オールナイトニッポンで一世を風靡した伝説のDJ亀渕昭信さんとそのモーレツリスナーだった鷲巣功DJが「ピンポンDJ」をしながら、繰り広げた生対談。このイベントの情況を文字起こしましたので、何度かに分けて掲載させていただいています。
今回は、前回の「その2」につづいて「その3」をお届けします。
「帰って来たヨッパライ」秘話、カメカメ合唱団 と『人生はピエロ』について、加藤和彦さんとのこと、などのエピソードが語られます。カメ & アンコー ならぬ「カメ & ワッシー」の突然の大熱唱もあって会場の盛り上がりはピークへ…。

(文字にしてしまうと、あの会場の臨場感は伝わらない部分もあるかもしれませんが…もちろん文責は私、ムジ鳥にあります)
【その2からのつづき】
休憩中の最後のBGMで、「マルタ島の砂」がかかる
マルタ島の砂 (ハーブ・アルバート & ティファナ・ブラス)
The Maltese Melody Herb Alpert & The Tijuana Brass
(鷲巣DJが「ビター・スイート・サンバ」と勘違いして用意していたEP盤)
曲が終わり、再開
鷲巣功DJ(ワッシー):
はい、ただいまお送りしたのが「マルタ島の砂」でございます。(拍手)これが何かのラジオのテーマになっていたという話が今そこで出ましたけども、何かご存知の方はいますか。この頃、ほとんどの日本の洋楽風な音楽はティファナ・ブラスなんですよね。だから、ジャズの人たちがカヴァーしてたものを聴くと大抵「蜜の味」になっているというね、面白いというか、非常に画一的な印象を持ちますけれども。
萩原健太『ERIS』編集長:
これはヒットしたの。
ワッシー:
ヒットしたの?
萩原健太『ERIS』編集長:
これは日本だけで独自にヒットしたの。
ワッシー:
あ~あ、ありがとうございます。いつも。それでシングルになんだね、これね。
萩原健太『ERIS』編集長:
日本独自のヒットで、だから、「ビター・スイート・サンバ」と(「無用」と聞こえるけど文脈からは「無関係」的な意味か)…な形で広まったとかではなくて、オールナイトニッポンとかで回中ローテーションでかけられて…。
ワッシー:
ちゃんと売り出した訳だ、キングが。「ビター・スイート・サンバ」はシングルは?
萩原健太『ERIS』編集長:
なんか、高崎(一郎)さんは、最初「レモントゥリー」(ハーブ・アルパートとティファナ・ブラス)って曲を考えてたらしくて、LPの中の…。
亀渕昭信DJ(🐢カメさん):
そうなんだよ。諸説あるんだよ。一つだけ正しいのは、高崎さんはその頃、アルモ・アーヴィン(アーヴィン・アルモ? A&M出版社のこと?)っていう音楽出版社の、今のフジパシフィックの原型をつくった会社の出版権を持ってたの。絶対そこの曲を使いたかったんだなぁ。で、僕のお友達の朝妻(一郎)さんて方が、日本の⚪️⚪️⚪️⚪️と言われて…(会場:笑)内緒だよ、これはね。(会場:笑)でもね、褒め言葉で言うと、そんだけ仕事するって人はなかなかいないよ。うん、それはそれで。彼がいろいろアルモ・アーヴィンの曲を探してきたんだよ。ずっとね、その中の1曲がいろいろあったんだよ。なんだっけ、「レモントゥリー」か何にしようかってあったの。
ワッシー:
あの「レモントゥリー」じゃないでしょ。(PPMの曲のことを言っていると思われる?)
