抵当権の消滅時効の期間~不動産売買~ | 法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

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大学では資源工学科で熱力学などを学んでいました。
科学的分析で法律問題を解決!
多くのデータ(事情)収集→仮説定立(法的主張構成)→実証(立証)→定理化(判決)
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Q 抵当権自体の消滅時効の期間は何年ですか。

誤解ありがち度 4(5段階)
***↓説明↑***
1 一般の方でもご存じの方が多い
2 ↑↓
3 知らない新人弁護士も多い
4 ↑↓
5 知る人ぞ知る

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A 20年です。

【抵当権の消滅時効の期間】
抵当権自体の消滅時効の期間は何年ですか。

→20年です。

貸金返還請求権のような,一般的な債権は,原則として消滅時効の期間は10年間です(民法167条1項)。
なお,現実には,多くの「例外」があり,これよりも短い期間が適用されることが多いので,注意が必要です(民法169条~,商法522条など)。
この点,「抵当権」については,「債権又は所有権以外の財産権」に該当するので,消滅時効の期間は20年となります(民法167条2項)。

[民法]
(債権等の消滅時効)
第百六十七条  債権は、十年間行使しないときは、消滅する。
2  債権又は所有権以外の財産権は、二十年間行使しないときは、消滅する。

【抵当権の消滅時効の起算点】
抵当不動産を譲り受けた人は,20年間経過すれば抵当権を消せるということですか。

→被担保債権の滞納などで「抵当権実行可能」となった時点から20年が経過した場合に「時効完成」となります。

「抵当権が実行されないで20年経過した」だけでは消滅時効の完成には該当しません。
あくまでも「抵当権を実行できる(権利を行使できる)ようになって時点から」起算して20年間の経過が必要です(民法166条1項)。
抵当権を実行できるタイミングは「被担保債権の債務不履行」です。
つまり,被担保債権が滞納になった時点,です。
ちなみに,一般的な金融機関の融資約款では,滞納した場合に「期限の利益喪失」が適用されるはずです。
そうすると,ローン・融資などの残額全額について,差押・回収の対象となります。

[民法]
(消滅時効の進行等)
第百六十六条  消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。
2(略)

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