「三体」の豆辨評価8.7とけっこう高い。 現実の中国みたいな独裁国家である三体星人と、自由主義国家みたいなドラマ上の中国が戦う趣向は面白いよなw

 

SFであるが、武侠ドラマの世界を強く感じる。

 <汪淼らは、パナマ運河にてナノ材料でできたワイヤーで「地球三体組織」の中枢である船——『審判の日(The Judgement)』を切り刻んで、他の「地球三体組織」の残党をも無事に鎮圧。>

 

武侠の設定が採用されてるのかなと一瞬思うが逆かも。

「目に見えない鋼鉄の糸で敵を切り刻む」というSF設定が武侠に輸出されたのかもw しかし切り刻むのはやっぱり武侠っぽいw

 

7話まで来た。「三体」の暮らしが描かれるVRゲームの世界。ところがなんとこれが普通の時代劇。姫昌が紂王に、紀の交代時間を計算して献策。認められて人間の干物の再水化が行われ文明が一時的に復活する。

 

10話まででは、やはり「封神演義」の世界で語られる「三体」設定VRが良かったな。6話では、「物理学者のカウントダウン幻覚を共有するために刑事がカウントダウン表示板を作る」という中年ブロマンスも出て来たw 

バディもの設定は「長安二十四時」などと同じですね。

 

自殺した女性物理学者は封神演義の小娥でした。

 

11〜15話を一気見。サクサク進む。今回はほぼ、宇宙人の侵略のお先棒を担ぐ地球の科学者の組織「科学辺境」の闇の頭目、葉文潔の背景話。ゲーム編では、フォン・ノイマンが始皇帝にコンピューターの原理を解き、人海戦術で三体の3つの太陽の移動経路を計算させる趣向いいなw

 

「三体」半分越えたが、武侠ドラマにしか見えないんだがw 

かつて朝廷のために働いていたが、異国の敵と接触して影響を受け、朝廷転覆作戦を始めた感じ。謀反勢力内にも対立がある。主役二人も皇帝と丞相に見えるw

主役たちが「江湖の争奪戦と同じ」と申しておりますw

 

考えれば研究者の世界って現代の江湖である。完全な実力主義成果主義で、各地に独自の理論を打ち立てた流派があり、覇権を争っているw

 

「三体」20話まで。三体協会には救済派と降臨派がいて対立してる。降臨派のリーダーは欧米人で、「地球に主が降臨して人類滅亡するしかない」と説く。これに対し救済派は三体運動に安定した解を見つけて何とか地球に来ないで済むように計算を続けるが、そういう解はないと判明して絶望。

 

平面だったら解があるらしいよw 

<平面円制限 3 体問題における周期解の存在と,それがどのような軌道に対して実現されうるの かを変分法を用いたアプローチによって示す.>

 

<このポアンカレによる業績は「カオス理論」の始まりとされます。コンピュータシミュレーション黎明期の1961年、アメリカの気象学者エドワード・ローレンツが気象学に関する数値計算の初期値を少し変えただけで、大きく結果が変わることに気づきました。>

 

ポアンカレが解はないと証明したことを知ってるはずの物理学者や数学者が計算し続ける設定はおかしい、と思ったのだが、条件をつければ解があるらしい。つまりドラマで長公主が絶望して自殺するのは、夫のマッド数学者の方法を検証したけど間違ってた?

