本でも講座でも、最近は○○に役に立つ○つの方法や、たった1日でできる○つの法則など、小手先のテクニックを書いたものや小手先のテクニック講座が注目され売れている。
しかし、小手先のテクニック本ばかりを読んでいても、結局は身につかないのである。物事の本質がわかっていないからである。心理学もまたしかりだと私は思う。
小手先のテクニックが注目される背景としては、今の人たちがすぐに結果を答えを求めたがるからだろうと思う。
わからないことがあってもGoogleに打ち込めばすぐに解決してしまうのだ。すぐに解決してしまうから悩まない、考えないのである。
すぐに解決してしまうことに慣れ、問題が起こったり悩んでもすぐに答えが見つかると思い込んでしまっている。
こういった背景から、考えることが出来ない人たちは、よりいっそう考えたり悩んだりすることを忘れ、思考力が弱くなっているのである。
基本的に物事に正解はない。正解がないからこそ考えたり悩んだりして、自分なりの答えややり方を見つけていくのだと考える。
たとえば恋愛論。恋愛というと心理学系の本があてはまる。
心理学で恋愛にも使えるテクニックとしては人が好意を持ってくれる方法として、バックトラッキングというテクニックがある。
バックトラッキングとは、相手が言ったことをオウム返しのように繰り返し、直後に質問をする、というテクニックだ。
相手のことや、相手の話しに興味がない時、異性から好意を持ってもらう方法としては実用性がある。実に使えるテクニックである。
たしかにバックトラッキングのマネをしてみると、相手の反応は良い。逆にやられると悪い気はしない。人間の心理をついた方法だと思う。
しかしそもそも、人間付き合いはそんな小手先のテクニックで良いのだろうか?勘の良い人が相手なら、すぐに気づかれるとだろう。
気づかれた場合は逆効果、軽蔑されるかもである。
大事なことは、物事の本質を捉えているかどうか、ではないだろうか?
好意を持っていれば、相手のことに興味がわき、自然な受け答えができるはずなのだ。もし興味のない人が相手であれば、相手にしなければいいだけである。
興味がないことが知られて嫌な気持ちにさせたくないからと、変なテクニックを使うくらいなら、嫌われた方がまだマシだと私は考える。
よく考えてみて欲しいのだけれど、誰でも彼でもに対し、同じ対応をし、何を考えているかわからないような人間に魅力はあるだろうか?
気持ち悪いだけではないのか?
それよりも好き嫌いをハッキリし、自分の意見や感情を表に出している人間の方が魅力的見えるのはわたしだけか?
好き嫌いをハッキリしているからこそ、この人とは建前ぬきで本音で付き合えると思う。興味のない人と無理に付き合っていても疲れて面白くもない。
結局は小手先のテクニックをいくら学んでも、無意味であり、疲れるだけなのだと私は思うのである。
小手先のテクニック本や講座が売れるのはわかるし、それを求める人がいることもわかる。否定するつもりはない。
しかし、私の考えはそんなものに振り回されていては、いつまで経っても自分自身は成長しない。一時的効果はあっても持続しない。
風邪の咳を咳止めで押さえ込んでるような不快さが残る、自身が無理している状態を作るだけだと考えるのである。
現れている現状出来事には原因がある。
そこを見ないで対処療法的テクニックで誤魔化していると、現状をこじらせるだけなのだと私は思う。
原因(根本)にスポットを当てた講座やカウンセリングが出来る、そんな講師やカウンセラーを私は少なくとも意識してセッションや講座をしている。
対処療法的手段のテクニックを知ることで、症状が緩和する人も確かにいる。
しかし、同時になぜ現状が起こっているのか?原因追求することも大事だと言いたい。
私は症状緩和より根治治療を目指したいのだ。
クライアントが本気で変わりたいと思うなら、本気でその思いに応えられるカウンセラーでありたいと思う。