2月28日(金)ベルリンフィル
ロトと思い買ったのだが、セクハラで降板した。49€で3階だがとても良い席。全体によく売れてる。ベルリンフィルでこの値段なら行くでしょう。本日のコンマスは樫本さん。
「ベルリンフィルなのに鳴りが悪いな」と思ってしまったが、鳴りが悪かったのは風邪で詰まった自分の耳と鼻だったw
考えてみれば、自分の耳と鼻が音楽に共鳴して初めて聴く状態になってるので、自分の耳と鼻が詰まっていたらまともに聴けるわけないな。
3月1日(土)「蝶々夫人」ベルリン国立歌劇場
蝶々夫人の配役はこちら。今どき珍しい伝統演出と受け取った。
3月2日(日)Nixon in China at Deutsche Oper Berlin
周恩来が主役? 自分の席は1階6列中央で90€。この円安でも高コスパだが、来年から補助金カットで厳しくなるらしい。
こういうストーリーだが、これがオペラになるなら、ウクライナ戦争もオペラになるよな。
2幕1場まで一気にやって休憩。無窮動の繰り返し音楽1時間半聴くの結構きつい。残りは2場だがどうなるか。 ここまでの歌う量では、周恩来=ニクソン>毛沢東=ニクソン妻、という感じ。 見た目ルイージのキッシンジャーはあまり聴かせどころなし。
<直後すぐにニクソン大統領とキッシンジャー補佐官は中南海で周恩来の同席で毛沢東中国共産党主席と会談した。ニクソンと対面した毛沢東は「蔣介石大元帥はこれを認めたがらないでしょう」と歓迎。儀礼的なもので実質の協議は周恩来が取り仕切ることを、誰もが感じていた>
19時開始で終了は20時22分。正味2時間50分という感じ。非常に耽美的な音楽でベルクのヴァイオリン協奏曲のような終わり方をする。他方、ストーリーが全くイミフ。後半は毛沢東の妻が登場し、ずっと歌っている。彼女の指示で大量虐殺が行われるが、彼女は虚無的な世界観で優美な歌(ティタニアみたい)を歌い続ける。カテコの序列は低かったが、拍手は一番大きかった。
カテコ序列:
ニクソン ニクソンの妻 毛沢東 周恩来 毛沢東の妻 キッシンジャー
1場:ニクソン夫妻の北京到着。隠密行動として描かれる
2場:毛沢東が自らの政治キャリアを語る
3場:周恩来が主催する晩餐会
4場:ニクソン夫人が児童施設を訪れ、子供時代を回想する 30分間休憩
5場:文革の業績を讃える演劇鑑賞
6場:お疲れの皆さん、それぞれの妄想に囚われる
全体に歌唱水準が高いが、お客さんの拍手通り、周恩来と江青が特に良かった。毛沢東はなかなかのヘルデンテナー。普通はヘロデやローゲをやってるのでは。 わかりにくいのは独自設定で入れたエビ(orバルタン星人)のかぶりもの。かえって理解を難しくしたような。なんでエビが出て来るの?w
他にも例えば、毛沢東が最初、ニクソンらの前にスターウォーズのカエルの化け物の装束で現れることに何の意味があるのか、、、周恩来はなぜロン毛で、人民服の代わりに洋装なのか、、、奇妙な見た目を全て取り除いたシンプル版を一度見てみたいと思った。
3月3日(月)、6日(木)「ノルマ」ウィーン国立歌劇場
ポリオーネは両日とも、当初の予定であるフローレスがキャンセルし、3日はアンデアウィーン劇場に出ているトマーゾ、6日はもうすぐやる「イオランタ」に出るポポフが歌った。
3日は、ノルマとアダルジーザの二重唱がいまいちきれいにハモらない。6日、座席を数列下げたらデュエットがしっかりハモるようになった。とはいえ何かが足りず◎は上げられず。ロンバルディはアジリタの技術は適格だが、表現が大味で、単調に聴こえるのよ。
