学校×スポーツ事故;テニス;責任否定事例~学校×スポーツ事故~ | 法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

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大学では資源工学科で熱力学などを学んでいました。
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Q テニスのプレイによる事故というのはどのような裁判例がありますか。

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A コート脇で待機中の練習生の眼にボールが直撃し,
  眼球が損傷したケース→指導コーチの過失が否定されました。


【学校×スポーツ事故;テニス;責任否定事例】
Qテニスのプレイによる事故というのはどのような裁判例がありますか。

Aコート脇で待機中の練習生の眼にボールが直撃し,眼球が損傷したケース→指導コーチの過失が否定されました。

テニス教室における練習中の事故です。

<裁判例紹介>
・横浜地裁平成10年2月25日
テニス教室での練習中の事故。
練習生の打ったボールがコート脇で待機していた別の練習生の顔面(右眼球)を直撃し,負傷させたもの。
練習生及び指導コーチの過失を否定。
 <ポイント>
 上級者クラスであった
 「待機位置の指示をしなかったこと」→過失ではない

[横浜地方裁判所平成8年(ワ)第2391号損害賠償請求事件平成10年2月25日]
二 争点1(坂本コーチの過失)について
1 前記認定のとおり、坂本コーチが原告に対し、本件ベンチで待機するよう指示した事実は認められず、問題となるのは、原告が本件ベンチで待機していたことを認識していた同コーチが、その待機位置について適切な指示をすべきであったかといった点である。
2 そもそもテニス教室というのは、コート及びその周辺という限られた空間の中で、複数の練習生が技量の向上を目指して練習をするものであるから、練習に参加している以上、現にプレーをしている以外の練習生もボールの飛来する可能性のあるコート周辺で待機せざるを得ないことは当然である。したがって、各練習生は自ら適切な待機場所を選んで、自己の安全を確保し、かつ、プレーの妨げにならないように配慮すべき義務があるというべきである。
 この点は、本件テニス教室の受講規約(乙二)にも、受講生の義務として同趣旨が明示されているところであり、また、初心者や学童などと異なり、本件原告らのように一定のキャリア、技量を有し、最上位のレベルのクラスに属する練習生の場合はなおさらである。
 本件練習メニューは当日初めて行われたものではない(証人坂本)から、原告自身もその練習内容については十分認識していたはずである上、自己のプレーの順番を待つ練習生がどの位置において待機するかはその練習生自身の判断と責任において決せられるべきものであって、現に練習を指導しているコーチはそのプレーにこそ細心の、意を払うことが要請されているのであるから、待機中の練習生の待機位置などについては、(ことに本件のような上級者クラスにおいては)各練習生自身が適切に対処するであろうことを期待してよく、(プレー中のコート内に立ち入るなど明らかに不適切な行為を発見したような場合を除き)事細かな指示を与えるべき注意義務はないというべきである。
 また、本件練習メニューが、原告ら参加した練習生の技量からして格別危険ないし不適当なものではなかったことも明らかである。
3 以上によれば、坂本コーチが原告に対し、待機位置について格別指示をしなかったとしても、同コーチの過失を認めることはできない。他に同コーチの過失をうかがわせる証拠もない。
三 争点2(被告大渕の過失)について
1 原告は、被告大渕が原告の待機位置を認識した上、適切な対処(原告に適切な指示をする、練習を一時中断してもらう、あるいは危険のないようなプレーをする)をすべきであったのに、これを怠ったと主張する。
2 しかしながら、本来練習とは技量の未熟を前提とし、その向上を図るために行われるものであるから、ルールを遵守してまじめに練習に取り組んだ結果、ミスをしたとしても直ちに過失があるとはいえないことは明らかであり、被告大渕にミスショットをしない(あるいは危険のないようにことさら弱いボールを打つ)注意義務があったなどとはいえないことは自明の理である(そのような義務を認めることは、練習という行為そのものを否定するに等しい。)。本件事故当時、被告大渕がふざけてショットしたり、コーチの指示に従わないなど、ことさら不適切な練習態度であったことをうかがわせる事実もない。
3 また、前記認定のとおり、本件練習メニューが妥当なものであり、その際の待機位置については各練習生の判断に委ねられるべきものであったと解されることからすれば、仮に被告大渕が当時原告の待機位置について認識していたとしても、自ら指導コーチに申出て練習の中断等の措置を採ってもらうべき義務があったとは認められないし、まして、練習生の一人に過ぎない被告大渕が、同僚の練習生である原告に対して自らその待機位置などについて指示をすべき義務があったともいえない。
4 以上によれば、原告の主張する被告大渕の過失も認められない。

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