明石川における有機フッ素化合物の水質再調査及び汚染源撤去対策等を求める申入書

 

 いつも環境保全の取り組みについて、ご尽力をいただきありがとうございます。

既にお伝えした通り、8月1日に明石市民の血液検査をしたところ、有機フッ素化合物(PFAS)について、ドイツが緊急に暴露対策を取る必要な値とするPFOS20ng/ml、PFOA10ng/mlのどちらかを超えた人が6人、全米アカデミーズ委員会が示した健康へのリスクが高くなる血液PFAS濃度20ng/mlを超えた人が3人いました。

その背景には、明石川のPFAS汚染が間違いなく影響しています。神戸市が計測、公表している2020年度明石川のPFOS、PFOA合計値の最大値は、暫定指針値50ng/Lを大きく超える220ng/L、2021年度最大値は490ng/L、2022年度最大値は410ng/Lになっています。

そこで、私は明石川の汚染源調査のため、明石川25カ所の水質調査の実施を決めました。調査場所は、明石川の主要な橋、上流に産業廃棄物最終処分場、産業団地などがある支流です。

その結果、25カ所中13カ所において、暫定指針値である50ng/Lを超えることがわかりました。その中で、暫定指針値に近い40ng/Lを超える支流が7カ所あり、汚染源が複数個所あることが推測されます。

具体的には、産業廃棄物最終処分場2カ所は、間違いなく汚染源になっています。その他に、工業団地1カ所、他の産業廃棄物最終処分場1カ所についても、汚染源になっている可能性がありますが、もう少し詳しいデータが必要です。

深刻なのは、汚染源だと思われる産業廃棄物最終処分の排水の水質データが、10万ng/L(PFOS1500ng/L、PFOA10万ng/L)(暫定指針値50ng/Lの2000倍)となったことです。ここが、明石川全体の大きな汚染源となっていることは間違いありません。その隣にある産業廃棄物最終処分場の排水の水質データも210ng/Lとかなり高い数値で、水量は前者の産業廃棄物最終処分場排水と比べ何十倍の量が流れていることから、かなりの量のPFASが放流されているものと思われます。ただちにこの2カ所は、処分場内の汚染源を突き止め、神戸市も協力した中で、早期に事業者に汚染源撤去等の対策を取らせる必要があります。

その他の場所についても、さらに調査を進め、汚染源を突き止めると共に、汚染源撤去等の対策が不可欠です。少なくても、明石川の水質を、速やかに暫定指針値以下になるよう最大限の力を尽くすべきです。明石川の水を使用している明石川周辺の農地から取れた農産物のPFAS汚染も懸念されます。

以上のことから、下記の申し入れを行います。

 

申し入れ事項

・周辺河川の水質が暫定指針値を超え、汚染源である可能性がある産業廃棄物最終処分場や工業団地の排水を調査して、問題があれば、関係者に汚染源の撤去等対策を取るよう要請すること。

・明石市民や神戸市民の健康管理のため、産業廃棄物最終処分場管理業者には、いつからPFASを排出する物質が処分場に入り、PFASがいつから明石川に流れ出した可能性があるのか聞き取り、公表すること。

・産業廃棄物最終処分場(排水)については、神戸市として、継続的にPFAS水質検査を行い、事業者にもPFAS自主検査を実施させること。

・政府に、産業廃棄物処分場並びに工場排水に関する厳しいPFAS規制を速やかに行うよう要請すること。

・神戸市HPに掲載している産業廃棄物最終処分場の所在地は、旧番地であるが、現住所を記載すること。

・明石川周辺の井戸水や周辺の農地で出来た農産物のPFAS検査を行い、対策を取ること。