代役のポポフは、声も見た目も上品で、ローマの若将軍という伝統的役割をうまくこなした。ロシアの高級情報将校という感じで、ウクライナ東部のロシア占領地域のレジスタンスという解釈が強化された。このまま最後まで歌っても差し支えない。とは言えフロレス目当てだった客は多そうで、ポポフにブー出す客もいた。あと6回もあるので、2回ぐらいはフローレスが歌うのではw 元々声を張り上げる役なのでレジェーロの彼にはきついと思われるが、9日から復帰したようだ。
3月4日(火)、7日(金)Norma at Musiktheater an der Wien
アンデアウィーン劇場の「ノルマ」は衝撃的だった。今回の遠征で見たいちばんおもしろい舞台である。
これは朝ドラ「ノルマ」と言えよう。この手があったか!という感じ。NHKが日本の戦前設定で作るとこうなる。ノルマは尾野真千子というイメージです。
伝統工芸の工場。ある日突然軍に接収されプロパガンダグッズを作らされる。ポリオーネは軍が派遣した工場長(見た目ピッタシw)。賢い従業員のノルマはみんなを守るため、あえて愛人となり二児をもうける。ところが工場長は若いアダルジーザを新しい恋人にしてノルマを捨てるつもり。
ノルマはポリオーネの新恋人がアダルジーザであることに気付いていることは、掃除してる女子職員(クロティルデ)からモップを奪い、アダルジーザに掃除をさせるなどなどのハラスメントから伺われる。ポリオーネとの間にできた2子は、部下のクロティルデの部屋に隠し育てている。その部屋にアダルジーザが呼ばれる。ノルマはアダルジーザをうまく誘導して、恋人がポリオーネであることを吐かせる。これは台本との大きな違いである。台本では、アダルジーザの恋人がポリオーネであることを知るのは、彼女の告白が最初。そこに時間差で訪れるように呼び出しておいたポリオーネが来て、修羅場となるw
2幕は普通に展開するが、ノルマは死なない。絶望した彼女は窯で焼身自殺しようとするが、ポリオーネに止められる。ドルイド教の神官の娘なら敵への内通は死罪だが、職場の上司との不倫がそんな深刻な罪のわけがない。この処理でオペラの現実との乖離を皮肉っているのである。朝ドラで尾野真千子死ぬわけないよねw
そもそも「ノルマが抜擢されて管理職やってるのは工場長と出来てるから」ぐらいのこと皆知ってるはず。だから「裏切り者は、、、私よ」と聞いたところで「知ってた」になる。ノルマの「死ぬ死ぬ」アリアを聴いた後、白けた皆さん帰ってしまうのが、オペラに対する自己批評になっており、良い。
まさかノルマが昭和の社長人情ドラマになるとは思わず、いろいろ考えさせられたわ。これハッピーエンドですよね
歌唱。全体にウィーン国立より良く聞こえたが、最大の理由はホールが小さくて声もオケもよく響いたからである。グリゴリアンはその恩恵に最も浴していたが、残念ながらアジリタが下手で自己流ごまかし箇所が多いが、それでも「歌う女優」としてのグリゴリアンの魅力には抗し難い。アジリタはアクメトシーナの方がうまい。彼女は大地を揺るがす響きの中低音を持ち、最近カルメンで絶賛されてる。いずれにしろ話題の歌手をカジュアルに聴けるウィーンは最高である。
3月5日(火)ウェルテル
最初から重視していない作品なので、5階席€73に座ったのだが、安席で声が遠かったのを少し後悔した。ポレンザーニの出来が良かったからである。この作品は歌舞伎で言えば「上方和事」で繊細な声と様式感が求められるが、ポレンザーニは高水準で基準クリアしていた。この人は、ドン・カルロよりこっちなんですな。
奇妙だったのは、シャルロッテの3幕のアリア「手紙の歌」の後で拍手ゼロだったこと。観客が曲をよく知らない? アリアというには、曲の切れ目がわかりづらくはあるのよ。
3月8日(土)West-Eastern Divan Orchestra







