遺言内容と相続人による処分の抵触;遺言執行者就任のタイミング~遺言執行者を付けるメリット~ | 法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

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大学では資源工学科で熱力学などを学んでいました。
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Q 遺言では,遺産である不動産がBに遺贈されています。
  しかし,その前に,その不動産はAに売却されていました。
  正確には,Aへの売却は,遺言執行者が就任する前,でした。
  「遺言執行者がある場合」ではない時点だったので,民法1013条は適用されないのではないですか。


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A 遺言執行者就任前の処分行為についても,民法1013条は適用されます。

【遺言内容と相続人による処分の抵触;遺言執行者就任のタイミング】
遺言では,遺産である不動産がBに遺贈されています。
しかし,その前に,その不動産はAに売却されていました。
正確には,Aへの売却は,遺言執行者が就任する前,でした。
「遺言執行者がある場合」ではない時点だったので,民法1013条は適用されないのではないですか。

→遺言執行者就任前の処分行為についても,民法1013条は適用されます。

確かに,条文の文言上「遺言執行者がある場合」という文言なので,就任前=「ある場合」ではない,と考えると,適用されないようにも思えます。
しかし,条文の趣旨からすると,就任前後で分ける合理性がありません。
そこで,就任のタイミングと遺産処分のタイミングは関係ないと解釈されています(判例後掲)。

[民法]
(遺言の執行の妨害行為の禁止)
第千十三条  遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。

[最高裁判所第1小法廷判決/昭和61年(オ)第264号昭和62年4月23日]
そして,前示のような法の趣旨に照らすと,同条にいう「遺言執行者がある場合」とは,遺言執行者として指定された者が就職を承諾する前をも含むものと解するのが相当であるから,相続人による処分行為が遺言執行者として指定された者の就職の承諾前にされた場合であつても,右行為はその効力を生ずるに由ないものというべきである。

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