「転売で利益を得た」というわけではないです。だから「譲渡所得税」はかからないで済むのですか。
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A 相続の前の所有者(被相続人)が購入した時の代金,を基準に「転売利益」(譲渡所得)を算定します。
【贈与・相続で承継した財産×譲渡所得算定上の「所得費」】
Q相続で承継した不動産を売却します。
「転売で利益を得た」というわけではないです。だから「譲渡所得税」はかからないで済むのですか。
A相続の前の所有者(被相続人)が購入した時の代金,を基準に「転売利益」(譲渡所得)を算定します。
不動産譲渡所得税は,「転売」だけが対象というわけではありません。
「譲渡による所得」が対象とされています(所得税法33条)。
次に,「譲渡所得」の算定ですが,「総収入金額」から「所得費」を控除する,という方法です(所得税法33条3項,38条)。
ここで,相続や贈与といった,無償での財産移転,については,「所得費=ゼロ」となるわけではありません。
相続や贈与される前の所有者が入手した時の購入代金などが引き継がれる,という形になっています(所得税法60条,租税特別措置法39条,租税特別措置法施行令25条の16,租税特別措置法施行規則18条の18)。
つまり,譲渡所得の算定の概要は次のとおりとなります。
<相続により承継した不動産の譲渡所得の算定概要>
譲渡所得 = 今回の売却代金(総収入金額) - 被相続人の購入代金(所得費)
なお,正確には,他の費用(経費)について,一定のものは「所得費」として控除できます。
一定の場合,相続で承継した際に納税した相続税についても,「取得費」に算入できます。
[所得税法]
(譲渡所得)
第三十三条 譲渡所得とは、資産の譲渡(建物又は構築物の所有を目的とする地上権又は賃借権の設定その他契約により他人に土地を長期間使用させる行為で政令で定めるものを含む。以下この条において同じ。)による所得をいう。
2 次に掲げる所得は、譲渡所得に含まれないものとする。
一 たな卸資産(これに準ずる資産として政令で定めるものを含む。)の譲渡その他営利を目的として継続的に行なわれる資産の譲渡による所得
二 前号に該当するもののほか、山林の伐採又は譲渡による所得
3 譲渡所得の金額は、次の各号に掲げる所得につき、それぞれその年中の当該所得に係る総収入金額から当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除し、その残額の合計額(当該各号のうちいずれかの号に掲げる所得に係る総収入金額が当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額に満たない場合には、その不足額に相当する金額を他の号に掲げる所得に係る残額から控除した金額。以下この条において「譲渡益」という。)から譲渡所得の特別控除額を控除した金額とする。
一 資産の譲渡(前項の規定に該当するものを除く。次号において同じ。)でその資産の取得の日以後五年以内にされたものによる所得(政令で定めるものを除く。)
二 資産の譲渡による所得で前号に掲げる所得以外のもの
4 前項に規定する譲渡所得の特別控除額は、五十万円(譲渡益が五十万円に満たない場合には、当該譲渡益)とする。
5 第三項の規定により譲渡益から同項に規定する譲渡所得の特別控除額を控除する場合には、まず、当該譲渡益のうち同項第一号に掲げる所得に係る部分の金額から控除するものとする。
(譲渡所得の金額の計算上控除する取得費)
第三十八条 譲渡所得の金額の計算上控除する資産の取得費は、別段の定めがあるものを除き、その資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額とする。
2 譲渡所得の基因となる資産が家屋その他使用又は期間の経過により減価する資産である場合には、前項に規定する資産の取得費は、同項に規定する合計額に相当する金額から、その取得の日から譲渡の日までの期間のうち次の各号に掲げる期間の区分に応じ当該各号に掲げる金額の合計額を控除した金額とする。
一 その資産が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の用に供されていた期間 第四十九条第一項(減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法)の規定により当該期間内の日の属する各年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入されるその資産の償却費の額の累積額
二 前号に掲げる期間以外の期間 第四十九条第一項の規定に準じて政令で定めるところにより計算したその資産の当該期間に係る減価の額
(贈与等により取得した資産の取得費等)
