あっという間の12月
初めての外泊。
そして…。
セカオワ✖︎WANIMAの対バンライブ。
友達がチケットを取ってくれて、車椅子での参加が可能なのかも確認してくれていた。
会場の幕張メッセへ車で行ったのだが、
障害者用の駐車スペースは会場へ向かう入り口の近くにあり、
会場案内もスタッフが付き添い、
通常のルートよりもショートカットして案内してくれた。
ライブはスタンディングということもあって
車椅子スペースの席には少し高めのやぐらが組まれ、そこから観ることが出来た。
しかも意外と近い。
バルーンは繋いでいたが、近くにトイレもあり、とてもいい環境だった。
飛んだり跳ねたりすることは出来なくても、
アーティストさんや会場の雰囲気を五感で感じれるだけでも楽しかったし、
ステージと目線が同じな為、
アーティストさんが観ている景色を観ることができる。
スマホライトで出来る光のカーペットはとても綺麗で涙が出そうになった。
終演後も他のお客さんの混雑に巻き込まれないように、
別ルートでしっかりと案内をしてもらい、安全に帰ることが出来た。
そもそも、コンサートやライブ経験自体が少ない為、他の情報はないのだが
今後もこういう場の経験も増やして発信出来たらいいな。と感じた。
友達の家へ帰宅。
URに住んでいる為、ある程度のバリアフリーにはなっているが
初めて車椅子で住宅に入ると
歩いていた時には感じなかった圧迫感や、不便さを感じた。
お風呂は床に長座位の状態で座り、身体を洗った。
大きなマットを持ってくる事も出来ない為、
最低でも、お尻とかかとを守るためのマットを準備していた。
コンパクトだがクッション性はある為、旅行などの持ち運びに便利だ。
床トラをする際はフットレストに置き、お尻の保護も出来る。
旅行先でお尻に傷をつくり、褥瘡になるケースも多いという。
この外泊のために床トラを頑張ってきたのだが、
病院で行うのとは全く違った。
入り口に車椅子をセットしてそこから上がろうとしたのだが、
足を伸ばせる距離がギリギリで、バスタブに指をブツけてしまう。
また、フットレストへお尻を乗せることが出来ない。
なぜなら、入り口から排水溝に向けて目ではわからないほどの傾斜があり、
その影響で、お尻からフットレストまでの高さがいつもより高くなってしまっていたからだ。
私が寝る部屋が隣りだったため、車椅子に乗ることを諦め、
そこまでプッシュアップをしながら進むことにした。
5歳の子供も手伝ってくれて
お尻をあげたらクッションを移動させて座る。その時、かかとのクッションも一緒に動かす。
という地味だが大変な作業を繰り返し、なんとか部屋までたどり着いた。
マットレスに上がることも出来ず、抱えてもらってやっと上がることが出来た。
自分の中で床トラの自信がついていた分、とてもショックだった。
リハビリ病院で出来ることが全てではなく。
リハビリ病院で出来ることが始まりなんだ。
と思った。
洗面台や、流し台も、下に空間がない為に横付けして使うしかない。
蛇口も遠くなり、うがいをするのも、顔を洗うのも、食器を洗う事も大変。
慣れないマットレスでの就寝。
バルーンをつなげていても、柵がない為にかける場所がない。
クッションもなく、うまく体勢がつくれず何度も目が覚める。
どんな状況であっても適応していく能力をつけること。
そうでなければ
旅行をするにしても限定的でしかなくなってしまう。
目指す道のりは大変なんだな。と痛感した。
しかし…。
今回の外泊旅はまだまだ終わらない。
もっと現実を突きつけられることがあったのだ…。
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