🐢カメさん:
よくある話は、A面とB面の4曲目を間違えてどうしたっていうのがあるんだけどさ。
萩原健太『ERIS』編集長:
なんか、結局、間違えてかけちゃったら、あれ(「ビター・スイート・サンバ」)だったって話が…わかんないよ。聞いただけだから…。
ワッシー:
本当に、本当に。
🐢カメさん:
朝妻さんの話だと、最初からそう(「ビター・スイート・サンバ」)だったという話があるんだけど。(会場:笑)でも高崎さんって人はすごい人なの。真面目じゃないって言うんじゃないけども、メディアのことをすごくよく知ってんの。そういう間違いをしたってことがニュースになるだろうなっていうのをあの人は知ってるわけ。都市伝説だよ、一種のね。なんか要求が間違えっていっちゃったらしいみたいだとかさ、最初は「レモントゥリー」だったのにさ、たまたま間違えて、オールナイトニッポンの「ビター・スイート・サンバ」にいっちゃったというのは話としてすごい面白いじゃない。多分、本人は知っててね、嘘ついてるんじゃないかと思うんだよね。(会場:笑)僕たちの業界、そういう人いっぱいいるからね。(会場:笑)僕も含めて。(会場:笑)話は気をつけろよ、だから。話は半分ぐらいだよ。そんなことでね、あの話も本当に都市伝説っぽいけども、どーも、話は面白くどんどんなっててね、なかなかつくるねと思うね、あの人。偉い。僕のまわりはすごい人ばっかりなんだよ。だから。
そう、さっきのアメリカ旅行の続きだけど、ずっと貧乏してて、そのイシダ(石田達郎)さんの鞄持ちして、アメリカ回って、僕は初めて、ニューオーリンズに行った時に、あ~ぁ、アメリカのお肉、ステーキってこんなに美味しいんだぁと思った。(会場:笑)それまで半年以上いて、まともにステーキを食べたことがなかったの。ちゃんとしたステーキは。あっ、これがフィレニオンって言うんだとかさ、美味しかったなぁ…。(会場:笑)あれからしばらく食べてないなぁ。(会場:笑)情けねぇ、情けねえなぁ。それはそれでともかくね、いや本当にアメリカとかイギリスとか、やっぱ不味いとか言われているけど、美味しいものはあるねぇとつくづく思うね。探せばあるっていうか、お金出せばって言うんじゃないけどね、探せばあるなぁと思う。はい。そんなことで、今、一生懸命やってますから。今、奴隷の如くこき使ってますけどね。どうなることやらね。
ワッシー:
この、先ほどのライナーで、あの、この時にね、オーティス・レディングを2回観てるんだって。
🐢カメさん:
あっ、オーティス・レディング! オーティス !そう、僕はフィルモア・オーテ・ウィリアムというところで1回観てて、ベイシー・ストリート・ウエストってところで1回観て、2回目の時、サインもらいに行ったんだよ。
ワッシー:
そうです。楽屋でサインをもらったっていうのが書いてあってさ、うれしくて…。
🐢カメさん:
二つもらって、一つは桜井君にね、お友達の、ユタカちゃんにあげたんだよね。
ワッシー:
それもここに書いてありますね。
🐢カメさん:
桜井(ユタカ)君はすごいファンだったんだから。バーケイズがバックで、バーケイズがね。
ワッシー:
両方とも?
🐢カメさん:
みんな死んじゃったね。そういえばね。
ワッシー:
両方ともバーケイズでしたか?
🐢カメさん:
違う、違う。こっちがバーケイズ。みんなって言っちゃいけないな。メンバーの何人かだね。
ワッシー:
モントルーでは観てない?
萩原健太『ERIS』編集長:
モンタレーだよ。
ワッシー:
ああ、モンタレーでは観てない?
🐢カメさん:
モンタレーでは観てない。モンタレー、1日目か、2日目かじゃない。
ワッシー:
あれは二日間?三日間?
🐢カメさん:
三日間。
ワッシー:
金・土・日。あそこで、ほら「リスペクト」を歌って、アリーサ・フランクリンにとられたって言うんだよね。あそこのところがかっこいいですよね。とてもね。それだけでございます。(会場:笑)
🐢カメさん:
そういうエピソード一つ一つが都市伝説になっていく訳だよ。(会場:笑)
ワッシー:
わかってて嘘をつく。
🐢カメさん:
そうそう、わかってて嘘をつくってこと…。
ワッシー:
その辺で関係して、急遽変更しました。これ覚えているかなぁ。
🐢カメさん:
覚えてないよ。
ワッシー:
コマゲン(カムアゲイン「もう一回音をくれ!)