 

その後、途中24−26話で、三体協会の総会に踏み込んだ警察を指揮した相棒刑事が被爆したらしい。

 

24話。三体協会の総会で総帥の老女性研究者が、三体と接触してしまった自らの仕出かしについて語る。「太陽に電波を送ると1億倍に増幅して返してくれる」という自らの仮説を試すために高出力で送った電波は太陽に吸収されてしまうが、太陽系の外にも伝わり、「返事するな」と返信が来る

 

25話。三体からの初返信が中国語で読めてしまう事情がイマイチわからん。返信するとこちらの場所が特定されるので彼女は逡巡するが、結局返信してしまう。自分が子供の頃、ボイジャー計画で地球の情報を書き込んだ金属板を宇宙に流してしまったけど、こちらの場所は伝わらないので大丈夫なのかなw

 

お笑いで「押すなよ」と言って押してもらうのと同じで、「返信するな」と言われれば返信するのが人情。最終回で「三体から返信したのは良心的な三体人」とあったけど、移住先を探してるのだから、どこかから発信を受け取れば返信するというマニュアルだったのではw

 

26話。人類初の宇宙人コンタクトという手柄を横取りしようとした政治委員を殺そうとして、たまたま居合わせた、子まで宿してくれた夫を巻き添えにしてしまうのは、不自然な設定ではないか。

 

総帥が最初に強出力で発信したのが1970年で、三体からの発信を受けたのが1979年だったので、三体の距離は地球から4光年と計算できるという設定。

総帥の結婚相手である上司も、共産党から派遣されている政治委員も9年間変わらないって、軍事機密とはいえ山奥の電波観測所って、出世コースから外れた、余程の閑職なんだなw

 

27話。実際に三体と頻繁に交信していたのは、富豪の財産を相続した英米人である。彼は狂信的な環境保護派で、通信施設をやめた統帥から三体星人との通信周波数を聞き出し、自ら私財を擲って作った専用の軍艦「審判の日」に乗って、「降臨派」の運動を続けている。

 

「三体」28話まで来た。三体星人との通信情報を独占してる降臨派の軍艦を、極細だが鉄よりはるかに強いナノ繊維で切り刻んでHDDを回収する「古筝」作戦が決まる。武侠ドラマw

切断面は綺麗なので、ナノ「飛刃」でHDDが切られてもデータは後から復元できるという設定。

 

ナノテクは三体星人も恐れているという設定。三体艦隊を切り刻まれるからだけでなく、ナノテクで作った強靭なワイヤーを用いて、宇宙空間に強靭な防御網を構築することもできるから。

 

今スライス中。斬られてるのもわからないという設定。降臨派のリーダーの欧米人が今斬られたw

やっぱり中国ドラマ。「赤壁の戦い」みたいな海戦映像をピークに持って来たかったということだな。

 

回収されたHDDから未配信のゲームを取り出して見る。三体文明に文化芸術がなく独裁体制(中国ですかw)なのは、そういう文明はこれまで長続きしなかったからと。三体星人は地球征服後、人類に出産を禁止すると。ここまで29話。

 

最終回。三体星人が地球に到着するまでにかかる400年の間に地球の科学が飛躍的に進歩していたら、返り討ちに遭う可能性がある。そこで11次元なのに1次元にまで畳み込まれて高速に近い速度で移動できる(???)コンピューター「智子」が地球にすでに送り込まれていた。目的は、人間の活動を監視し、あらゆる計測をおかしくして地球の科学を停滞させること。これで冒頭の科学者自殺の伏線回収

 

「ともこ計画って何じゃい?」と思うけれど、すでに「智子 三体」で結構検索されてるwし、解説も提供されてる。

 

三体星人は、実は地球の文化を恐れている。地球人に「三体からの配信に返事するな」と警鐘メッセージを送ってきたのは、三体星人の中で、地球の文化に影響を受けた者、という設定。「三体って、現実の中国ではないか?」と思ってしまうが、原作小説が書かれた頃は中国もまだ開放的だったのかな?

 

刑事は、科学技術の格差に絶望して飲んだくれる科学者2人を連れ出して、バッタの大群に襲われる故郷の村の田畑を見せ、「あいつらは地球人を虫ケラ扱いしてるが、バッタは一度も人間に負けたことない」と励ます。酒を地面に振りまき、「桃園の誓い」みたいなエンディング。

教授と2人で誓えばいいのに3人なのは、やはり劉備を演じた役者の刑事だからだからかw