掛け声の重要性【剣道用語】
これも、リクエストしていただきましたお題。
剣道では、「声(気合)を出せ!」とよく言われます。
なぜか?
剣道では、有効打突=一本になる打ちの条件の一つとして、「充実した気勢」があります。
つまり、しっかり気合を出した打ちでないと、一本になりません。
また、「気剣体の一致」というように、「声」「踏みこみ(腰を中心にした体重移動)」「打ち」が一体にそろわないと、しっかりした打ちになりません。
想像すると分かると思いますが、
・声のない打ち
・腰の砕けた打ち
・きちんと当たっていない打ち
…どれも、しっくりきませんよね。
実際、声がかれてしまって出ないときなど、打っても、気持ち悪いです。
元文献を示せなくて申し訳ないですが、
実際に声を出して打った方が、力が出るという実験結果があるという記事を見たことがあります。
打つ瞬間だけでなく、
自分が集中したり、
相手とかけひきしたりするのにも、掛け声は役立ちます。
かといって、
一本をアピールするような掛け声や、相手の人格を無視するようなものは、前に書いた礼節の観点から認められないと思います。
最後に、オフィシャルな文書を参考に載せておきます。
掛け声とは、
「心に油断がなく、気力が充実した状態が自然に声になってあらわれたもの」
そして、掛け声の目的とは、
① 大きな掛け声をかけることにより、自分を励まし、気力を充実させる。
② 自分の集中力を高め、士気を高揚させる。
③ 相手を威圧し、動きを抑制する。
④ 相手の気の起こりや気の集中を挫く。
⑤ 相手を迷わせたり、動揺させる。
⑥ 相手を引きだし、誘う。
⑦ 「気剣体一致」をはかり、打突の強度や正確性を高める。
(全日本剣道連盟 剣道指導要領 第6章 基本動作 第6節 掛け声(発声) より。)