マクドナルドが新商品説明会の席で1000通り以上のメニューを提供することを発表した件に関して某番組から取材がありました。


私自身は恐らく1000通りのメニューを提供しても、今の顧客流出に伴う売上減の流れは食い止めることはできないと感じています。


それは主に3つの理由によります。


1)品揃えを豊富にすれば売上が下がる


一般的に品揃えを豊富にすれば売上がアップすると考えられがちですが、マーケティングの実験で品揃えを増やすと売上減につながることが証明されています。


コロンビア大学のアイエンガー教授がアメリカのスーパーマーケットで行った実験では、6種類のジャムと24種類のジャムを陳列したところ、6種類のジャムでは29.8%が売上につながる一方で24種類の場合はわずか2.8%にとどまりました。


顧客は品揃えが豊富になればなるほど迷いが生じ、結局は購入しなくなるのです。


2)マクドナルドに健康を求めている人は少ない


今回の新メニューの目玉は健康を意識した野菜たっぷりのハンバーガーのようです。巷の健康志向を踏まえて開発した商品だとか。ただ、誰もマクドナルドに健康など求めていないので失敗する確率が非常に高いと思われます。現に2009年に原田社長の時代にサラダなど健康志向のメニューを取り入れましたが結局は失敗に終わっています。


マクドナルドに健康を意識したメニューを求める声は少なからずあり、一時期、生野菜を使用したサラダ関連商品を充実させたが、多額の投資に関わらず売れ行きは芳しくなかった。2009年(平成21年)に行われた株主総会の質疑の中で、原田COOは「消費者はマクドナルドに、そういうものを求めていないのではないか?」と回答している。”(出典:Wikipedia)


3)1000通りもメニューがあると現場が混乱する


1000通りものメニューがあれば、現場のスタッフはより高度な対応を求められるようになります。特に昼食など混雑した時にはミスが起こりやすくなり、ミスや待ち時間の長さなどからマクドナルドをもう2度と利用しないという顧客も現れてくるはずです。


結論:

マクドナルドに今必要なのはメニューの豊富さではなく、売りとなる看板メニューです。何でもあるは何にもないに等しいといっても過言ではありません。やはり「マクドナルドといえばこれだ!」という看板商品に力を入れてコアなファンの期待に応え、利益が上がる体質になってから他の客を取り込むメニューを投入して売上に拍車をかけていくべきなのではないでしょうか。