🐢カメさん:
はい、よいしょ。
ワッシー選曲:
11曲目 レコーディング・データ (サディティック・ミカ・バンド / 亀渕昭信DJ)(c/w サイクリング・ブギ)
(ファーストアルバム『サディティック・ミカ・バンド』の初期プレスのLPに付いていたいたボーナスEP盤より。前半分のナレイションはニッポン放送で人気パーソナリティだった高嶋秀武さん風に加藤和彦さんが、後半部分は亀渕さん本人がDJ風にパーソネル・レコーディング・データのをしゃべってます。)

(後半の亀渕さんの登場、DJ風ナレイションの始まりと終わりに、会場:拍手&大声援)
🐢カメさん:
なんか、全然、変わってないんじゃないか、俺。違うか。(会場:笑)
ワッシー:
これは初回のプレスについていた…。
🐢カメさん:
付録だよね。
ワッシー:
付録。でもね、2回目まで付いていたみたい。
🐢カメさん:
ああ、そう。
ワッシー:
私、実は持ってたんですが、今回これを探したら、このシングルだけなくてね、オークションで落としたの。
🐢カメさん:
やったね。
ワッシー:
そしたらね、レコード番号が違ってた。こっちの方が新しかった。
🐢カメさん:
あっそう。ということはどういうこと。再発されてたの。
ワッシー:
再発の時も1回目は付いてたの。
🐢カメさん:
すごいなぁ。
ワッシー:
で、頭の方は、加藤和彦が真似をしていたんですね。あれね。
🐢カメさん:
そう、加藤君だよ、あれ。高嶋さんだと思った?
ワッシー:
え~ぇ、ず~っとそう思ってた。
🐢カメさん:
ちょっと回転数変えて、真似してたんじゃないかなぁ。
ワッシー:
やられたなぁ…あれはなぁ。
🐢カメさん:
流石だね。
ワッシー:
いや~、はい。ということで、これは…、加藤和彦とはオールナイト・ニッポンで近かったんですか。ヨッパライが一番初め…。
🐢カメさん:
そう、ヨッパライがあったからね。これもよく話してるんだけども、「帰って来たヨッパライ」ていう歌は…。まず深夜放送ってパック・イン・ミュージックって先にできたのね。7月頃、で、その年(1967年)の10月にオールナイト・ニッポンがスタートして、パック・イン・ミュージックはとても幸せなことに日産自動車がフルスポンサー、1社提供でついたわけ。ニッポン放送、オールナイト・ニッポンは、まあ、TBSさん、パック・イン・ミュージックは文化人が多くて、福田(一郎)先生なんかもやってらっしゃったし、増田貴光さんとかね、映画の、でいろんな人たちがやってて、オールナイト・ニッポンの方は社員がやっててあんまり知名度なかったんだよ(会場:笑)まあ、売れねえだろうなぁと。1年ぐらいたったら売れるんじゃないかっていうんで、最初の1年間はポニーキャニオンが隠れて提供してくれてね、裏っ側でお金出してくれたけども、その代わりに曲かけろと言われてさ、かけるんだよ、いろいろ。天⚪️よし⚪️とかかけちゃうんだよ。(会場:笑)
ワッシー:
その頃すでに。
🐢カメさん:
もうそうだよ。
ワッシー:
わ~ぁ、やりますね。
🐢カメさん:
あたり前だよ。がんばったよ。一生懸命やったよ。わかんないようにかけるんだけどね。(会場:笑)
ワッシー:
それじゃあ、かけたことにならない。
🐢カメさん:
わかっちゃうけどもね…。たいがいわかっちゃうけども。いやだなぁと思って、僕の場合は演歌はちょっとたんまだから、フォークにしてくれませんか言ってね、フォークの曲をかけたりするんだけど、そういうことをやって1年間食いつないだ。それはともかくとして、で、半年くらい経ったあとに「帰って来たヨッパライ」が出たんだよ。そのことは木崎義二さんが教えてくれたの。木崎さんがラジオ関西で電話リクエストっていう番組やっててね、「カメちゃん、すごいよ。これもう関西でものすごく流行ってるんだ」って、その頃、オープンリールテープしかなかったから、オープンリールのテープを持ってきてくれて「これだよ」っと。高崎(一郎)さんに渡したら、高崎さんがすぐかけて、そしたら本当すごかったの。1日かけたら、もうすぐにもう一回かけろ、あの曲なんだって、スタジオに電話ないから、警備のところにくんのね。警備の人が変な電話来ますって(会場:笑)「帰ってきたナントカ」って言ってますよ。またかけたら、また来るみたいな、そりゃ、呼び込んだらまた来るよね。で、ずっとね、4回ぐらい、4、5回かけたんだよ。最初の日に。
ワッシー:
一晩で?
