フィンランド人女性作家のミア・カンキマキさんの第2作目の本、「眠れない夜に思う、憧れの女たち」を読みました。

(参考:前作(デビュー作)の「清少納言を求めて、フィンランドから京都へ」の感想はこちらです→「清少納言を求めて、フィンランドから京都へ」を読みました。(画像などはありません)

 

色んなジャンルで活躍したすごい女性たちの話なのかなーと勝手に思っていたのですが、ミアさんが眠れない夜に思う(”人生が、恋愛が、置かれた状況がつまらなくて、恐ろしい悪夢が永遠に終わらないように感じられると、私は眠れずに夜に女たちを思ってきた”byミアさん)憧れの探検家&芸術家女性についての話でした。

 

前半、19・20世紀の探検家女性、後半、芸術家女性について、って感じでしょうか。女性たちの足跡を追ったミアさん自身の旅の記録もしたためられています。

 

探検家女性について

登場する女性たちの旅が凄まじすぎ・・・想像の遥か上を行っていました。すごすぎる。交通が今より発展していない、衛生面や病気への不安、そして、女性の一人旅なんてもってのほか!みたいな時代に全てを跳ね除けて旅に出た勇気に拍手を送りたいと強く思いました。人間は弱いのかも知れません。が、自分が思っているよりはもしかしたらしぶといのかな、と思わずにはいられなかったです。

女性たちが旅に出た年齢も別にものすごく若い訳ではなかったりして、自分も人生まだまだこれからだな!と元気をもらえる感じがしました。

 

芸術家女性について

ルネサンス期の女性の主な人生の選択肢は(a)結婚する、(b)修道院に入る、(c)娼婦になる、だったとミアさんは述べています。しかし、それ以外の選択肢(d)で成功した女性はいなかったのか?とミアさんは思案し、そして(d)で成功したと思われる女性3人を見つけ出します。それが芸術家のソフォニスバ、ラヴィニア、アルテミジア!自分の仕事を持ち、思うがままに、自由に生きた女性たちだったのではないかと思いました。

時代は違いますが、日本の草間彌生さんもミアさんが憧れる”夜の女”として登場します。

彼女らと併記するのもおこがましいとは思うのですが、私も一応、イラストレーターを名乗ってはいるので、彼女たちのように他の誰がどう言おうと、情熱を持って、自分のやりたいこと(=絵を描くこと)に邁進できたらいいなー、と思いました。(情熱も技術もあらゆる面で彼女たちに全然及んでいないとは感じるものの。。)

 

本書で取り上げられているのは女性ではあるものの、男性が読んでも何か新しい発見のある本だと思いますので、老若男女問わずおすすめの本です。文才がなくて、全くうまくまとめられていないのが悔しい限りですが、皆様の心に何か灯りのようなものを灯せていれば幸いです。それではそれでは。