今月号の月刊チャンピオンRED10月号に掲載されている、もう一つのマジンガーコミックは、なんと永井豪先生自らの作品「真マジンガー 衝撃!H編」です。
最近発売されたコンティニュー誌のインタビュー(下の画像の本)で、超駄作アニメ「真マジンガー 衝撃!Z編」について『今川監督に全て任せた』、『シナリオも読んでいない』、『めちゃくちゃにしてくれてうれしい』と、表面的には好意的なコメントをしていた永井先生が、『さやかの出番が少なくて悲しい。だから自分で描いちゃいました』という作品です。
正直、台詞回しやロボットやキャラのデザインは'80年代以降の「マジンサーガ」や「Zマジンガー」的に微妙で、妙に気恥ずかしい気がするのですが、全盛期の永井先生の作品にあったハチャメチャなパワーが満ち溢れていて、面白く読めました。
「真マジンガーZERO」と同じく、こちらもしっかり甲児くんとさやかさん中心のお話になっていて、『お遊び外伝』的に上手くまとまっていると思います。
本来、今回のリメイクのメインディッシュは、TVアニメ「真マジンガー 衝撃!Z編」(と超合金魂)のはず。しかし、シナリオのあまりのクオリティの低さと、全く魅力のない他作品からの借り物キャラの露出過剰のせいで、もともと作品が持っていた、視聴率30%以上をたたき出した、ブームを巻き起こす王道パワーの99%以上がそがれてしまっています。
このため、一般視聴者に完全にそっぽを向かれてしまい、一部の『今川監督の作品なら何でも面白い(はずだ)』といった層や、『「あしゅら男爵がヒロイン!』とか『女将萌え』とか言っいてる、ナナメの楽しみ方ができる一部の人たちにしか認知されていない、悲しい状態が続いています。そういう意味では、ゴールデンタイムよりも、深夜枠が似合う作品に変化してしまったわけです。
そんな状況も、今号の2作品に出会うためには必要な代償だったのでしょうか?うーむ・・・複雑です。