🐢カメさん:
そう、一晩で。それはいいんだよ。問題は、あっ、すごいなって思って、TBSさんも、当然、他の局さんも欲しかったと思うんだが、流石、朝妻君だね、行って押さえてきたんだね。金持って、ガーッって、ガーッって行って…。(会場:笑)でも、それは出版権だけだから、別にレコードかけたって構わないわけだよ。問題は、パック・イン・ミュージックはかわいそうに日産自動車の提供だから…。
ワッシー:
あっ、ヨッパライ運転だから、テーマが。(会場:あ~ぁ)
🐢カメさん:
そうなのよ。多分ね、それは自分たちで判断したと思うのよ。日産自動車がなんか言ったんじゃないと思う、絶対に。(会場:自粛)そう自粛だね、言ってみれば、一種の自粛でこれまずいだろうと、ヨッパライ運転で人が死んじゃう歌が、車、提供、スポンサーじゃ(会場:笑)これヤバイよな、怒らしちゃまずよな、で多分やめたと思う。それが僕らに幸いしたね。
ワッシー:
降りられちゃ、堪んないもんね。
🐢カメさん:
それも僕らにものすごく幸いしたね。どっちかって言うと、独占みたいになったわけだよ。毎晩かけられるもん。あの歌は昼間には向かないんだよね。(会場:笑)
ワッシー:
あ~、そうそうそうそう。
🐢カメさん:
昼間かけても面白くも何ともない歌なんだよ。それでオールナイト・ニッポンはなんかね、ロケットスタートになったんだと思うな。
ワッシー:
そうですか。今の京都に押さえに行くところの話は割と有名なんですね。新幹線の最終に間に合うからって言って、行ったらしいのよ。本当かどうかは知りませんけども。ある本で読んだところでは、それを翌日にしていたら、多分、先を越されただろうというようなことが語られておりました。はい。
🐢カメさん:
なるほどね。どっかの出版社の人がってこと?
ワッシー:
いや、ニッポン放送関係の人じゃなかったかなぁ。
🐢カメさん:
じゃあ、それ、うちじゃねえか。(会場:笑)
ワッシー:
たしか、これから行って来るって言って…。
🐢カメさん:
もしかしたら、東芝の高嶋(弘之)さんのところかもしれないよ。高嶋さんはね、原版というか、その録音物を…。高嶋さんて、ビートルズをやった方を知ってるだろ。高嶋さんて、ビートルズのディレクターですごい優秀な方がいらっしゃって、その方、僕がちょっと感心したのは、ヨッパライの時にはね、結構、ほら、お家の録音だからさ、そんな音がいいわけじゃないわけ、「帰って来たヨッパライ」って。高嶋さん、これ、録り直したほうがいいでしょうねって言ったら、偉いね、あの人、このままでいいんだ。絶対このままがいい、今流行っているこの歌をそのままかけるのが大事なんだ。プレスすることが大事だって、それでヒットしたんだけども。あとで聞いたら、制作費がかかるからやめたらしいんだよねぇ…。(会場:爆笑)もう一回歌入れたら大変だろうと、時間もかかるし、だったら早とこ出しちゃったほうがいい、それ正解だよね。そういうことがあるんだなぁと思った世の中は。ヒットソングってそういうもんだよ。
ワッシー:
(BGM的にフォーク・クルセダースの「紀元貳阡年」を回し始めながら)あれは、東芝が原版を押さえて、それでレコードとしてはどこでも使えたわけですね。でも、やっぱ、どっちかっていうと、オールナイト・ニッポンの…
🐢カメさん:
レコード発売になってからは、みんなかけたよ。レコード発売になる前は、オープンリールだから、今みたいに簡単にさ、ボタンひとつでどっかいっちゃうわけじゃないからさ、それを持ってないとダメなわけだよ、オープンリールを。だから、ラジオ関西に行ってもらってくるしかないって言うかさ、関西に行ってもらってくるしかないっていう…。
ワッシー:
それがまわっていたんですか?
