20年以上ぶりに、連続ドラマを観ています。
「不適切にもほどがある」
クドカン作品です。
これが無茶苦茶面白い!
まずやはり脚本。
ちゃんとこのドラマで伝えたいことがはっきりしている。過去と現在をタイムマシンで行き来しながら、
両方の時代を比較し、世代間の違いや考え方の違いなどを明らかにします。
そのうえでお互いに話し合ったり、理解しあうこと、尊重することが大切なんだということを、人と人との濃密なエピソードを通じて説いてくれます。笑いや涙を織り交ぜながら。また、一回観ただけでは見過ごしてしまいそうな伏線がたくさん隠されており、それをつなぎ合わせる謎解きのような楽しみもあります。
そしてキャストも素晴らしい。
出てくる俳優さんたちがみんな味わい深く、みんなが主役のような印象を受けます。
そうなんです。みんながそれぞれの人生の主役なんです。
感情を揺さぶられるストーリーが続きます。
勿論ドラマ自体も楽しみなんですが、もう一つ楽しみがあります。
ドラマを観終わった後に、視聴者のつぶやきを見ることです。
同じ時代を生きた人たちの「わかるわー、それ!」というつぶやきに激しく同意したり、
自分が気付かなかった伏線などにコメントしている人たちに「おお そういうことだったのか! いや そこまで深く読めるのはすごい!」などと感嘆したり。そんな作業もこのドラマを観たあとの楽しみなんです。
そういえば、昔はみんなそれぞれの家で同じ番組を観たりして、翌日の学校ではその話題でわいわい盛り上がっていたなぁ。
それの現代版なんですね。ドラマの後つぶやきを見るのは。SNSってこういう良さもあるんだなと気づかされました。
こうやって考えると、結局は「人と人」。 分かり合ったり、意見が食い違ったり、時に反目もするけど、根底に「相手を敬う」気持ちがあれば、やっぱり心は満たされるのかもしれませんね。
この10年、15年、ネット社会になり、過剰に自分の権利を主張したり、独りよがりの正義を振りかざしたり、顔も見たいことない相手を匿名で誹謗中傷するなど、どうも人の嫌な部分ばかりが注目され、ちょっと辟易としていました。SNSにもどちらかというと否定的態度でした。
でも結局は使い方なんですよね。ナイフだって便利で役に立つけど、人を傷つけることもできる。
ひさびさに「やっぱり人っていいよね!」と思わせてくれる、そんなドラマです。
毎週金曜日が待ち遠しい!