ごきげんよう、百合喫茶Le Lis(ルリス)です。

 

当グループでは百合をコンセプトとしたカフェを不定期に開催しております。

第二回開催決定!2019年12月1日(日)池袋にて開催いたします。

第二回開催は聖ルリス病院を舞台に「社会人百合」をお届けいたします。

ご予約は終了しましたが、当日席のご用意がございますので、お時間のある方は是非各枠開始時間に会場までお越しくださいませ。

 

本日は葵のお話です。

 

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あんずと飲んだ夜、椿は彼女たちの心配をしながら一人家に帰った。

寝る前にスマホを見るとあんずから「ありがとう、ちゃんと話できたよ⸜( *´꒳`*)⸝」とスタンプが送られてきていた。

 

(よかった。仲直りできたみたいね…次は、私もきちんとしないとかな)

あんずにスタンプを送り返すと、葵の顔が脳裏によぎった。

可愛くて、しっかりしていて、でもどこか浮世離れしたようなふわふわとして放っておけない彼女。

近づくとひらりとかわして逃げて行ってしまう。けれど、ふとさみしそうな顔をする彼女から、椿は目を離せないでいた。

 

翌朝、病棟の看護師にお願いしてメモを渡してもらったけれど、見てもらえただろうか…。

仕事が終わり着替え終わると、休憩室に座る彼女をみつけた。

 

 

 

「メモ、読んでくれた…?」

声をかけると、驚いたように振り返った彼女は困ったように眉を寄せていた。

「でも…」

一度は断る葵だが、ずっとこのままでいいのかと問うと小さく頷いた。

了承した彼女を立たせると、手をつなぎいつものお店へと向かう。

何回目だろう、困ったような顔をしながらも、でもきっと嫌ではないのだろう。少し口角の上がった彼女を連れてここへ来るのは。

 

お酒を注文すると、葵は両手でグラスを持ち水面を見つめていた。

「ねぇ、葵ちゃん。私が葵ちゃんに声をかけるの、本当に困っている?」

直球で尋ねる椿に、彼女は肩を揺らした。答えない彼女に、もう一度訪ねる。

「葵ちゃんが本当に嫌なら、好きな子が嫌がっていることをする趣味はないから、もうこれっきりにするけど、どうする?」

バッとこちらを向いた葵が、泣きそうな顔をしていて潤んだ瞳が愛しかった。

 

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続きのお話はまた今度。

 

それではまた、ごきげんようおすましスワンまじかるクラウン乙女のトキメキ