🐢カメさん:
それが、最初はそこから始まったから、オープンリールをまわしたんだから。
ワッシー:
いい話ですね。非常に。
🐢カメさん:
そう、懐かしいね、そういう時代がね。今はあっという間にコピーされちゃうからね。(会場:笑)
ワッシー:
(フォーク・クルセダースのアルバム『紀元貳阡年』を持ち示しながら)これは、その「ヨッパライ」が入っている一番初めのアルバムです。それにですね。ちょっと、この人に関連のある歌が入ってまして、(会場から「水虫の唄」)言わないでよ。(会場:笑)
(針を落として)これは「ドラキュラの恋」というですね、かなり、これはアルバムとしてはプログレッシヴでして、非常に進んでいて、コンセプトををもっているちゃんとしたアルバムだし、それに応じて、こういうふうにミキシングとか、そういったものも非常に考えられています。その中で、作者不詳の唄がございました。(曲が始まり)それがベートーヴェンではないかと…。
🐢カメさん:
…歌わなきゃしょうがないなぁ。(マイクを握って)
ワッシー選曲:
12曲目 水虫の唄 (ズートルビー)
(ザ・フォーク・クルセダーズ『紀元弐阡年』LP盤より)
亀渕さんが突然歌い出して、この曲にあわせて「カメ & ワッシー」二人で大熱唱 !!!

(会場:大声援&笑&拍手)
(鷲巣師匠、ハモッてるんだけど、少し音をはずしちゃってるかも…?!)
ワッシー:
(間奏のところで)この人の盤は、ここでセリフが入ります。なんか女房にうつすとかうつさないとかね、覚えてますか。(拍手)
🐢カメさん:
ありがとうございました。(大拍手)やればできるんです、みなさん。(会場:笑)
ワッシー:
生歌が入りました。(会場:笑)「水虫の唄」で、このヴァージョンじゃなくて、(カメ&アンコーで)カヴァーをして、そっちも大ヒットしましたよね。
🐢カメさん:
だから、そうなんです。最初、木曜日って言ったじゃないですか。ナッちゃん・チャコちゃんの裏だって、ナッちゃん・チャコちゃん、ものすごい人気あるわけですよ。僕は、まったく、その前に、さっき「電話リクエスト」聴いてらっしゃった方…、どうもありがとうね、僕、「電話リクエスト」をやってたんです。日曜日の深夜のオールナイト・ニッポン、東京だけでね、2時間ぐらいの番組で、それで半年ぐらいやって、木曜日のオールナイト・ニッポンにいったんですが、その時の裏がナッちゃん・チャコちゃんで、オールナイト・ニッポンで人気のあったのは、斉藤安弘さんと今仁哲夫さんがものすごい人気があったの。哲ちゃんはちょっと年上なんですが、アンコーさんはほとんど同期で、一緒に同期入社なんですよ。仲が良かったんです。アンコーさん、人気あったから、これはコバンザメだねと思って、(会場:笑)アンコーさんと何かやったら、僕、絶対目立つよね、同じレベルまでいっちゃうよね、みたいな感じで。アンコーさん、うた歌わないって?。あの人、歌うよって言ったんですよね。音程は悪んいんだけどね。あの人ね。(会場:笑)それはともかく、で一緒に歌って、なにか曲、やっぱ、カヴァーがいいと。いい曲で、「水虫の唄」って、ズートルビーって知ってるように、あの座布団運び(ずうとるび)じゃない方のズートルビーがね、やって、それなりにヒットしたんだが、あまり知られてる歌じゃなかった。これはすごくいい曲だから、やろうよと。それから、もう一つは、アンコーさんに話したのは、アメリカのDJはね、昔はDJは歌ってる人がすごいたくさんいるんだというような話しをてね、騙してね、(会場:笑)歌ったんだよ、一緒に。でね、アンコーさんも一生懸命がんばってね。一曲目だけは本当にヒットして、オリコンチャートの一番こっち側の欄にいったからね、ちゃんとね。それは最初、ソニーだったの、ソニーレコードから出したのね。日本のサイモンとガーファンクルって言われたんだよね。(会場:笑)僕たちはジャン&ディーンじゃないかと思ってたんだけれども。それで、二番目からはね、キャニオンレコードがそりゃまずいだろうって、うちに来いって移ってこいって言うんで、全然売れなくなっちゃって、その時から。(会場:笑)
ワッシー:
ソニーでしたっけ?
