現在、コロナウイルスの金融対策としてセーフティネット保証(4号、5号)が実施されています。セーフティネット保証制度は、中小企業信用保険法第2条第5項及び第6項に規定されている制度です。(日本公庫のセーフティネット貸付とは別物ですからね!!)
セーフティネット保証とは、「取引先等の再生手続等の申請や事業活動の制限、災害、取引金融機関の破綻、大規模な経済危機等による信用の収縮等により経営の安定に支障を生じている中小企業者について、保証限度額の別枠化等を行う制度」のことをいいます。
ポイントは、「別枠」だということです。通常の保証協会の一般枠とは別だという意味です。
セーフティネット保証は、「経営安定関連保証」(中小企業信用保険法第2条第5項)と「危機関連保証」(中小企業信用保険法第2条第6項)に分かれます。
現在、コロナウイルス対策として実施されているのは「経営安定関連保証」制度です。全部で以下の8種あります。
現在、この4号認定と5号認定がコロナウイルス対策として実施されています。なお、4号は自治体からの要請がある場合に実施されることになっています。なお、4号については、万が一事業者が返済できなくなった場合は100%代位弁済されますが、5号については80%の弁済になります。よって、金融機関としては、4号認定の方が有難いと言えます。
次に「危機関連保証」(中小企業信用保険法第2条第6項)ですが、これは平成30年4月1日に施行された制度です。(ちなみに、この制度が創設された結果、5号認定が80%の保証になりました。) 中小企業庁の説明を抜粋しますと次のような定義になります。
現在のところ、コロナウイルス対策としては、実施されておりません。(2020年2月19日現在)
・経営安定関連保証/セーフティネット保証制度の概要について
それでは、経営安定保証/セーフティネット保証4号、5号の概要について説明いたします。
1.対象となる中小企業者
取引先等の再生手続等の申請や事業活動の制限、災害、取引金融機関の破綻、大規模な経済危機等による信用の収縮等等により経営の安定に支障を生じている中小企業者が対象となります。また、事業所の住所地を管轄する市町村長又は特別区長の認定を受けることが前提となります。
2.保証料率
おおむね1%以内(危機関連保証については0.8%以内)で、各信用保証協会毎および各保証制度毎に定められています。
3.保証限度額
保証限度額については以下の通りです。
別枠として、普通保証 2億円以内、無担保保証 8,000万円以内、無担保無保証人保証 1,250万円以内が設定されます。
4.手続きの流れ
まずは、中小事業者は、「法人」の場合は登記上の住所地又は事業実体のある事業所の所在地、「個人事業主」は事業実体のある事業所の所在地の市町村(または特別区)の商工担当課等の窓口に「認定申請書」を2通提出します。
次に、申請した自治体から「認定」を受けてから、金融機関または所在地の信用保証協会に認定書を持参のうえ、保証付き融資を申し込むことになります。
以上がセーフティネット保証の概要になります。
繰り返しますが、ポイントは保証枠が別枠で設定されますので、既に、一般保証枠を限度まで利用している事業者も信用保証協会からの保証を受けることができるのです。(もちろん審査はあります!) とても有難い制度です。
また、信用保証協会や金融機関に申請する前に、自治体からの「認定」を受ける必要があります。これを忘れないようにして下さい!
なお、この認定は要件さえ合致すれば、よほどのことがない限り、どんな事業者でも受けることはできます。しかしながら、認定=融資の実行ではありません。これを勘違いしている専門家もいます!
士業やコンサルの先生は、是非、このような知識を正確に知っておいてください。そして、顧問先さまなどに、正確な情報に基づく情報発信してください。
知っているだけで救われる企業さんはたくさんあります。知らないというだけで倒産してしまう企業さんもあります。
是非、先生が顧問先企業の資金調達支援をして差し上げてください!!