DVD(レンタル落ち)で視聴→完走しました!(2024年5月18日)

1年以上かかりましたわw

 

登場人物

胤真(雍正帝):康熙帝の4皇子で、長らく部屋住み。兄弟との後継争いに勝ち、45歳で皇帝に。

 

康熙帝:雍正帝の父。61年の在位中、2皇子を二回皇太子にし、二回廃位する。

 

胤礽:2皇子。生まれながら皇太子となるが、2回廃位される。

 

胤祉:3皇子。学者肌で後継争いから距離を置く。

 

胤祀:8皇子。切れ者で陰謀家。雍正帝即位後も逆転チャンスを狙う。

 

胤唐(9皇子)・胤我(10皇子):8皇子の子分w

 

胤祥:13皇子。雍正帝との相性が良い。10年にわたって監禁されるが、雍正帝即位とともに復権する。

 

胤題:14皇子。武勇に優れ、蒙古討伐の大将軍として輝かしい軍功を挙げるが、出征中に父帝が亡くなり、4兄が即位したと知って落ち込む。

 

張廷玉:康熙帝・雍正帝・乾隆帝三代に仕える重臣。

 

ロンコド:雍正帝即位の秘密にかかわる要人。雍正帝に誅殺される。

 

年羹堯:雍正帝の譜代の重臣で、妹は貴妃年氏に上がり、権勢を振るうが、誅殺される。

 

鄔先生(鄔思道):雍正帝の家庭教師(のような人)。実質軍師で、折に触れ、皇子時代の雍正帝に策を授ける。史実は全然違うようで、ほぼ設定上の人物。

 

田文鏡:科挙外で雍正帝に重用される官僚。山西省の会計不正を見抜く。

 

李衛:雍正帝の使用人から成りあがった官僚。

 

孫嘉誠:熱心な改革派の官僚。見た目が悪く、上司に好かれない。貨幣改鋳について雍正帝に直諫したことをきっかけに重用されるが、政敵に疎まれ殺される。

 

秋月:年羹尭の妹で、最初は鄔先生の侍女だったが、貴妃に上り詰める。年羹尭とともに失脚。「宮廷の諍い女」の前半悪役w

 

劉墨林:架空の若手官僚。雍正帝に気に入られ、弘暦の側近として仕えるが、弘時が送った刺客に討たれる。小島よしおに似ているw

 

弘時:雍正帝の3皇子。8皇帝に目をかけられ、彼の失脚後に復讐を委ねられるが失敗。帝に自殺を命じられる。

 

弘暦:4皇子。英邁で、康熙帝にも気に入られており、事実上、雍正帝の皇太子として衆目の一致を得ている。

 

弘昼:5皇子。政争から身を守るために、作り阿呆を演じている。

 

ストーリー

18話までは面白くないw

 

19話:もう1年ぐらい見てるんだがようやく面白くなってきた。次期帝位争いは、4皇子、8皇子、14皇子に絞られる。蒙古討伐で遠征し10万の軍を率いる14皇子は大勝利し、康熙帝68歳の誕生日に「寿」字が浮き出る隕石のかけらを贈る。ところが中身は死んだタカにすり替えられていた。

康熙帝は寝込んでしまい、4皇子や張廷玉らを停職にする。「調査もせず自分を罷免した」と嘆く4皇子に、鄔先生の解説「すり替えたのは多分8皇子。14皇子が疑われれば都に攻め入る。8皇子が疑われれば都で乱を起こす。でも帝が何もしなかったのは、静かな環境で殿下を後継と考えてるということです」

 

20話

康熙帝は予め、首都軍の司令官であるロンカドを呼び、いかなる軍事行動も起こさないように命じ、自分の遺詔を読み上げる役を与える。4皇子は、康熙帝崩御を前に幽閉されてる13皇子を訪ね、まさかの時の協力を依頼する。死の床の康熙帝は他の皇子より先に4皇子を呼び後継者として指名する。

他の皇子も入れたところで康熙帝は、「次皇帝は4皇子」と言い残して息絶える。居合わせた皇子が「次は4皇子」「いや俺には14皇子と聴こえた」と言い争いになったところで、張廷玉がロンカドを呼び、遺詔を読ませるという段取り。納得出来る演出で、成程名作w

 

21話から雍正帝の親政が始まる。25話までの展開は次のようになる。

 

<新皇帝となった雍正帝は、財政問題に手をつける。山西省の長官・諾敏(ヌオミン)に2年以内に赤字を埋めるよう命じ、すぐに達成される。あまりに早い解決を怪しんだ田文鏡(テンウェンジン)は、真相を究明するため調査に向かう。そして債務返済は商人たちからの借金による形ばかりのものだったことを暴くのだった。そして科挙の試験が始まった。雍正帝自らが試験問題を作成し、保管していたにもかかわらず、問題が漏洩した。李衛(リウェイ)は試験を中止させ、改めてやり直すこととなった。山西省の債務返済と科挙の問題漏洩、この2つの失策に允祀(ウンスー)はつけ込み、自らの力を強大なものとするため画策する。それに対し孫嘉誠(スンジャチェン)を中心に、あくまでも規律を守るべきとする勢力が立ち上がり、ついには大臣に直談判し、上奏書を出させるのだった。>

