異次元からの霧に潜む未知の生物。
スーパーマーケットに逃げ込んだ人々。
閉塞感の中で疑心暗鬼に囚われた人々のサスペンスドラマ。
主人公たちが生きる為の奮闘を見せる一方、とりわけ人間の愚かさを感じるシーンが2つある。
こうなったらダメだという教訓だろうか。原作者の体験か?
妙にリアリティがあり、心に残る。

一つは自分の目で見たものしか信じない黒人弁護士が主人公が見た怪物の話を非現実的と論破するシーン。
非常時に他人を信じられない愚かさ。

一つはウィリアムサドラー演じる愛すべき田舎者ジムが怪物との度重なる遭遇に心身喪失し、宗教にあっさり傾倒するシーン。
生き残る為の思考をやめ、神にすがる愚かさ。

もとから常軌を逸している宗教女も原作者の体験?

ラストシーンの衝撃ばかりが取り上げられるが、こんな愚かな人間たちには頼れないからこそ、主人公たちは、あの選択をしたのではないか?
愚かな人達はあのラストシーンの衝撃の為の布石となっている。