第六十条 居住者が次に掲げる事由により取得した前条第一項に規定する資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その者が引き続きこれを所有していたものとみなす。
一 贈与、相続(限定承認に係るものを除く。)又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものを除く。)
二 前条第二項の規定に該当する譲渡
2 居住者が前条第一項第一号に掲げる相続又は遺贈により取得した資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その者が当該資産をその取得の時における価額に相当する金額により取得したものとみなす。
[租税特別措置法]
(相続財産に係る譲渡所得の課税の特例)
第三十九条 相続又は遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。以下この項において同じ。)による財産の取得(相続税法 又は第七十条の五 の規定により相続又は遺贈による財産の取得とみなされるものを含む。)をした個人で当該相続又は遺贈につき同法 の規定による相続税額(同法第十九条 の規定の適用がある場合には、政令で定めるところにより同条 に規定する贈与税の額を調整して計算した金額とし、同法第二十条 、第二十一条の十五第三項又は第二十一条の十六第四項の規定により控除される金額がある場合には、当該金額を加算した金額とする。)があるものが、当該相続の開始があつた日の翌日から当該相続に係る同法第二十七条第一項 又は第二十九条第一項 の規定による申告書(これらの申告書の提出後において同法第四条 に規定する事由が生じたことにより取得した資産については、当該取得に係る同法第三十一条第二項 の規定による申告書)の提出期限の翌日以後三年を経過する日までの間に当該相続税額に係る課税価格(同法第十九条 又は第二十一条の十四 から第二十一条の十八 までの規定の適用がある場合には、これらの規定により当該課税価格とみなされた金額)の計算の基礎に算入された資産(当該相続又は遺贈による移転につき所得税法第五十九条第一項 の規定の適用があつたものを除く。)を譲渡した場合における譲渡所得に係る同法第三十三条第三項 の規定の適用については、同項 に規定する取得費は、当該取得費に相当する金額に当該相続税額のうち政令で定める金額を加算した金額とする。
2 前項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、同項の規定による譲渡所得の金額の計算に関する明細書その他財務省令で定める書類の添附がある場合に限り、適用する。
3 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添附がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添附がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
4 第一項の規定の適用を受けた個人が相続税法第三十二条第一項 の規定による更正の請求を行つたことにより第一項 の相続税額が減少した場合において、当該相続税額が減少したことに伴い修正申告書を提出したこと又は更正があつたことにより納付すべき所得税の額については、所得税に係る国税通則法第二条第八号 に規定する法定納期限の翌日から当該修正申告書の提出があつた日又は当該更正に係る同法第二十八条第一項 に規定する更正通知書を発した日までの期間は、同法第六十条第二項 の規定による延滞税の計算の基礎となる期間に算入しない。
[租税特別措置法施行令]
(相続財産に係る譲渡所得の課税の特例)
第二十五条の十六 相続又は遺贈(法第三十九条第一項 に規定する相続又は遺贈をいう。以下この条において同じ。)による財産の取得をした個人の当該相続又は遺贈につき相続税法 (昭和二十五年法律第七十三号)第十九条 の規定の適用がある場合には、当該個人に係る同項 に規定する相続税額は、同条 の規定により控除される贈与税の額がないものとして計算した場合のその者の同法 の規定による納付すべき相続税額に相当する金額とする。
2 法第三十九条第一項 に規定する政令で定める金額は、同項 の譲渡をした資産の次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める金額とする。ただし、当該各号に定める金額が、当該各号に掲げる資産の譲渡所得に係る収入金額から同項 の規定の適用がないものとした場合の当該資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除した残額に相当する金額を超える場合には、その残額に相当する金額とし、当該収入金額が当該合計額に満たない場合には、当該各号に定める金額は、ないものとする。
