みんなが見てる俺は
本当の俺じゃない・・・
メディアが作った俺・・・
「二宮和也」というアイドルの俺
みんな偽者の俺を見て
追いかけてる・・・
ふっ・・・・
でももう慣れた
作った自分を演じるのは
意外と楽しい
でも
時々思う
本当の俺を見てくれる人は
いるのだろうか・・・? と
11月 雨の降る夜
いつものように帽子とメガネ
マスクをして家に帰る
エレベーターに乗り
自分の部屋の階を押す
いつもの毎日
部屋のドアを開ければ
「自分」に戻る
いつもの夜
ただ・・・
その日は少し違っていた
エレベーターの扉が開くと
俺の部屋のあたりに
人がうずくまっている
フードを被り
男か女も分からない
・・・やっべぇ・・・
家 バレタのか・・・?
ゆっくり近づくと
一つ奥の隣の部屋の前だと気づく
ん?
俺じゃ・・・ないのか・・・?
帽子を深く被り
なるべく顔が見えないようにする
すぐに逃げられるように
チラッと階段を確認して
鍵を回す・・・
ガチャ・・・・
その人物がビクッと反応する
反射的に
俺もそっちを見てしまった
お・・・んな・・・?
その女は
ゆっくりと視線を上にずらし
俺と目が合う
女 「あ・・・どうも。」
和 「あ・・・どうも。」
つい返事を返してしまった
女 「隣に越してきた 佐藤 と言います」
なんだ・・・お隣さんかよ
びっくりさせんなよ・・・
我ながらビビッてた自分が可笑しくなる
和 「あ・・・はい。どうもよろしく。」
それだけ言うと会釈をして
部屋に入る
バレテ・・・ない?よな・・・
意外とこの部屋気に入ってるから
また引越しを考えたくなかった
そこでふと 疑問に思う
ん?なんで外にいたんだ・・・?
隣の俺に挨拶するため・・・?
雨で寒いのに・・・?
それに・・・
震えてた・・・?
靴を脱がずに玄関で考えていると
ドサッ
外で物音がした
ん?
それからは雨の音しか聞こえない
・・・・・
・・・・・
俺はそっとドアを開けて
外を確認してみた
えっ!!!
さっきの女が倒れてるっ!!
思わずかけより女に手を掛ける
和 「え・・・だい・・・じょうぶ・・・?」
女はうっすらと目を開けると
女 「あ・・・すいません・・・鍵落としちゃって
不動産会社・・・閉まってて・・・
留守電・・・まだ・・・連絡なくて・・・」
ところどころ聞こえないけど
和 「えっ・・・?いつから?」
女 「夕方・・・」
時計を見ると
すでに12時を回っていた
赤い顔で苦しそうに息をする女
あつっっ!!!
頬を触ると熱くて
それだけで熱が高いと判る
あっ!病院っ・・・!
そう思った時
女が俺の腕を掴んできた
女 「病院・・・は・・・ダメ・・・」
え?
身体を震わせながら
小さな声でそうつぶやく
和 「そんなこと言ってらんねーじゃんっ!!」
そう怒鳴る俺に
まっすぐに俺の目を見て
女 「お・・・願い・・・病院は・・・・イヤ・・・」
女の瞳に 俺が映る
俺はその女を抱えて
自分の部屋のドアを閉めた
つづく
