「くっ・・・なかなかやるな、炎ジュン・・・」
右手を失いながらも戦闘態勢を整えるヤヌス。
「あなたもね、ヤヌス・・・」
ビューナスの右脚を漏れ出したオイルが伝う。
『次が最後の攻撃ね。勝つにしても、負けるにしても・・・』
ヤヌスのウィークポイントを必死で探すジュン。
「いくぞ。それーっ!」
残された左手の爪でビューナスを貫かんと突進してくるヤヌス。
「予想通りだわ・・・」
片膝を付いて両手を突き出すビューナス。
「フィンガーミサイル!」
指先の小型ミサイルがシャワーとなってヤヌスに降り注ぐ。
「そんなもの効かぬわ。はーっ!」
ヤヌスの爪がビューナスを突き刺した!と思いきや・・・空を切ってしまう。
「どこに行った、炎ジュン!?」
「ここよっ!」
太陽を背にして空高くジャンプしたビューナス。ヤヌスには眩しくてその姿を捉えられない。
「ビューナスキーック!」
ヤヌスの背中を超合金NZのつま先が突き破った!
「うおーっ!・・・くうっ・・・」
四つん這いになって苦しむヤヌス。
「もう勝負はついたわ。降参しなさい、ヤヌス」
静かに語りかけるジュン。
「そんなことができると思うか?」
よろよろと立ち上がるヤヌス。
背中からはダメージのせいで火花が散り、右腕を失くした痛々しい姿で・・・
「勝てないならば炎ジュン、お前を道連れにするまでだ・・・」
ゆっくりとビューナスに向かって進む。
「悪いけど・・・あなたと心中するつもりはないわ・・・」
胸をそらしてミサイルの照準をつけるビューナス。
「せめてもの情けよ・・・一撃で倒してあげるわ・・・光子力ミサイル!」
2基のミサイルが吸い込まれるようにヤヌスに命中。跡形もなく吹き飛ばす。
「ふう・・・」
額の汗をぬぐうジュン。
「ヤヌス、敵ながらあっぱれな最期だったわ・・・」
『ジュン、よくやったぞ!』
鉄也からの無線が入る。
「鉄也!戦闘獣はどうしたの?」
『甲児君と俺で全て倒した。これからみんなでデモニカを破壊するんだ。さやかさんがお前にところに行くから、一緒に連れて来てやってくれ』
上空を横切っていくグレートとZ。
「了解。わかったわ」
見上げて手を振るビューナスの背後から青い女神が駆け寄ってきた。
「ジュンさん、お疲れ様・・・大丈夫?」
ダイアナンAのコクピットで弓さやかが不安気に尋ねる。
「大丈夫よ。すこし脚をやられただけ・・・でも、ビューナスがキズモノになっちゃったわ」
にっこりと微笑むジュン。
「心配ご無用だと思うけど。傷はわたしたちの勲章だから」
「それもそうね」
「さて・・・わたしたちも行きましょ。甲児君たちだけにおいしいところ持っていかれちゃたまらないわ」
「ええ。行くわよ、さやかさん。しっかりつかまっていてね・・・それーっ!」
大空に飛び立っていく2体の戦女神たち。
日本に平和が訪れるのはそれからすぐのことであった・・・
(終わり)
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