反映される以上、その部分を鍛える必要があると思うのです。
メンタルスキルとしての、言葉を扱うセルフトークと映像を扱うイメージトレーニングは、音楽家のためにそれらを行うとき、その非常に個人的なもの、つまり内向きに「音を望む強さ」や「音に求める繊細さ」をもっと充実させることが常に大前提として捉えておくべきことだと思います。
音楽家の言葉 (五柳叢書)/三宅 幸夫

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