震災で分譲マンションが損壊!~民法が使えなくなる時~(続・了) | 法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

大学では資源工学科で熱力学などを学んでいました。
科学的分析で法律問題を解決!
多くのデータ(事情)収集→仮説定立(法的主張構成)→実証(立証)→定理化(判決)
※このブログはほぼ法的分析オウンリー。雑談はツイッタ(→方向)にて。

地震の巣のど真ん中の日本に住む者として,地震の原理,想定される災害,は知っておかなくてはならない,と痛感しています。
マスコミュニケーションが意図的かどうかはともかく,不当に流さない情報,というのもすごく多いです。これはまた別の話し。

前回の続き。
おさらい。

・震災による分譲マンションの損壊への対応

  損壊が大規模→「全部滅失」→被災マンション法2条1項の政令指定を受けた場合→「再建」手続きへ
               →同政令指定を受けない場合→各戸の所有者全員の同意がないと再築できない
  損壊が一部→「一部滅失」→「復旧」または「建替え」を各戸所有者の決議で決める

一部滅失の場合について,今回ご説明します。
一部滅失というのは,直そうと思えば直せる。完全に壊れたわけではない。という状態。
まさに,修復工事をしてまた住むんや!という人も居れば,イッソのこと,新築するんや!という人も居てるでしょう。
いろんな人が居る中,結論を決めなくてはなりません。
勿論,ルールは決まっています。
決議のための要件(可決要件)が区分所有法に書いてます。

<復旧>
小規模滅失の場合 議決権の過半数が賛成すれば「復旧」できる
大規模滅失の場合 議決権の4分の3以上が賛成すれば「復旧」できる
※損壊割合が
 建物の価格の2分の1以下→「小規模」
 建物の価格の2分の1を超える→「大規模」
※議決権=敷地の共有持分割合による

小規模の損壊だと修復工事の費用も小さいのでハードルは低いです。
大規模の損壊だと修復工事の費用も大きいです。建替えて新築にする!という人も居てるでしょうから,その分「復旧」のハードルを高めてあります。

次に建替えの要件。

<建替え>
区分所有者の5分の4以上
かつ
議決権の5分の4以上
この2つが揃って初めて建替えGOとなります。

費用も時間もエネルギーも要する1大プロジェクトになります。
ハードルは結構高くなっております。

で,可決されて,建替えGO!となったとしても,その後のプロジェクトを勧めることは結構大変です。
そのルールを作るだけで1冊の本・・・ではなく1つの法律に・・・なってしまいました。
「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」です。
もっと円滑に言える名前にして欲しかったな,と。

↓ぽちっとよろしく。
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

震災関連情報はこちら
復旧・建替え・再建やそのための集会に関するご相談受付中
個別的ご相談等のお問い合わせは当事務所にご連絡下さい。
http://www.mc-law.jp/yoyaku.html
↓お問い合わせ電話番号(土日含めて朝9時~夜10時受付)
03-5368-6030
050-5538-5030

不動産の法律相談