ごきげんよう、百合喫茶Le Lis(ルリス)です。
当グループでは百合をコンセプトとしたカフェを不定期に開催しております。
第二回開催決定!2019年12月1日(日)池袋にて開催いたします。
第二回開催は聖ルリス病院を舞台に「社会人百合」をお届けいたします。
ご予約は終了しましたが、当日席のご用意がございますので、お時間のある方は是非各枠開始時間に会場までお越しくださいませ。
本日は翡翠とあんずのお話です。
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「ただいま」
鍵を玄関のキーボックスに仕舞うとリビングに入る。
「おかえり」
仕事を持ち帰ってパソコンを開いていた翡翠は眼鏡を外しながらあんずを見た。
「遅くなるって聞いたから、アンディ君のご飯あげたで」
「ありがとう」
書類を片づける翡翠を目の端に映しながら鞄を置きソファーに座る。
愛犬が足元に嬉しそうにかけより、あんずは愛おしそうに撫でた。
彼女が仕事の片づけを終えたところで、ぎゅっとなる胸を片手で落ち着かせながら声を絞り出した。
「今…話いい?」
「いいよ」
こちらを向いた翡翠が頷いて近づいてくる。隣に座ると「ん?」と優しい声であんずの顔を覗き込んだ。その瞳は揺らいでいるように感じた。
憧れていた人。いつの間にかあんずの心に居て、いつの間にか無くてはならない女性になっていた。
昨日の事を聞くのは怖い。けれど、何もなかったことにもできない。何も知らないまま、離れ離れになってしまうなんてもっとできない。
自分の心臓の音が大きく脈打っているのがわかる。喉がカラカラで、声がうまくでない。時計の音が響いて、目の奥が熱くなって涙が出そうだった。
―― 信じてる。大丈夫。
「昨日のお昼休み、階段で何してたの?」
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続きのお話はまた今度。
それではまた、ごきげんよう