『ナイトウォッチ』感想。新感覚!完全に最後まで騙された映画。 | まじさんの映画自由研究帳

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2004年に公開され話題になった、ロシアのヴァンパイア映画『ナイト・ウォッチ』を観たかったので有料動画サイトにて初鑑賞。

ロシア映画は数本しか見ていなかったが、娯楽作が少ない印象だ。だが、そんな中でも、この作品はロシアの興行記録を塗り替えるヒットとなった。

驚いたのは、ロシア映画なのに、英語吹替でなく、流暢な英語を喋るロシア人俳優を揃えていて、最近のロシア映画もインターナショナルなんだなと関心し、それで世界でヒットしたのかと納得した。

ニック・ノルティそっくりな警部が出て来て、猟奇殺人事件を追う。
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ロシアでもこの手の顔は警部とか似合うキャスティングなんだなと思った。

現代の吸血鬼映画にしては、やけに設定が現実的で、連続猟奇殺人事件から始まり、死体安置所夜警のバイトを始めるユアン・マクレガー似の主人公が、前任者から説明を受けているシーンからなかなか意味深だ。
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詰め所では、常にラジオを聴いていろとか、バットを持ってりゃ安心とか言い出す。解剖された遺体標本室や、のようなモノが安置された、入っては行けない部屋がある。
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死体置き場
には、がぶら下がっており、生き返った奴が引っ張ると非常ベルが鳴るシステムとか、ここら辺りからホラーテイストがジワジワ入って来て、ワクワクしまくりだ!新しいラジオを買って、じぃさんに貰ったバットで武器も揃った。
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きっと、この死体置き場は、ヴァンパイヤの餌場なのだ!さぁ、殺人犯は誰なのか?死体安置所に隠された秘密とは?いったいどこからヴァンパイヤが現れるのか?推理ドラマ形式なのも、ヴァンプ映画には新しい!!猟奇殺人事件から、闇の世界の扉が開く斬新なヴァンプ映画とは、凄げぇアイデアだ!ロシア映画恐るべし!!

そして遂に非常ベルが鳴り、主人公は、死体が蘇って歩いた証拠を目撃!
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だが、警察を呼ぶと、その証拠は消えて、誰も相手にしてくれないとかいう、いつものホラーの王道展開が来てテンションが高まるぅ!!

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ジョシュ・ブローリンに似たヤバイそうな友人も、血の気が多いがどこか無気力で、何か常人とは違う感性を持っているようだ。
事件の鍵を握る謎の娼婦も、虚ろな受け応えしかせず、吸血鬼の使い魔のように顔が青白い
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さぁ、
闇の世界の扉はいつ開くんだ?焦らされながら期待に胸高鳴る中、『ダレン・シャン』を吸血鬼にした、ヴァンパイヤ師匠ジョン・C・ライリーにそっくりな警部補も登場し、いよいよヴァンプ映画らしくなって来たと高まった!
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クライマックスが訪れ、主人公が追い詰められる!遂に棺が開かれた!いよいよ闇の世界の扉が開き、犯人がヴァンパイヤとしての正体を現すぞ!
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…と思いきや、最後まで闇の世界の扉は開かれず、事件は解決して終わった…。




あれ?闇の世界どこ…?


…そうか。シリーズものって言ってたもんな!きっと一作目は序章で、続編の『デイ・ウォッチ』で、この事件は実はヴァンパイヤに纏わる闇の世界の、ほんの一部でしかなかった!的な斬新なリアル→ファンタジーな構造なのか!
さすが、インターナショナル・ロシアン・ムービー!凄いじゃないか!!ロシア映画のネクスト・レベルを観たぜ!!

と、ロックが流れるエンドロールを、余韻に浸りながら眺めていると、

キャスト

ユアン・マクレガー
ニック・ノルティ
ジョシュ・ブローリン
パトリシア・アークエット
ジョン・C・ライリー
etc……

の名前を確認…。

え?全部、ご本人様なの?

えーっと、ロシア映画にハリウッドの俳優が総出演……???


いや、それはない…。


あっ


ここで賢明なオイラは気が付いたのである!

コレは、ひょっとすると、ハリウッドのよくあるサスペンス映画なのではないのかな?


サスペンス映画だった…。


そう、コレは、ロシアのヴァンプ映画『ナイト・ウォッチ』よりも以前の1997年に作られた、ハリウッドのサスペンス映画『ナイトウォッチ』という作品だったのだ。
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死体安置所の夜警のバイトを始めた学生が、娼婦を狙った変質的な連続殺人事件に巻き込まれてゆく、ごく普通のサスペンス映画だったのだ。つまり、ハナからヴァンパイヤは出てこない。前半のホラー映画的演出に、オイラはまんまと騙されてしまったのだ…。

だが、ヴァンパイヤの登場にワクワク期待しながら観る、評価の低いサスペンス映画は、新感覚でとても楽しめた!

また新しい映画の見方をひとつ発見したと、今日も喜ぶ、まじさんなのであった。


それにしても…
『ナイトウォッチ』『ナイト・ウォッチ』が違うとは…。

紛らわしいんだよ!