「いつ地震が来てもおかしくない」という意識を持つようにしています。
Q アパートを借りています。オーナーさんと連絡が取れなくなっています。
丁度転勤があったので引っ越しました。
家賃2か月払えてないけど,2か月分の敷金を預けっぱなしなので,気にしていませんでした。
そしたら,オーナーに融資していた銀行から,「滞納家賃の差押え」がされました。滞納分を払うように言われています。
敷金払ったからチャラ,ということはできますか。
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A できます。(原則)
結構難しい問題です。
前提確認。オーナーがアパートを建築する時に,銀行融資を受けた。
銀行は土地+建物に抵当権の設定をした。
その後,アパート完成→居住者が入居(賃借人)
まず,「(滞納)家賃を差し押さえた銀行」に対しては,「敷金で相殺」のワザは使えないことになっています(最高裁平成13年3月13日)。
抵当権が先だから。民法には早い者勝ちルール,が書いてある(民法177条)というのが理由。
この最高裁判決で,賃借人(居住者)は負け・・・という状態になりました。
居住者は,とりあえず賃料を銀行に払わなくてはならない。
敷金は?
それはオーナーに請求して下さい,という寸法。
けど,オーナーは行方不明。勿論,それでもオーナーの財産差押えは可能。
とは言っても,肝心のオーナーの財産であったアパート(土地+建物)を押さえようとしても,既に銀行の抵当が付いているのでムリ(無剰余差押の禁止(民事執行法63条))。
銀行預金は・・・既に銀行が相殺していて実質残高ゼロになってる!!
というわけで「敷金は戻ってこない」となることが多かった。
そう,過去形です。
この状況が変わりました。
最高裁が平成14年3月28日に,賃料差押えの対抗措置として敷金の充当を主張してええよ,と判断したのです。
ただし,退去した後であることが前提です。
通常,退去した後に敷金は戻ってくるわけですから。
ということで,敷金が戻ってこなくなるリスクを回避するためには,退去して敷金を充当する,
が対抗策となります。
ただし,イキナリ退去するだけだと,「賃貸借契約はまた続いている!」と銀行側から言われてしまいます。
賃貸借契約の解除(解約予告)をする必要があります。
これがまた,期間が制限されていることがあります。2か月前,とかです。
これは賃貸借契約書に書いてあるハズ。
でも,震災で修理しないと住めないような状況,になっていると即刻解除(終了)となる場合もありますよ。
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