 

22話。急に経済学のような展開w 

六品の官僚(孫嘉誠)が直諫。銅貨の銅含有率を下げろと。銀の公定価格は銅2000だが市場価格は800。そこで官吏は税金で納めさせた銅貨を鋳つぶして取り出した銅を売って、割安の銀で納税して余りを蓄財してると。 雍正帝は上司を批判した罰を与えるが、孫嘉誠を忠臣と認め、三階級昇進させ三品とし、行政監察官に任ずる。

 

23話:山西省の長官・諾敏は、半年で財政再建したと報告し、帝に褒められる。しかし、早すぎる財政再建を怪しんで、帝は田文鏡に調査を命じる。田文鏡は山西省の国庫の銀貨は数量こそ揃っていたが、実は豪商からの借財であった、、、ってこれを指摘したのはまたもや鄔先生w

 

24-25話:雍正帝は科挙を行い人材登用を図るが、自分が作った問題を、試験担当官(張廷玉の弟)が漏洩してしまい。科挙は延期となる。問題を漏らしたのは実は帝の子・弘時であった。8皇子はどうも弘時を巻き込んで、雍正帝の失脚を狙っているらしい。8皇子は、失意のうちに出征先で拾った女子にハマって引きこもってる14皇子を陰謀に誘うが、14皇子は興味を示さない。

 

26-30話

軍功が大きい14皇子は権力欲を喪失し、恋人と一緒に邸に引きこもっている。

 

科挙受験期間中に妓楼に行ってしまって、一度は不合格になるが、帝の計らいで追加合格する受験生(劉墨林)の見た目が、 小島よしおにしか見えないw ドラマでは活躍するらしいが、架空の人物らしい。 劉墨林と恋に落ちた妓女は身請けされるが、自分のような女がいては彼の出世の妨げと妓楼に戻ってしまう。ここで恋愛話が途切れてしまうのは、このドラマに女っ気が全くないのでこういうエピソードが追加されたのか?w

 

西北の反乱に漢族の年羹堯が派遣されるが、部下の満族の将軍のミスで部隊が全滅。雍正帝は9皇子と10人の皇族出身側近を追加派遣する。態度の悪い側近に恐怖を与えて心服させる年将軍。しかし側近10人の目的は遠征軍の目付で、日々、前線の状況や年将軍の仕事ぶりが帝に錠付き親書箱で報告される。

 

戦費が不足し、各省から食糧が徴発されるが遅れたり量が少ないと年将軍に殺されるので、河南省では誰も行きたがらない。たまたま省の顧問を勤めていた鄔先生が使者として出かけるが、机上の学問しかやってない鄔先生、何故か天才軍師で、情勢を聞き出し、敵の居場所を言い当てる。年将軍大勝利w

 

雍正帝は、凱旋した年将軍に多くの褒賞を与えるが、部下たちが年将軍に心服しているのを見て危険を感じ、処罰を考える。将軍の妹の年貴妃を訪れた帝は、彼女を侮辱する。ここでストーリーが「宮廷の諍い女」とつながる。

 

31-33話

雍正帝は改革の視察をするため巡幸に出かける。まず読書人(退役官僚)の労働が義務化された河南省を視察し、田文鏡の仕事ぶりに納得する。続いて江蘇省に行き、丁銀(人頭税)を地銀(土地面積に応じた地主への課税)に置き換える租税改革の進捗を確認。

 

<清代には急激な人口の増加が見られたが、その一因は、地銀制の実施により、従来は丁銀を逃れるために隠されていた人口が表に出て正確な人口が把握できるようになったことにあるとされる。>

地銀は1930年に地価税に置き換えられるまで続いてたらしい。

日本の地租は清朝の地銀に倣った制度か?

 

強引な方針には地主の抵抗が大きいが、江蘇省の長官・李衛は、地主の不祥事(小作人の娘のレイプ)などを利用し、地主と結託している官僚を追い詰めていく。大岡裁きみたいな裁判で地主と官僚を懲らしめた後で、李衛が妓楼に出かけると、皇帝に出くわす。(それにしても雍正帝の側近政治には目に余るwこれで名君と言えるのかw)

 

帝の元に「年羹堯が(帝が目付として送った)孫嘉誠を殺した」との報が入る。年羹堯は蒙古王と祝宴中に突然罷免され、副官の岳氏が大将軍に任じられる。

 

34-35話

死の床の皇太后(雍正帝の生母)は年羹堯妹の年貴妃を病床から退け、「(同母の)14皇弟を大将軍にしていればこんなことにはならなかった」と息子を非難する。14皇弟は親王に封ぜられるが役割は先祖の墓守、年羹堯は大将軍→平将軍→隊長→平民で門番と降格される。年羹堯は皇族を示す黄色の着物を着て門番に立ち、徹底的に抗議の意を表するので、帝はついに自殺を命じる。