🐢カメさん:
最初はソニー。では、そういうことで、いや、そういうことなんですよ。よろしくお願いします。いいですか。はい。どうしようとしてるんですか、あなたは。じゃあ、私、話し続けましょうか。
ワッシー:
いや、じゃあ、その続きでもって…。
ワッシー選曲:
13曲目 ココロのシャンソン (カメカメ合唱団)
(カメカメ合唱団 『人生はピエロ』LP盤より)
(備考:『もーれつア太郎』の登場キャラクター「ココロのボス」のイメージソング。作詞:赤塚不二夫、作曲:加藤和彦、編曲:クニ河内)
🐢カメさん:
(曲の途中で)名曲ですね。もう自分でフェードアウトしました…(また戻してバックに曲がかかる中で)それで、加藤和彦さんとは本当に仲良くさせてもらって、カメ&アンコーが歌った歌のほとんどが、加藤さんと北山(修)さんの曲なの。全部はそうじゃないけど、これは加藤さんと赤塚不二夫先生が…
ワッシー:
クニ(河内)さん、クニさん。
🐢カメさん:
違う、作詞だよ。
ワッシー:
作詞は赤塚不二夫。
🐢カメさん:
でしょ。曲は加藤さんだよ。
ワッシー:
クニさん。(会場:違う、違う。曲は加藤さんで、編曲がクニさん)
🐢カメさん:
そうだよね。ほらご覧。(会場:笑)加藤さんが作曲で、編曲がクニさんなの。クニさんは、なかなか作曲しないの。わかった。はい。かけりゃよかったなぁ…今なぁ。そういうことで、加藤さんが曲をつくってくれて、赤塚さんが作詞をしてくれて、このレコードは泉谷(しげる)さんと一緒にピエロの格好してるんです。泉谷さんと一緒にピエロの格好で、とても面白いレコードジャケットでねぇ、中にゲームボードがついていてね、このゲームボードはサイコロをふるとね、ここがゴールなんだけどね、途中にいろいろあるんだよ。「スタート、人生は決してバラ色ではない、ロクなことない苦難の道なのだ」ってからはじまんのね、それから、いくつか進むと「他にやることないので大学に行く」とかね。「ビル看板が落ちて1回休み」とかね。そして「もう3コマ進め!」とか、それから、なんかとんでもないのもあるんだよ、「次の回に偶数が出た人は警察におわれ3コマ進め!」とか、なんかね、とんでもない、「⚪️⚪️⚪️⚪️病院」とか書いてあるんだよ、恐ろしいんだ、これね。これ大丈夫かなぁってみたいなヤツなんだね。よくつくったね、こんなものね。偉い、面白かった。

ワッシー:
これは…と関係ない?
🐢カメさん:
これは、エレックレコードから出してる。エレックレコード、その頃、僕、とても仲良くてね。土居まさるさんと、僕、またとても仲良くてね、土居まさるさんもエレックレコードだったんだけれども。
ワッシー:
カレンダー。
🐢カメさん:
そうそう、カレンダー。「誰レンダー、カレンダー」って言ってね。(会場:小笑)エレックレコードで出したんですよ。泉谷さんと一緒に。
ワッシー:
カメカメ合唱団ていうのは?
🐢カメさん:
そう、カメカメ合唱団。実態はないんだけどもね。一人で四重唱やってたの、最初に。一人で四重唱をやってるうちに、チップマンクスの真似したのかなぁ、ちょっと。どっちかっていうとね。チップマンクスを知ってて、本当にそういうのが好きで、ああいうのがつくってみたいなぁと思って、自分で多重録音でやり始めて、で、つくったら、いろいろ面白んだなぁ…その他にフライングソーサーみたいのもやってるしね、結構面白いんだよね。
ワッシー:
これは、先ほどの『紀元貳阡年』と並ぶくらいのですね、プログレッシヴなんですよ。
🐢カメさん:
その中で「2001年のポールとポーラ」とかってあるだろ。それは「ヘイヘイ、ポーラ」あのポールとポーラがお爺ちゃん、お婆ちゃんになったらどうなるかみたいな曲だよね。
ワッシー:
老齢問題とか、若者の自殺の問題とか、そういったものがちゃんとテーマになってるんですよ。
🐢カメさん:
老齢問題。そう、「信じあうことは……」っていう歌は、息子が死んじゃうんだよ、自殺しちゃうんだよ。で、お父さんのところに電話がかかってきて、警察から。「あんたの息子は死んじゃったよ」という話で、ガックリくるっていうところがあってね、今につながってるね。
ワッシー:
まったく問題が同じで…
🐢カメさん:
あと、これと保育所問題があったら絶対だったね、(会場:笑)もうちょっとってとこだったなぁ。(会場:再結成して)そうだなぁ、再結成なぁ、一人だから結成簡単だけどね。(会場:笑)
ワッシー:
基本的に、じゃあ一人?
