ごきげんよう、百合喫茶Le Lis(ルリス)です。

 

当グループでは百合をコンセプトとしたカフェを不定期に開催しております。

第二回開催決定!2019年12月1日(日)池袋にて開催いたします。

第二回開催は聖ルリス病院を舞台に「社会人百合」をお届けいたします。

ご予約は終了しましたが、当日席のご用意がございますので、お時間のある方は是非各枠開始時間に会場までお越しくださいませ。

 

本日は葵のお話です。

 

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お酒が運ばれてくると、沈黙に耐えられず両手で持ったグラスの水面を見つめた。

「ねぇ、葵ちゃん。私が葵ちゃんに声をかけるの、本当に困っている?」

本心を見抜かれていたことが恥ずかしくて、彼女の顔が見れない。

(どうしよう、拒絶しなくちゃいけないのに…)

 

「葵ちゃんが本当に嫌なら、好きな子が嫌がっていることをする趣味はないから、もうこれっきりにするけど、どうする?」

最後になってしまうかもしれない。驚いた葵は慌てて椿を見るけれど、いつものかっこいい椿とは少し違ってやわらかい雰囲気を纏っていた。照明の絞られた空間で、きらきら光る宝石のように眩しくて…

(待って、今、好きな子って…)

椿の言った言葉を脳内でリフレインさせると、顔が赤くなるのを感じた。

「……椿さん、私の話、聞いてくれますか?」

静かに頷く彼女に、学生時代のこと、将来への不安などを口にする。

ぽつりぽつりと話始めた葵の言葉を、彼女は真剣に聞いていた。

話し終わった葵がハンカチで目を抑えると、椿は頭を撫でて葵を抱きしめてくれる。

「葵ちゃんも、私のこと好きだと思っていいんだよね?」

椿に尋ねられると、彼女の胸の中で葵はただ頷いた。今まで伝えられなかった分を伝えるように何度も。

「ならさ、どうしても無理だったら…」

続いた言葉に怖くなった葵は、顔を上げて椿を見る。目があった彼女はにこっと笑ってあっけらかんと続けた。

「どうしても無理そうだったら、一緒にどっか逃げちゃおうよ」

思ってもみなかった言葉に葵は目を見開くと、声を出して笑った。彼女もそんな葵を見て一緒に笑う。2人でこんな風に笑える日がくるなんて、思わなかった。

今までと違い、2人共笑顔でグラスを傾ける。

「葵ちゃんは?好きって言ってくれないの?」

椿が楽しそうににこにこすると、葵は一瞬だけ戸惑って恥ずかしそうに彼女の耳元に唇を寄せた。

 

好きです

 

 

 

 

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聖ルリス病院SS、最後までお読みいただきありがとうございました。

また、12/1にお会いいたしましょう!

 

それではまた、ごきげんようおすましスワンまじかるクラウン乙女のトキメキ