11週目の妊婦健診でのことでした。

不妊クリニックとは違い、患者側にはエコーのモニターがない病院でしたので、先生が今何を見ているのか、説明をしてもらわないとわかりません。

何を計測しているのか、エコーが念入りだな、そう思いました。

不意に先生が

「旦那さんはどちらにお勤めでしたっけ」

「今日って旦那さん来られます?」

「今回の妊娠に何か希望ってあります?」

とかフラグ立ちまくりの発言をしました。

はじめは雑談かなとか思った鈍感な私も、これは何か剣呑な雰囲気だぞと思い始めたとき、先生が診察台のカーテンを開けてエコーの画像見せてくれました。

「頸の後ろにですね、むくみがあるんですよね」

 

NT(頚部浮腫)か、、、、、。

私は医療従事者ですし、第一子のときに初期胎児スクリーニングも受けていたので知識がありました。一瞬で理解しました。

4.5mmのNT。

いただいたエコー写真に、頭部を輪切り状態に映したものがありました。

赤ちゃんの頭部ってこんなだったっけ?そう思うくらい普通でない写真でした。

 

先生は言葉を選びながら、胎児診断の専門ではないので必ずしもこの値が正確なものではないかもしれないこと、ただNTを測る週数(11週0日から13週6日)の間の計測であるため精査が必要であること、胎児診断の専門外来は2週後以降でないと空きがないためそのときに再度見せてほしいこと、私が悪いとか何をしたとかではないから私にできることは何もないことを話してくれました。

 

その場では冷静に話を聞けました。

でも帰宅後、4.5mmのNTについて、もらったエコー写真と似たような症例について調べれば調べるほど絶望的な気持ちになりました。

 

NTだけ指摘されても、結局染色体検査で何も問題が見つからずに元気に生まれてくる子がたくさんいます。お腹の赤ちゃんに本当に何か異常があるのか、NTだけでなく心臓や鼻骨やほかのパラメータをきちんと評価しないと言えません。それはわかっていました。でもそれでも、NTの指摘はつらかった。

まだ何がどうなるのか全くわからなくて、再評価の日が来るのを待つしかなくて、そんな時間がつらくてつらくて仕方ありませんでした。

こういうときにネットで調べることはあまり良くないのかもしれないけど、検索を止めることはできませんでした。NTを指摘されて問題のなかった人、問題のあった人、それぞれたくさんいて、でもその誰も私じゃないから、参考にはなっても解決にはならなくて。ただ、同じようなことを指摘された方が、私と同じように苦しんでいたことだけは「ひとりじゃない」と思えて救いにはなりました。