みかっちのエッセイが好きと、友人に言われた事がある。
ノウハウではなく、ただ情景を浮かべるだけで
文章とともに、その空間を共有するだけで
人は、何かを得て力を蘇らせるのではないかと。
そこに、ハッピーなオチなどなくてもいい。
起承転結がなくてもいい。
つじつまが合ってなくたって
感じて、そしてありのままの郷愁だけでいい。
人は、そこになぜか自分を見つけて
そして、なぜか癒される。
その、友人の気持ちがよくわかるような
日記に出会った。
そこにあるのは、私も感じた事のある無機質な不安。
得体の知れない限界と同時に
もて余してしまうほどの若き可能性。
胸がキュンとなるような孤独。
ちょっと一緒に味わいたくて拝借しました♪
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『都会の谷間』
M・M
横浜で一人暮らしをしていた頃、
風邪をよくひいたが、重い病気にもなった。
気管支炎をこじらせて、声が出なくなったのだ。
横浜船員保険病院で治療していたが、長い間、回復しなかったので
『あいつはもうダメなんじゃねえか』
そんな風にも言われていた。
そんなとき、よく聴いたのが、ユーミンの「白い朝まで」。
次のフレーズが心にささった。
:
何を求めていたのでしょう
今は遠くてわからない
ここは昔の谷間のようで
淋しさに似合う
:
こんなに脆くなったのを
今は誰にも話せない。
:
都会の中の孤独と軽い挫折感。
悲しいはずなのに陶酔している自分がいた。
夏バテのせいか、遠い夏の日を思い出してしまった。
4月から東京で大学生活を送っている息子よ
お前は大丈夫かい?