ネットフリックスでみて、

どはまりした

「カラオケ行こ!」

 

とうとうシナリオブックを買ってしまった。

 

読んだら言いたい事がどんどん湧いてきたー

 

 

 

 

 

 

どうして狂児が聡実が部長だとわかったのかが、

ずっと気になってて、

たぶんロビーにいる所をどこかで見ていたんだろうと思って、

画面の隅々に狂児の姿を探していました。

あの、自販機の影とかかな?みたいな。

 

そしたら、

シナリオブックよんだら、

ちゃんと、

「その姿を見ている視点」

て書いてあって、超スッキリー!!!

 

その後の

狂児の「乱れた髪をかき上げて」というパワーワード

 

たとえ、映像になかったとしても

もうその言葉だけでメロメロw

 

映画はモノローグが無いので、

聡実が何を考えているかは

表情と態度から読み取るしかないのですが、

しなりおぶっくにはたまーにたまーに()で

何を思っているのかがかいてあるううううう(震)

尊い

 

あの名刺をカバンにしまったのは、

一応、ヤクザではなく企業という建前を取り繕うためだったんですね。

こういうちょっとしたスルーポイントにも気付けるのもシナリオ本の良いところ。

 

スティック砂糖でグサグサは

シナリオではジュースに刺さったストローだったのか。

 

それだと

ジュースのシミが服についちゃうもんね。

 

歌い始めで聡実は部屋から出ようとしていたという設定が、

 

結局、あきらめて座って

カバンに顔をうずめる動きになったの、

めっちゃうれしい。

 

あのカバンに顔うずめてる構図好き。

 

狂児のセリフの

「カラオケ行こ」には

もれなく「!」マークがついている。

 

でも、初回も、二度目も、

実際のセリフの声のトーンは

凄ーく甘い。

ナンパしてるようにしかきこえない。

 

カラオケボックスでのやり取りを

あらためて

文字ベースだけでみると

 

二人の空気が

すごくかみ合っていてしっくりくる感じに

なりかねないのがよくわかります。

 

セリフを変えないで、

たたずまいや表情、

声の出し方で、

噛み合わない感じ、

違和感を創り上げた

主役の二人のチカラが

本当にすごい!!!

 

ご苦労されたとおっしゃってましたが、

本当によくぞここまで、てシナリオ読んで感服しました。

 

読み進めるほど、

聡実君「・・・・」ばっかり。

 

こんなの演じる人、難しすぎて気が狂うんじゃない?(笑)

あまりにも全体重乗っけすぎ!

 

どれだけ大変だったことか

これをやり切った彼のすごさ。

 

そこまでもわかったうえで、

全員が一致団結して

聡実くんのためにと頑張って、

彼に愛を注いで

この映画は完成したんだな。

 

ヤクザのみんなと会う直前のシーン。

 

狂児が「まっとったでー」

と言いながら

聡実に近づくところ、

で、カバンの紐さわる所作。

 

そのながれが

無茶苦茶エロいなぁって思ってたら、

シナリオでは

ドア開けて目の前に狂児がいることになってたんですね。

 

じゃぁこのエロい演出は誰が考えたんだろう?

 

 

私が一番最初に

ぶっ刺さった狂児のセリフ

 

「そうか。ほな仕方ないな。聡実くん中学生やしな」

 

は、

シナリオでは

一息でのセリフだったのか。

 

一言一言、すごく繊細な声色で、

って思ってたら

 

心から感動した

「ごめんな」

シナリオになーい!!!!

 

まってまってマジか。

 

ここの「ごめんな」は

予告で

あのLINEにかぶせてるセリフで、

(私の中では)

かなりかなり重要なキーワードなんだけど。

 

たしかに原作とは違うから。でもまさかおったまげた。

 

あのごめんなは、

絶対に相手に許される声色なのよ。

 

確信犯なのよ。

 

こうやって狂児は人に許されながら出世して、

立派にヒモをつづけていたのよ。

って、納得できる

「ごめんな」だったし

 

だから

そのあと、こんなに怖い思いしたのに

聡実君のほうから

「カラオケ行こ」

ていうセリフが出てくるのも納得してしまった。

 

名付けの回想シーンは

シナリオよりも

断然面白い仕上がり。

 

監督さんと役者さんの腕がいいんだね。

 

ただ、どうやって撮ったか謎の

赤ちゃんの寝顔の笑顔。

 

シナリオでは

単に「笑う」しかかいてなくて、

寝ているとは書いてない。

 

これ本当にいつか誰かに聞いてみたい。

 

チンピラに絡まれるシーンは、

シナリオでは

子犬ちゃんのところで、

もっと距離が近かったみたいなんだけど、

映画では狂児が

何気に距離を取ってあげている動作が美しい。

 

そのせいで狂児の「切れどころ」(空気代わりどころ)

の位置が

 

=「ええやろ~」と、聡実の肩に腕をまわす。=

から

 

「かわいいのみっけてん」

のあとに変わっている。

 

それはそれで、無茶苦茶エモくてすっごい好き。

 

そのあとの、

財布ひろって

欲しいモノあるなら買ってあげるくだりは

映画で追加されている。

 

尊い。

すーーーーーーごい尊い!!!

