ものすごく久しぶりになってしまいました。

当時のことをまだ覚えているうちに、ちゃんと記録しておこうと思います。

 

 

日々検索魔でした。

もし、おなかの中の子が染色体異常だったらどうしよう。ダウン症だったらどうしよう。

産んだらどうなるのかな?

ダウン症の小さいお子さんを持つお母さんのブログはたくさんあるけれど、不思議と学齢期以降のダウン症のお子さんのブログは少ない気がしました。その意味について考えたりしました。いろんなことが自分の中で落ち着いて、ブログという形で書き記さなくてもよくなったから少ないのかな?ブログに飽きちゃった?それとも?

 

不謹慎なことですが、おなかに向かって、「もし生まれてきてもしんどい身体になってしまったのなら、お母さんのおなかの中で命を全うしてくれてもいいんだよ」と言ったこともあります。この気持ちは、同じ境遇になった人じゃないとわからないかもしれません。

そんな思いになりながらも、せめてちゃんとおなかの中の子に名前をつけてあげようと思いました。

娘に、「お母さんね、おなかの中に赤ちゃんいるんだよ」というと、「ちんちん!ちんちん!」と言ったので赤ちゃんは男の子なのかもね。

夫にそういうと、「しんたろう」と名付けてくれました。

 

そして、FMC東京の受診日が来ました。

初めに個人カウンセリング。事前にNTを指摘されたことをお話してあったので、それに沿って染色体異常などについての説明をしていただきました。FMCで絨毛検査も希望していることをお伝えすると、可能な限り早い日程での絨毛検査の仮予約もしてくれました。

エコーは院長先生。雑談をしながらお腹にプローべを当てていた先生が、

「首の後ろ、これはNTと言われるものですね。ありますね。心臓・・・・これは・・・・・心臓が止まっていますね・・・・・・。」と。

みられる限りで他の場所も見てみましょう、と頭部を見ていただいたところ、「大脳は左右に分かれています。その下、視床、小脳・・・・このあたりが低形成、ですね。脳の見え方は全前脳胞症の疑いです。13トリソミーの可能性があります。」

原因は何でしょう?夫婦の染色体に転座などある可能性はありますかと伺うと、

「大部分の原因は加齢によるものです。減数分裂第2期の接合体不分離によるものがほとんどです。もちろん、ご夫婦の染色体検査をすることも可能ですが、この子の染色体検査をすることをまずお勧めします。」と。

 

ちなみに全前脳胞症とは:

「約80%に眼間狭小,鼻中隔欠損,象鼻、口唇・口蓋裂など顔面正中部の低形成による顔貌異常を伴い,最重度では単眼症をきたす。家族性の軽症例では,単一切歯のみで脳奇形を伴わない例がある。多くは重度の知能障害と運動障害をきたし,視床下部・下垂体・脳幹機能の異常による低体温や呼吸・循環不全,成長障害・尿崩症・電解質異常などの内分泌障害,摂食障害を伴う。てんかん発作の併発頻度は約50%と比較的少ないが,その半数は難治例である。突然の低ナトリウム血症によりけいれん発作を起こすことが多い。」

 

全前脳胞症という病名は聞きなれないものでしたが、単眼症の死産胎児の写真は学生時代に教科書で見たことがありました。

それまでにさんざん泣いたからでしょうか。涙は出ませんでした。

私がおなかの中の子に、お母さんのおなかの中で命を全うしてもいいんだよなんて言ったから、自分で心臓を止めちゃったのかなと思いました。もしこのときまだ心拍があって絨毛検査を受けたとして、脳が低形成とわかっていて、実際に染色体異常と診断されたら、私たちは中期中絶を選んだと思います。死ぬほど苦しみながら、中期中絶を選んだと思います。

しんちゃんはそうなるのがわかっていて、私たちをこれ以上苦しめないように、早めに心臓を動かすのをやめちゃったのかなと思いました。なんて優しい、親思いの子なんだろうって思いました。