借地の明渡料(立退料)相場(訴訟)~借地の明渡料(立退料)相場~ | 法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

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大学では資源工学科で熱力学などを学んでいました。
科学的分析で法律問題を解決!
多くのデータ(事情)収集→仮説定立(法的主張構成)→実証(立証)→定理化(判決)
※このブログはほぼ法的分析オウンリー。雑談はツイッタ(→方向)にて。

Q 借地の明渡について,訴訟での明渡料相場はどのくらいでしょうか。

誤解ありがち度 3(5段階)
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3 知らない新人弁護士も多い
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A 借地権価格,から,更新拒絶の際の「正当事由」の充足程度,を控除する,という方向性で算定することが多いです。

【借地の明渡料(立退料)相場(訴訟)】
借地の明渡について,訴訟での明渡料相場はどのくらいでしょうか。

→借地権価格,から,更新拒絶の際の「正当事由」の充足程度,を控除する,という方向性で算定することが多いです。

借地の明渡を訴訟で認める場面,というのは,「更新拒絶」ということになります(借地借家法5条;「更新の異議」)。
更新拒絶について,単に通知を行えば,契約が終了する(更新されない),という単純なものではありません。
土地利用の必要性などの「正当事由があると認められる」ことが条件となっています(借地借家法6条)。
さらに「正当事由」の一環として「財産上の給付」が挙げられています(借地借家法6条)。
これが,一般的に「明渡料」とか「立退料」と呼ばれているものです。
簡単にまとめると次のようになります。

<明渡料の性格(補充性)>
(明渡料以外の)事情が「正当事由」としては不足している部分を,「明渡料」が補う

ところで,明渡料算定のベースとなるのは,借地権価格(借地権の評価額)です。
そこで,明渡料の算定をごく単純な原始的数式にすると次のようになります。

<明渡料算定の原始的数式>
明渡料 = 借地権価格 × (100% - 正当事由充足割合)

さらに,実際に判決における明渡料算定においては,次のような事情も考慮(反映)されます。

<明渡料算定の仕上げ段階における調整>
・譲渡承諾料相当額の控除
 一般的に,借地権を換価(売却)する場合,地主の承諾料が必要です。
 この譲渡承諾料の相場は,概ね借地権価格の10%とされています。
 「売却する際に負担することになる」費用なので,この分は「マイナスの価値」として反映させるべきと考えられています。
・建物(単体)としての価値の加算
 一般的に,更新拒絶による明渡請求に対して,借地人は,建物買取請求権を行使できます(借地借家法13条)。
 この場合の「代金額」としては,「建物単体の価値」がベースとなります。
 この金額も「借地人が得るべき金額」となります。
 (土地の使用利益もありますが,「借地権価格」として反映済みの場合は考慮しません)
・営業補償(営業損害)
 借地人が借地上(の建物)で営業を行っていた場合,明渡により借地人は営業活動が制限されます。
 この経済的なマイナスを補償する趣旨で,営業損害分を明渡料に加算する方法があります。

[借地借家法]
(借地契約の更新請求等)
第五条  借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、この限りでない。
2  借地権の存続期間が満了した後、借地権者が土地の使用を継続するときも、建物がある場合に限り、前項と同様とする。
3  転借地権が設定されている場合においては、転借地権者がする土地の使用の継続を借地権者がする土地の使用の継続とみなして、借地権者と借地権設定者との間について前項の規定を適用する。

(借地契約の更新拒絶の要件)
第六条  前条の異議は、借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含む。以下この条において同じ。)が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過及び土地の利用状況並びに借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることができない。

(建物買取請求権)
第十三条  借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
2  前項の場合において、建物が借地権の存続期間が満了する前に借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべきものとして新たに築造されたものであるときは、裁判所は、借地権設定者の請求により、代金の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。
3  前二項の規定は、借地権の存続期間が満了した場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。

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