あれは本当にめちゃくちゃイイシーンになった。

 

それがあるから

回想シーンで財布拾って渡すときの

優しい表情みたいな思い出の絵が産まれたし。

 

その後の屋上のシーン

夕日がみえている

とト書きにあるけど

 

青空の下で本当に本当に良かった。

 

聡実がブチ切れるところは、

シナリオでは

お守りをみて

「ふっと笑う」

てなっているけど、

 

映画では真顔のシーンが多くて、

狂児の聡実への気持ちが

より一層

引き立ってて


原作のファミレス行こ。

上巻最後のコマの狂児と同じ表情に見えました。

 

そして

これがあの

「紅」を聞いているときの

美しく儚げな切ない表情に繋がるのが

尊すぎる。

 

シナリオでは

スマホが通じないのは

狂児のスマホがバキバキに壊れたせいだとわからせるシーンがあるけど。

確かにこれは無くていいな。

 

 

あと、

「ヤッタんぽぽ!」がシナリオにあるのに感動。

 

原作の音楽教室の名前がつかえなくて、

タンポポ教室になったと、

あとがきでよんで知り、

よけいにこのパワーワードのありがたみが出てきた。

 

狂児がどんなふうに

紅を歌う聡実をみているか

 

シナリオに書いてなかったのに驚いた。

 

無いシーンを

あんなに感動的に演じられるなんて、本当にすごい。

 

 

歌い終わった後、

シナリオでは

組長の隣に狂児が居て

聡実君が二度見するながれになってたけど

 

それだと聡実君の歌の余韻に浸れないし

映画の流れの方が

断然自然ですごーくよかった。

 

演じる方もその方が自然に演じれたと思う。

 

野木先生のインタビューで、

 

漫画原作を引き受けないという一言がありましたが。

 

まさかこの時、

あんな大事件がおきるとは思っていなかったと思う。

とはいえ、

起こってもおかしくないという

暗黙の空気がその業界にあったんだろう。

 

漫画なら「マンガみたい」で成立する

ヤクザ。

 

映画でやるとなれば

ファンタジーヤクザを成立させる必要がある。

 

そこを踏まえて脚本を書いてくださっているのは

本当にありがたいです。

 

だけでなく、

内容が内容なのに、

あのジャニーズ問題真っ最中の時期に、

この映画を作っていたわけで。

 

とんでもないバランス感覚が必要なのが、

素人にもわかる。

 

「中学生の青春映画」

にしか見えない映画になったのに、

それでも

原作ファンの人のことを見捨てていないというメッセージをこれでもかというほど

ちりばめてくれた野木先生に

五体投地で感謝。

 

傘の柄は

野木先生も和柄でイメージしてたらしいけど、

トロピカルになったことで、

狂児の刺青とのリンクがバレにくくなってて、

 

聡実から狂児への気持ちは、

不思議な友情なんだな、憧れなんだな

と思わせる説得力が結果的に出たと思う。

 

和柄だとマンマすぎるからね。

 

私は女の園の星はまだ読んでないけど、

野木さんが

それを意識した脚本を書いて

監督もそれを意識して演出しているわけだし。

 

絶対面白いとおもえる。

ぜひ読んでみたいと思います。

 

 

映画を見る部を創った経緯を読むと、

巻き戻せないテープとかは後づけなんですね。

 

それがあるから、

あのチンピラに絡まれて助ける名シーンが

原作の漫画とは違うエモさに満ち溢れるわけで。

 

本当にそこに行きついてくれてありがとうございました!

 

原作にはいないけど、

ももちゃん先生を作ってくれたのもすごく感謝している。

 

彼女が言う「愛」には

性愛が全く感じられない。

 

とてつもなく軽くて、無邪気で嘘っぽくて、

おかげで

青春映画になっているけど、

原作は無視していないよ、

というメッセージをダイレクトに受け止めることができた。

 

あと、昨年金賞で、

担任が居なくなって銅賞になった説得力にもつながっている。

中学生の部活なんて、個人の能力より

先生のチカラが9割だもん。

 

 

余談だけど

あとがきをよむと、

あの事件が本当にいたたまれなくなる。

 

どっちが悪いとか、

そういう話では全くない。

 

ただ、あんなことがあったら

どうしても野木先生のスタンスこそが

正しいと思えてならない。

 

ゼロイチを産んだ人(原作)への敬意は絶対。

 

そこを

大人の事情を優先させて、

軽視してはいけない。

 

正直、最悪の結果に至った主犯格は

名もなき傍観者たちの誹謗中傷の集合だから

ある意味では誰も悪くない。


 

この映画の成功が、

 

漫画原作を実写にしてヒットさせる。

という事について、

 

映像関係の人たちの意識が、

いまより良い方へと動くきっかけに

少しでもなってくれたらと願っています。

 

 

 

 

BL界隈はとくに頼むからがんばってくれ!


ちぇりまほ、何食べ、消えた初恋など

いいモノもたまーにあるけど

本当にたまーにしかないからさぁ

 

 

で、

シナリオブック最高だったので

ビジュアルブックも買ってしまった、、、

 破産


せめても

円盤は特典我慢しよう