ごきげんよう、百合喫茶Le Lis(ルリス)です。

 

当グループでは百合をコンセプトとしたカフェを不定期に開催しております。

第二回開催決定!2019年12月1日(日)池袋にて開催いたします。

第二回開催は聖ルリス病院を舞台に「社会人百合」をお届けいたします。

ご予約は終了しましたが、当日席のご用意がございますので、お時間のある方は是非各枠開始時間に会場までお越しくださいませ。

 

本日は定時後の椿とあんずのお話です。

 

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「お疲れ様です」
更衣室に向かう途中、椿に声をかけてきた病棟の看護師たちに笑顔で挨拶を返す。彼女たちの中に葵の姿を探したが、どうやら休みのようで言葉を交わすことはできなかった。
(まだ避けられてる気がするんだよなぁ…まんざらでもなさそうなのに)
考えながら更衣室のロックを解除し、自分のロッカーを開ける。

「椿さ~ん…お疲れ様です~」
奥のロッカーで着替えていたのだろう。私服のあんずがロッカーの影から顔を出す。
「あんずちゃん、お疲れ様…大丈夫?」
目の前で眉を八の字にしたあんずの様子を見るに、どうやら昨日の問題は解決していないようだった。着替えはじめた椿に背を向けながら、あんずはしょんぼりとしていた。
「実は全然お話できなくて…やばいです!このまま離れ離れになっちゃったらって…」
「いや、翡翠さんそんな人じゃないから大丈夫だよ」
「わかってるよ~!わかってますけどぉ…」
椿は手早く着替えると後ろからあんずの頭をぽんぽんと撫でた。こちらを向いたあんずの目をじっと見つめる。
(こんな可愛い子泣かせて、本当、なにがあったんだか…)
「でも、言葉にしなきゃ伝わらないよ?」
「まだ頭の整理がつかなくて…なかなか、顔、合わせられなくて。顔みたら涙が…」
もっと困った顔になってしまった彼女にそのまま抱きつかれてしまう。
再度あんずの頭を撫でると「はぁ」と息を吐きあんずを自身から剥がした。
「よし、わかった。今日はお姉さんと飲もう!で、ちゃんと整理して、当事者同士で話し合いなさい!」
「ごめんなさい…ありがとう」

鞄を手に更衣室を出るとあんずが少し不満そうにつぶやいた。
「ってお姉さんだって言っても、5か月だけじゃん…!」
「5か月でもお姉さんだからいいのっ!ところでさっきなんで後ろ向いてたの?」
「っっ!き、着替えてるの見るなんて恥ずかしいもんっ」
クスクスといつもの調子を取り戻しながら、連れ立ってバーに入っていった。
 

 

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続きのお話はまた今度。

 

それではまた、ごきげんようおすましスワンまじかるクラウン乙女のトキメキ