ごきげんよう、百合喫茶Le Lis(ルリス)です。
当グループでは百合をコンセプトとしたカフェを不定期に開催しております。
第二回開催決定!2019年12月1日(日)池袋にて開催いたします。
第二回開催は聖ルリス病院を舞台に「社会人百合」をお届けいたします。
ご予約は終了しましたが、当日席のご用意がございますので、お時間のある方は是非各枠開始時間に会場までお越しくださいませ。
本日は翡翠とあんずのお話です。
☆+*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*☆
先に退勤したあんずは、家でクリスマス会の書類を読みながら連絡のない翡翠を心配していた。
せっかく作った夕食も、もうとっくに冷め切ってしまった。
「一緒にごはん食べられないときは、ちゃんと連絡するって約束もやぶってる…」
いつもお互いに連絡はきちんととるようにしていたし、昼間に見てしまったことも忘れられない。
気持ちが落ち着かないまま書類を読んでも全然頭にいってこない。仕方なく冷蔵庫からアイスコーヒーとミルクを取り出しカフェオレを作るとソファーに座って飲み始めた。何度も自分のスマートフォンを確認するけれど、やはり彼女からの連絡はこない。
深夜も回った頃に「ただいま!」と帰ってきた翡翠の声にホッと安心する。
それでも、見てしまった光景が心をチクリと刺激した。
「・・・おかえりなさい」
深夜に帰宅した翡翠は元気がないあんずの声に首をかしげながら頭を撫でる。
「遅くなってごめんね、寂しかった?」
あんずはソファーに座ったまま時計を指刺す。
「今何時だと思ってるの?遅くなるときは連絡するって約束してるじゃん?心配したのに…」
(それに、後輩とキス、してたし…)
針のように刺激する痛みの原因は、この関係が終わってしまうようで口には出せなかった。
「ごめんごめん、スマホの電源切れちゃったんだよね~」
鞄を置いた翡翠はあんずが座るソファーに並んで座ると言葉を続ける。
「話長くなりそう?時間遅いから早めに休みたいんだけど」
かけられた言葉にカチンときたあんずは眉間に皺を寄せた。
「私、食事も作って待ってたんだけど、連絡もくれないし、もう私のことなんてどうでもいいの?!」
「えっと、ごめんな、昼にスマホの電源切れてしもたんやけど、後輩の勉強を見てあげたり、オペが長引いて・・・」
「もういいよ!」
慌ててスマホを取り出そうとする翡翠の言葉をさえぎりあんずは握り締めていた自分のスマホをポケットにしまった。
(そうなんだ。あの子といたから、私には連絡できなかったんだ…)
言葉をさえぎられた翡翠は困ったようになだめるように顔を覗き込む。
「ほんまにごめん。次からちゃんと連絡するからさ!後輩たちもそろそろ試験終わるからこんなに遅くならないし」
「もう大丈夫って言ってるじゃん!放っておいて!今は話したくない」
(もう顔見てるのつらいよ…だって昼間みたのは、夢でも幻でもないのに。見ちゃったことは消えないし、もう一人で考えたいっ)
“後輩”の言葉に肩を震わせると部屋にこもってしまった。あんずの後を愛犬アンディが心配そうについて行った。
☆+*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*☆
続きのお話はまた今度。
それではまた、ごきげんよう