Pic by AONさん
カレンα1が左右のツインテールからサーベルを2本抜き出し、1本をダイアナンの前に投げる。
「フェンシングで勝負しようってわけ?」
うなずくカレンα1。拾い上げ、構えるダイアナン。
「来なさい!」
激しくぶつかるサーベル。一進一退の攻防。
「えいっ!」
ダイアナン渾身の一突きがカレンα1のサーベルを弾き飛ばす。
「勝負あったわね」
サーベルをカレンα1の胸元に突きつける。じりじりと後退するカレン。ついには甲児たちが磔にされている崖まで来てしまった。
「もう行き止まりよ。観念なさい!」
その時カレンα1の両胸が光った。先端からビームを発射。
「きゃーっ!」
ダイアナンは咄嗟にガードしたが、右腕がサーベルごと吹き飛ばされてしまった。
「卑怯よ!フェンシングで勝負するんじゃなかったの!?」
「甘いぞ、弓さやか。勝負は勝てばいいのだ。カレンα1、形勢逆転だ。一気にダイアナンAを片付けてしまえ!」
カレンのツインテールが伸び、ダイアナンの首を締め付ける。
「くっ・・・苦しい・・・」
ダイアナンは必死にもがくが抜け出せない。カレンα1の右腕を胸元に持っていくと、爪が伸び、鋭利なカッターとなる。ダイアナンの腹部めがけてグサリ一突き。
「ああっ!くっ・・・」
4つの穴が空く。もう一突き。
「あうっ・・・」
「ハハハハハ・・・いいざまだな、ダイアナンA」
笑うあしゅら。
「いつまでも好きにさせるもんですか!スカーレットビーム!」
ダイアナンの額から発射された光線がツインテールを焼き切る。自由になるダイアナン。
「よくもダイアナンをキズモノにしてくれたわね。今度はこっちの番よ」
カレンα1を指差すダイアナン。
「ええーいっ!」
ダイアナンのハイキックがカレンの顎に炸裂。吹っ飛び崖に激突する。
「お返しよ!やーっ!」
カレンの腹部に膝蹴りをお見舞いする。
「しっかりしろ、カレンα1!」
回路がショートしたのか、動けないカレン。
「とどめよ!ミサイル発射!」
両胸から発射されたミサイルがカレンに命中。大爆発。
「カレン!」
「次はお前たちよ!それっ!」
ダイアナンのミサイルがあしゅらの周りのヘルカーを次々と破壊していく。
「えーい、いまいましい小娘め!おぼえておいで!」
退却していくあしゅらたち。
「いつもながら逃げ足だけは速いわね」
甲児たちの救出に向かうダイアナン。
光子力研究所。傷ついたダイアナンが夕日を浴びて赤く染まっている。その前に立つ甲児とさやか。
「いやー、今回はさやかさんに借りができちまったな」
頭をかきながらさやかに感謝する甲児。
「それにしても女は怖いな」
「そうよ。鼻の下のばしてデレデレしてると痛い目見るんだから」
腕組みをしながら微笑むさやか。
「デレデレなんかしてないぜ」
照れ隠しに気色ばむ甲児。
「どうだかね~」
甲児の顔を覗き込むさやか。あたりはもう暗い。
「甲児くん」
「ん?」
「今ここで借りを返してもらえるかしら?」
重なり合う二つのシルエットはやがて一つになって闇に熔けていった・・・
【End】