🐢カメさん:
そう、基本的には一人だけれども、泉谷さんに手伝ってもらってるから、泉谷さんがちゃんと歌ってる歌もあるし、だから、やってるの。
ワッシー:
じゃあ、本当に一人でもできるんでしょ。
🐢カメさん:
一人でもやってるよ。
ワッシー:
今できますよね?(ムチャブリ)
🐢カメさん:
できないよ。そんな。
ワッシー:
今、歌えたじゃない。
🐢カメさん:
歌詞しらねぇもん、だって。だいたい。(会場:笑)やればできるね。そうだね。やっぱ、プロはね。あっそう、そういうことだね。
ひどかったんだよ。僕ね、ひとつだけ後悔してることがあって、加藤さん関連なんだが、加藤和彦さんがあんな形で亡くなられたんだが、その1年ちょっと前かなぁ…。「カメちゃん、もう一回、カメ&アンコーでやろうよ」って言って、実はカメ&アンコーでもう一曲だけ吹き込んだことがあるの。名前忘れちゃったなぁ…なんて歌だか。そのくらいすごい歌だったの。北山さんがやっぱ作詞で、なんかねぇ、引き出しを開けると上からギターケースが落っこちてきて、それを拾って、でポロンポロンってやって、息子がお父さんいい曲弾いてるねっていう歌詞の内容で、結構いい歌なんだよ。で、これ歌ってくれって言われて、アンコーさんと一緒に歌ったの。どっちかっていうと、あんまり気が入ってなかったのね。なんか、加藤君遊びでやってるね、みたいな感じでさぁ。こっちももう面倒くさいしさぁ。あんまり真剣になんないで、多分、アンコーさんはまじめにやったかもしれないけどもさ、なんか、あっという間に終わっちゃって、録音のほうもいい加減で、はい、もうOKなんて、OKじゃねぇだろうって言いながらさ、で録ったんだよ。で、出たんだよ、レコードが、どっかのオムニバスに入ってるんだなぁ…、え~ぇ、それで、なんて歌だっけ?(註1)
ワッシー:
いや、私、知らない…。(会場:笑)
🐢カメさん:
そうだよね。自分の歌忘れちゃいけない。で、録ったんだよ。そしたら、あんな悲しいことがあって、あれは絶対まじめに…多分、彼、すごい真剣にあれやってたんだよなぁ…なんかそういう思い出づくりみたいなことを多分やってたんじゃないかなぁって思って…。でもさ、その前にそうだ、再結成があって、フォークルの。坂崎(幸之助)君が入った再結成があって、その時たしか、ゲストに出させてもらって、その後に話が来たんだ、だから、彼はそういうことをすごいやりたかったんだよね。でも、片っぽで病気とたたかってたとこみたいなことがあるんじゃないかなぁ…。なんかもうちょっと…、俺は本当に友達…ごめん…。これは投書してもダメだからさぁ、ダメなんだけれどもどさぁ、許してくんないんだけども、なんとかしてね、ちょっと悔しいって言うか、ん~ん…残念、残念だったね…ん~ん。すいません、暗くなって…。
ワッシー:
じゃあ、気分を変えて行きましょう。
🐢カメさん:
あぁ、気分を変えてね、気分を変えて、ガラッと変わるんだけどね…。
【その4へつづく】
註1:カメ&アンコー 「オヤジのラブソング」
(Various 『オールナイトニッポン EVERGREEN 6 1982-1985』に収録)
それでは、ちょうど時間になりました。










































