エリーゼのために | ☆みかっちの「しあわせ感性を高める♡」ブログ☆

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人生のどんなシーンをも、十分乗り越えられる生命力。
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久々のお休みで、ピアノを触りました。

カーペンターズの「Rainy Days And Mondays」の楽譜を開いて練習してみようかな・・・と思ったのですが

ついつい弾いてしまうのは、ベートーベンの「エリーゼのために」。


私がピアノを習いだしたのは、小学校2年生の頃でした。

ピアノの先生は、アコーディオンがとっても上手なサンタさんのような体の大きな先生でした。

この曲は、そのサンタ先生が

「エリーゼのためにと言ったら美香ちゃんだよね、そう言われるような曲に仕上げよう!

それをなんていうか知ってる?十八番(おはこ)っていうんだよ!」

と、なぜかこの曲に力を入れられたのです。



うちの旅館のお客様で、とある会社の社長さんが、小さかった私の唯一のファンになってくれました。

その社長さんはかなり深刻な胃潰瘍を抱え

「釣りをしている間はその痛みを忘れるから」とまるで湯治をするように(釣治とでもいうのでしょうか?)

釣竿をたらして精神的な回復に来られていました。

今はもう亡くなられましたが「美香ちゃんのピアノを聴くと、心が洗われる・・・。」と言ってくださったのを今でもありがたく思いだします。


その社長さんが大好きだったのがこの「エリーゼのために」という曲でした。


今では、楽譜を見ないですらすら弾けるのはこの曲だけになってしまいました。


しかし、この「エリーゼのために」。

ベートーベンが1810年ごろに作曲したピアノ曲で、死後の1867年に初めて出版されたと言われています。

失われた自筆譜には「テレーゼのために」と献辞が記されていました。

ベートーベンが悪筆だったために「エリーゼのために」と間違えられたといわれています。

彼女の本名はテレーゼ・マルファッティ。当時18歳。

ベートーベンは真剣に年の離れた彼女を愛し、結婚を考えていたそうです。


ソナチネを始めるかどうか位の人がマスターできる曲で、そんなに難しい曲ではありません。


しかし、特徴的なのが、右手の小指と薬指の動きです。

この動きがスムーでないと、一番のあの有名な旋律が台無しになってしまうのです。


そして、こんなエピソードを最近知りました。

ベートーベンは、小指と薬指の動きが悪かった愛する恋人の練習曲としてこの曲を作ったのだと。

ただ、愛する思いを曲にして、聴いてもらうだけに作ったというのではなく、彼女が実用して実践できる「愛」だったわけです。


今これを作ったベートーベンの年齢と同じになった私が、改めてこの曲を弾く時

彼がどんなふうにテレーゼを想っていたのかが、ピアノを通してわかるような気がしました。

大きく包み込むように、それでいて自立を促すように、彼女のためだけに作られた曲。

愛する人が自分の練習用に作ってくれた曲・・・かなり素敵ですね!


しかしテレーゼだけにとどまらず、多くの人々の心にしみわたる堂々たる名曲になりました。

この曲を聴いたことない人を探す方が難しいでしょう。

また、ピアニストにしてみたら第一関門的な曲としてマスターしていない人の方が少ないのではないでしょうか。


一番のポイントは、作ったきっかけがどんな動機であれ、それは時代を超え、国境を越えて通用するクオリティのものでした。

ベートーベンの才能という資質、それがテレーゼという縁によって不思議な作用をきたして出来上がった曲。

創造的なものというのは、ひょんなきっかけで形になるものなのかもしれません。


あの人の役に立ったらいいな・・・そんなささやかな思いが自分らしい才能のもとに形になるとき

多くの人に感動を与えるようなものが、ひょっとしたら出来上がるかもしれませんよ!