--- バレンボイム/ポリーニ/アラウ/リヒテル/ブレンデル 『ピアノを語る』 p. 61. シンフォニア (1984)
「才能はあるのにだめになってしまって何も自己表現できなくなった若い人」って、、、私など最も言われたくないことの一つですけれど、自己表現したくてもできなくなってしまっている辛さ、悲しさ、無力感ったらないですよね。。。
その時、その音楽家は、なぜ音楽家でいるのかというような存在意義まで揺らいでいると思うのです。
創造力。クリエイティビティ。無から何かを創り出す力は、音楽にはなくてはならない力です。
創造したいという想いは、音楽する原動力で、モチベーションです。それは音楽家はすでに分かっていることです。
でもたまに、そのモチベーションが空回りする、自分の欲と音楽が反比例するようなことが起こるわけです。
技術的なところはすでに何回りもチェックしていたりもするんですが、なぜか上手く行かない、しっくりこない、納得していない自分がいることに気付いている(気付いてないと、この場合、ある意味幸せ???でも「伸び」は止まっているのでは???)。
そんな、にっちもさっちもいかない感覚で、音楽やる人間としてこれでいいのだろうかとまで思ってしまうこともあります。
そんな状態を切り開いて前に進むために、アラウは、感情をほぐすこと=音楽を身体全体に振動させることが必要だと言っています。
ここで「感情」にスポットを当てていることが音楽家にとって大切なことのように思います。
喜怒哀楽の感情は、意識で因果関係を考えて湧き上がるというのもありますが、一方、潜在意識、つまり意識には上らずにある感情がでることもありますし、この場合の方が発露のスピードが早くしかも深いことが多いのではないでしょうか。
私は、これは、音楽家のためのメンタルスキルにとって一つの指針となると思っています。
どういうことかと言うと、メントレの4大スキルである、
1.リラクゼーション
2.ゴールセッティング
3.イメージトレーニング(ヴィジュアリゼーション:視覚化)
4.セルフトーク
それぞれのトレーニングの中に、自分の潜在意識の要素を入れることはマストではないかと思うのです。
例えば、セルフトークでは、意識の力で自分の潜在意識や無意識に向かって語りかける(意識から意識へではない)ということなど、音楽家は特に必要ではないかと。
この4大メンタルスキルは、欧米発の認知行動論から発展してきた、意識を活用する技術ですが、その方法としてその意識が自分の潜在意識や無意識の方向に向いているといえばいいでしょうか。
そうやって、意識主導のトレーニングに潜在意識の要素を入れることができたとき、自分の奥底の「何か」から生じる創造力が目覚めやすくなるかもしれないと思うのですが、どうでしょうか。
ま、アラウが隣であんなに美しい音を弾いてくれたら一発で自分の無意識の力も目覚めてくれそうなんですけどね。。。
それを言っちゃおしまいですが。。。
ピアノを語る バレンボイム・ポリーニ・アラウ・リヒテル・ブレンデル/著者不明

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