街の噂。長老が「この興梠が老酒の年代を言い当てるのは、主が筒を5回叩けば5回鳴くからに過ぎない。お前たち、大将軍が門番をさせられ、14皇弟が墓守をさせられてるのがなぜかわかるか?それと同じよ」と、先帝の意思が14皇帝にあり、年羹堯がそれを知っていたことを示唆する。年羹堯がそこまで知っていたとはウィキペディアには書いてない。このドラマでは年羹堯が皇子時代の雍正帝の使用人だったかのように描いているけれど、そんな事実もない。

 

結局、年羹堯の罪が何なのか。このドラマでも「諍い女」でもはっきりしないが、張廷玉が帝に意見を求められ「年羹堯は500万両もの国費を横領しました」と訴える場面がある。今見ている「康熙帝」ドラマで康熙帝が「清朝の年間収入は2500万両。黄河工事に年間500万両も出せない」と言う場面がある。これが正しいなら500万両も横領できるわけない。おそらく500万両は西北鎮圧の戦費だろう。年羹堯が要求した量より少ない食糧しか持って来なかった各省の役人を勝手に殺したり、徴発に厳しかったのは、上前を撥ねて横領するためだったという解釈か。

 

36-41話

帝は反抗的な14皇子を幽閉して、宦官と侍女を取り上げてしまう。帝は、14皇子がかつて内蒙古から連れ帰って寵愛してる女性だけ別扱いし、自分の身の回りの世話をさせる。これって、「諍い女」のストーリーのモデルか。「諍い女」では、ヒロインと17皇子が後からデキる設定。

 

帝は財政再建のため、文官OB(読書人)、旗人(退役軍人)の特権を剥奪する改革を行おうと、科挙合格者でない田文鏡や李衛を地方に送る。具体的には彼らに土地を割り当て農業をさせ、税収を挙げようというもの。しかしこれは猛反発を受ける。

 

8皇弟が「八旗改革を行うなら、八旗王それぞれの頭領に担当させてはいかがでしょう?」と提案する。帝も「それも一案。八旗王に問題を認識させるのによい機会」と同意する。ところがこれは雍正帝を退位させる陰謀の一部。

 

8皇弟は、「八旗王に合議制の復活を提案させ、並行して、ロンカドを懐柔して味方に引き入れ首都軍を従える。続いて首都の郊外を守る2つの軍を八旗王の共同管理とする」という成功確率9割の計画を立てる。

 

朝議では、八旗王のうち世襲王4人が合議制の復活を訴える。続いて8皇弟が「改革は文官にも旗人にも不評で支持されていない。田文鏡や李衛など地方官の強引なやり方も批判されている」と演説して帝を追い詰める。ここで老臣の張廷玉が「八旗王の合議制なんてものは昔からない。改革は行政コストを下げ、かえって税収を増やした」と反論。

 

ここに13皇弟が遅れて到着。帝の命令なく首都郊外軍を移動させた司令官二人を逮捕して連れて来る。ここで形勢逆転。8皇弟は負けを認め「あなたは皇帝だから勝っただけで、あなたの政策を支持していたのは13皇弟と張廷玉など一部の大臣だけだ」と捨て台詞を残して立ち去る。

 

42-44話

「雍正王朝」終盤はなかなか良かった。雍正帝は多すぎる兄弟との競争に勝ち抜いて皇帝になったことで、元々負い目を感じていたところ、即位後、急進的な改革に反発する勢力に同調した弟たちを厳しく罰したことがさらに心労を深め寿命を縮めた、という描き方。

 

5皇子弘昼は、肝心の時に生前葬をやり、作り阿呆を装って政治から距離を置き、8皇弟謀反事件後の粛清という難を逃れる。8皇弟は、弘時への遺言で「弘昼は、皇帝より皇子の方が気楽と分かっていて、生き残る策としてアホに見せてるだけで実は賢い」という評を述べる。

 

8皇弟は、4兄に対する復讐を3皇子・弘時に委ねる。弘時は早まって、遠征している4皇子弘暦を襲撃させるが、ロンカドの証言から露見し、劉墨林を殺すだけに終わる。小島よしお似の劉墨林はこのドラマで数少ない目立つ若者だったのに、ナレ死どころかモブのセリフで死が伝えられるだけで、あっけなく退場w

 

弘暦は穏便な措置を求めるが、雍正帝は弘時を呼び出して自殺を命じる。

雍正帝は体調を崩し崩御。めでたく弘暦が乾隆帝となる。

 

史実では、8皇弟胤祀→允祀が失脚したのは雍正4年であるが、このドラマでは允祀の謀反が雍正帝の晩年に起こったこととして描かれ、ストーリー上のピークになっている。