ついこの間、三菱一号館美術館で開催されている、オルセーのナビ派展に行きました。ナビ派だけを大々的に取り扱った展示は今まで日本で開催されてなかったって噂!!
ナビ派のモーリス・ドニ氏いはく、「絵画作品とは、裸婦とか、戦場の馬とか、その他何らかの逸話的なものである前に、本質的に、ある一定の秩序のもとに集められた色彩によって覆われた平坦な表面である。」というのが特徴で、写実主義(すごいリアルな感じの絵とか文学のことと思われる)を否定した一派のようです。すごく私の勝手な解釈ですが、「ありのままであることより、目で見て、自分が美しいと思った色で描けばええねん!!」というのが事の始まり・・・みたいな派のような気がします。(違ったらすいません。)
私もどっちかというとナビ派かな!?よく分からないけど(・∀・)←結構適当(笑) 絵本とかおはなしを作っているときはもろに空想の世界に入っていることが多いから、ありのままを描く写実的な絵、とは必ずしもいえないですし。まぁ、生活の一コマを描きました、みたいな絵本作品もあるにはあると思うのですが。
以下、思ったことをつらつらと箇条書きに・・・
・ピエールボナールの縦描きの「庭の女性たち」シリーズの絵が4点並んでいたのだけれど、それがクリムトの「接吻」になんだかちょっと雰囲気が似ている感じがしました。クリムトは学術的にはナビ派とは派が違うみたいなんですけどね。でも、ナビ派が19世紀末で、クリムトも19世紀末~20世紀に生きているから、なんらかの影響を受けているのではないかな?と思ったり。
・ナビ派絵画を眺めていて気付いたことがもう一つ・・・意外に、猫が描かれている絵が多い、ということ!!(笑) 「猫と女性」「ブルジョワ家庭の午後」「庭の女性たち 猫と座る女性」「黒猫と魔女」そして、HPとかチケットに使われている「格子柄のブラウス」・・・ナビ派は猫派でもあるのかも知れません。というか、作品リストをよく見てみたら、「黒猫と魔女」のポール・ランソン以外はすべてピエール・ボナールの作なので、ピエール・ボナールが猫派ということになりますね!ボナールの絵、結構好きな感じなので、気が合いそうな気がします(何)
・ボナールなど、日本の浮世絵の影響も受けているみたいですが、ヨージェフ・リップル=ローナイ「花を持つ女性」の女性とか、なんとなく大正時代あたりの女性みたいな和な雰囲気がすごくあると思いました。普通に西洋絵画なんですけどね。
・私としては、エドゥアール・ヴュイヤールの「ベッドにて」という作品もいいなぁと思いました。春眠暁を覚えずなこれからの季節にぴったりな、癒し系絵画だと思います。見てると眠たくなってくる・・・(笑)
・フェリックス・ヴァロットンの版画シリーズがめっちゃかっこいい。三菱一号館美術館監修で画集が売ってたので、今度機会があったら買っちゃおうかなー、と思っています。
全体的にはおしゃれでモダンな雰囲気で、洋服の刺繍とか織物とかに合いそうな風情だなー、と思って眺めていたら、「春」というポール・ランソン作品でランソンの奥様がすでにタペストリーにされていました。以前、北欧の毛織物展の記事を書いたと思いますが、(関連記事:ノルウェー絵織物展 ~トーキョーノーザンライツフェスティバル2016~ ) 絵織物の図案とかにしたら、楽しそうだなー、と思いました。
・具体的にどの絵画かはちょっと忘れてしまいましたが、一部の絵には、現在のアニメーションみたいな雰囲気を醸し出しているものもあるなぁと感じました。
おしゃれで可愛い雰囲気の展示で、今までよく知らなかったナビ派の魅力を再発見しました。皆様も春の新発見!で、是非足を運んでみられたらいかがでしょうか。ではでは。