一 当該譲渡をした資産が土地又は土地の上に存する権利(当該相続の開始の時において所得税法第二条第一項第十六号 に規定する棚卸資産その他これに準ずる資産で財務省令で定めるものに該当するものを除く。以下この条において「土地等」という。)である場合 当該資産の取得の基因となつた相続又は遺贈に係る当該取得をした者の法第三十九条第一項 に規定する相続税額(国税通則法第二条第四号 に規定する附帯税に相当する税額を除く。)で当該譲渡の日の属する年分の所得税の納税義務の成立する時(その時が、同項 に規定する申告書の提出期限内における当該申告書の提出の時前である場合には、当該提出の時)において確定しているもの(以下この項において「確定相続税額」という。)に、イに掲げる課税価格のうちにロに掲げる合計額の占める割合を乗じて計算した金額(当該譲渡に係る土地等以外の土地等の譲渡につき、既に法第三十九条第一項 の規定により同項 の取得費に加算された金額がある場合には、当該加算された金額を控除して得た金額)
イ 当該確定相続税額に係る当該取得をした者についての相続税法第十一条の二 に規定する課税価格(同法第十九条 又は第二十一条の十四 から第二十一条の十八 までの規定の適用がある場合にはこれらの規定により課税価格とみなされた金額とし、同法第十三条 の規定の適用がある場合には同条 の規定の適用がないものとした場合の課税価格又はみなされた金額とする。以下この項において「課税価格」という。)
ロ 当該相続又は遺贈により取得した土地等(相続税法第十九条 又は第二十一条の十五 若しくは第二十一条の十六 の規定の適用がある場合には同法第十九条第一項 又は第二十一条の十五第一項 若しくは第二十一条の十六第一項 に規定する贈与により取得した財産に係る土地等を含むものとし、次に掲げる土地等を除く。)のイの課税価格の計算の基礎に算入された価額の合計額
(1) 相続税法第四十二条第二項 (同法第四十五条第二項 において準用する場合を含む。)又は第四十八条の二第三項 の規定による物納の許可を受けて物納した土地等(同法第四十一条第一項 後段(同法第四十五条第二項 又は第四十八条の二第六項 において準用する場合を含む。)の規定の適用がある場合には、当該土地等のうち同法第四十一条第一項 (同法第四十五条第二項 において準用する場合を含む。)又は第四十八条の二第一項 に規定する納付を困難とする金額として政令で定める額に相当するものとして財務省令で定める部分に限る。)
(2) 相続税法 の規定による物納申請中の土地等
二 当該譲渡をした資産が土地等以外の資産である場合 当該資産の取得の基因となつた相続又は遺贈に係る当該取得をした者の確定相続税額に、イに掲げる課税価格のうちにロに掲げる価額の占める割合を乗じて計算した金額
イ 当該確定相続税額に係る当該取得をした者についての課税価格
ロ 当該譲渡をした資産のイの課税価格の計算の基礎に算入された価額
3 前項第一号の確定相続税額は、同号に規定する納税義務の成立する時後において、国税通則法第二十四条 又は第二十六条 に規定する更正があつた場合には、同号の規定にかかわらず、その更正後の相続税額とし、同号ロの価額の合計額は、同号に規定する納税義務の成立する時後において、相続又は遺贈により取得した土地等が次に掲げる場合に該当することとなつた場合には、第一号に掲げる場合にあつては同号に定める価額を加算し、第二号に掲げる場合にあつては同号に定める価額を減算したものとする。
一 当該土地等が前項第一号ロ(1)に掲げる物納した土地等又は同号ロ(2)に掲げる物納申請中の土地等に該当しなくなつた場合 該当しなくなつた土地等に係る同号イの課税価格の計算の基礎に算入された価額
二 当該土地等が新たに前項第一号ロ(1)に掲げる物納した土地等又は同号ロ(2)に掲げる物納申請中の土地等に該当することとなつた場合 該当することとなつた土地等に係る同号イの課税価格の計算の基礎に算入された価額
[租税特別措置法施行規則]
(相続財産に係る譲渡所得の課税の特例)
第十八条の十八 施行令第二十五条の十六第二項第一号 に規定する財務省令で定める棚卸資産に準ずる資産は、雑所得の基因となる土地及び土地の上に存する権利とする。
2 施行令第二十五条の十六第二項第一号 ロ(1)に規定する財務省令で定める部分は、同号 ロ(1)に規定する土地等のうち、同号 ロ(1)に規定する納付を困難とする金額として政令で定める額が当該土地等の価額のうちに占める割合を、当該土地等の価額に乗じて計算した金額に相当する部分とする。
3 法第三十九条第二項 に規定する財務省令で定める書類は、同条第一項 に規定する相続の開始があつた日及び当該相続に係る同項 の申告書を提出した日、同項 の規定により当該資産の取得費に相当する金額に加算する金額の計算の明細並びに当該計算の基礎となつた同項 の相続税額及び当該相続税額に係る課税価格の資産ごとの明細その他参考となるべき事項を記載した書類とする。
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