先日に続きモハ72の写真である。
写真の車両はモハ72652。ナナサン形モハ72である500代の中期車車である。新製時は三段窓であった。1956年6月5日に日本車輌東京蕨工場で落成、大井工場にてアルミサッシ化され、のちの1976年11月20日に廃車された。
ロクサン形のモハ72からの変更点は多い。車体は車体断面を大幅に設計変更。屋根のRも変わり、ロクサン形から100mm近く車体が低くなった。車内も蛍光灯、合成床面となり従来の電球、木製の床より印刷が良くなった。またこの頃から床面高さが従来の1200mmから1180mmに下がり、この寸法はJRかごのE231系1130mmとなるまで踏襲され続けた。
また特筆すべき点は後ろ側に簡易運転台装置が取り付けられ、入換作業が容易になった。簡易運転台は通常のブレーキハンドルを用いたワンハンドルの制御機材である。
上側にマスコンの接点を配置し、下側にブレーキの弁を置き、同軸上に並べたようなものだ。
力行は本運転台の後進と同様に2ノッチ。本運転台には無い逆転レバーがついているが、中立位置を持たないものである。SH237形スイッチと接続されており、これを切ることによりマスコン部分の機能を切ることができる。
ブレーキは常用2ポジションを備えているが、第2ブレーキ位置でも本運転台のME23の常用位置の半分以下の作用速度であったことから通常は非常をかすめるように制動をかけた。制動側に接点は無く、電磁緩めが効かず、また釣合空気ダメも無いことから応答速度、操作性が劣悪になっている。制動部は締切コックに繋がれており、これを閉じることにより、制動部のみを切ることができる。このため構造上はブレーキ弁のみとしてでも、マスコンのみとしてでも使用できる。また当時としては珍しい電気式の警笛を装備している。現代の鉄道の電笛よりかは自動車のクラクションのようなものである。その他の装備はパン下げスイッチ、圧力計、標識灯のみとなっている。












