ふと我に返る。

今の自分の状況を自分の中で認知して、、、



・・・・・・・・・・っっっ!!!!!



自分の顔が真っ赤になっていくのが鏡を見なくても分かる。



わーーーーーーーっっ!!!

僕は何してんだっっ!!!

人様の告白タイムをわざとではないけど聞いてしまい

さらには自分と同じ男の声を聞いてうっとりしてるとか、、、、、



ありえないっっ!

ありえないって!!

ありえないってのっっ!!!



もう二人の話し声も聞こえない。

昼休みももう終わるだろうから早く教室に戻らなきゃ、、、



4月からこの高校の1年生になった。

始まって3日目でまだ授業はなくオリエンテーリングのみだが

それに遅れるわけにはいかない。



まだ動揺したままふらふらと立ち上がり

赤くなった自分の顔の火照りを冷まそうと手でパタパタ扇ぎながら

中庭からは陰になって見えない自分のいたベンチから校舎のほうへ向かうと






まさかのまさか






チョン先輩がひとり、まだそこにいたのだった、、、



結果は、カップル誕生ならず・・・



泣き声になる女の子を、チョン先輩は優しくなだめ

泣き声が笑い声に変わった女の子と



「握手をしよう。

これから友達になろ。な?」

「はいっ」



はじける笑い声を残し、女の子は立ち去った模様・・・



僕は、聞こうとして聞いたわけではないけれど

耳に入ってくる会話に驚いていた。



チョン先輩の、誠実さに。



付き合いたい、

付き合っている人がいないなら私と付き合ってくれてもいいじゃないか

そう泣きながらかきくどく相手に対し



とりあえず付き合うということは、自分はできない。

君に失礼になる。

でも、好きといってもらえて嬉しかったよ



チョン先輩のこの言葉に女の子の涙がとまったようだ。

そのあと何事か話し、握手をして・・・にいたる。



僕はチョン先輩のことはほとんど知らないけれど

女の子に対する声のトーン



相手に対し真剣に向き合って、

そして限りなく優しい声色



女の子も聞きほれていたのだろうけど

僕も、自分のおかしな状況を忘れ、



聞きほれてしまっていた・・・







「好きです。
付き合ってください。」


僕は困ってしまっていた。


ランチの後の昼下がりに、
いつものお気に入りの場所。
校舎の中庭にある奥まったベンチに座り、
何をするわけでもなく目の前に生えている大木を見つめているときのことだった。



聞こえてきた告白タイム。

女の子のふるえる声。



学校生活の上でも上位にランクするドキドキイベントが

僕のいる近くで行われている。
彼らの姿は僕の位置からは見えず、
誰かはわからない。
彼らからも僕は見えてない。

だから始まった告白タイムなんだろうけど…

でも僕がこの場を立ち去るには彼らのジャマをするのは必然で…
息を潜めてるしかなかったのだ。


「チョン先輩は
付き合ってる人いないですよね?」


あぁ、なるほど…


僕は納得。

告白をされている相手の名前、
高校一年生の僕でも知っている
一つ年上の上級生。



チョン・ユンホ



興味のない僕の耳にも入ってくる、
超人気者の先輩の名前。


告白タイムの結果に少しドキドキしつつ

早く立ち去ってくれないかなぁと

息をひそめていた。