いよいよ近づいてきました。憂鬱な季節です。
そう。春。すなわち花粉症の季節です。
花粉症のない人々にとっては、新たな出発や出会いがあり、草花も芽吹き、初夏に向けて爽やかで明るい気分をもたらしてくれる、そんな季節なのでしょう。
しかし、我々花粉症の人間にとっては、それらすべてが吹っ飛ぶくらい辛い季節なのです。
くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、肌荒れ、皮膚掻痒、頭痛、微熱、などなど。
毎日が生き地獄です。スギやヒノキを植林した人を心から恨み、片っ端から伐採したい気持ちになります。
まあ、逆襲が恐ろしくて伐採にも行けませんが。
ところで、このアレルギー症状を引き起こすのは肥満細胞です。脂肪細胞ではないですよ。
この細胞自体が細胞内にたくさん化学物質を含んでまん丸に太って見えるから肥満細胞と言います。
その肥満細胞がヒスタミンという伝達物質をたくさん放出するから、身体がおかしくなります。
「今日は雨だから、花粉が少なくて楽でしょう?」などと思われがちですが、ところがどっこい雨の日だって地獄なのです。
肥満細胞は、雨の日のような気圧の低いときには、ヒスタミンを遊離しやすいのです。すでに花粉に感作されている肥満細胞は
容赦なく、ヒスタミンを放出するのです!
すなわち、晴れて花粉がたくさん飛んでもヒスタミンが放出され地獄、雨の日でも気圧の低下でヒスタミンが放出され地獄。
どっちにしろ地獄なのです。
細菌からの生体防御、寄生虫からの生体防御、腸炎などからの生体防御、
炎症をコントロールして生体防御に役立つ、まんまるなかわいい肥満細胞。
しかし、花粉により肥満細胞は狂わされ、丸々太った超絶悪いヤツに大変身!
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」をまざまざと我々に見せつけるのです。