演奏スキルだけじゃない? 実際の葬儀を見学した筆者が思う、献奏アーティストに「必要な力」とは?

エレクトーン献奏アーティスト 中村麻由から学ぶスキル

 

 

実際の葬儀式で、「エレクトーン献奏アーティスト中村麻由(以下中村)」の “献奏”を見学してきました。
その日は参列者が10名ほどの“家族葬”で、キリスト教式。

会場に入ると、祭壇の前には、故人様との思い出のお写真が、ずらっと飾られていました。
また故人様がお好きだった食べ物など、様々なお供物も。
そして一際目を引く「水彩画」の数々。


これらをひとつひとつ見ながら、中村は
「生前に故人様が描かれたものだそうです。とても柔らかなタッチで、きっと穏やかでお優しい方だったんでしょうね。」
と、生前の故人様が一体どんな人だったのか、想像を頭に巡らせているようでした。

今日は実際に中村が“献奏”を担当した葬儀をみて、筆者が感じた“大切なこと”を書きます。

 

 

 驚かされた、献奏アーティストとしての中村麻由の対応力。 

 

中村は、開式の1時間30分前、会場の後ろに設置されたエレクトーンに座り、イヤホンをつけ、黙々と本日演奏する楽曲の確認をしていました。
開式40分前くらいになると、司会者と司祭の3人で5分ほどの打ち合わせ。
そして、エレクトーンへ再び座り、演奏の準備を始めたのでした。

そろそろ演奏が始まる時間。
祭壇の周りに集まって、故人様との思い出話に花を咲かせているご遺族へ目線を向ける中村の姿がありました。
すると突然、譜面台へセットしていた楽譜をのけ、そのまま本来予定していた楽曲とは違うものを演奏し始めたのです。

中村は、会場内にいる方々の会話の邪魔にならないよう、より静かな曲へと変更したのでした。
さらに、足元にあるペダルで音量を抑え、弾くタッチにも細心の注意を払いながら演奏をしていました。


また参列者の中に小学校低学年のお子様を見つけた中村は、演奏を止めないまま譜面をめくり、曲が途切れないよう童謡の演奏を始めたのです。
筆者は、中村からあらかじめ貰っていた曲目リストの通りに演奏していくのだと思っていましたが、この臨機応変な対応に大変驚かされました。

演奏しながらも、参列者の様子・年齢層、また会場内の雰囲気を瞬時に察知して判断している中村の様子に、上手く演奏することだけに集中していたのでは、ご葬儀の演奏 “献奏”という仕事は務まらないのだと、実感しました。

 

 

 “中村麻由”という人間が大切にするもの 

 

中村は「記憶に残す」ということを、生きる上で重要視していると語っていました。
その証拠に、家族の誕生日には、毎年〝モノ〟ではなく「記憶として残る」〝時間(食事会や旅行など)〟をプレゼントしているそうです。

また、中村本人が書いたブログの中に次のような記載がありました。


“無くても ダメじゃ無いけど
あったら 更に良いもの。
ちょっとしたことにも
〝気付ける人〟でないといけないな
って、最近感じる”

“粗い目のフィルターでは
引っ掛からずに
気付かないで流してしまう事に
気付かせてくれて、
独りじゃ見えなかったものを
見えるように教えてくれてきたのが、
親であり、先生であり、周囲の人”

(引用元:中村麻由オフィシャルブログ「心の音社」- フィルターの目)中村麻由『フィルターの目』高校生の頃、レッスンのために福岡から飛行機で通った 渋谷 すごく変わったなぁ そして まだまだ 進化中来るたびにどんどん高く積み上がっていくビル。工事中だけど…リンクameblo.jp

 

 

 

これもまた、ひとつひとつの出来事や出会いを大切にし、反省や感謝のできる中村だからこそ“気づけたこと”であると、筆者は感じました。

“大切な人との最期の時間”は、2度はありません。
絶対にミスが許されないプレッシャーの中でも、周りをしっかりと観察し、その場・その人に合うよう、臨機応変に対応をしていくことが どれだけ大変なことか、葬儀式のあの雰囲気を体験して感じました。

ここで筆者は、およそ1000件以上のセレモニー演奏・献奏を手がけてきた、「エレクトーン献奏アーティストの中村麻由」の貫禄を見せつけられたような気がしました。

 

 

「残された者たちに向けて」中村麻由が “ 献奏 ” をする意味。 

 

中村曰く、“献奏”には大きくわけて2つの意味があるそうです。

「ご遺族から故人への“最後の贈りもの”」
そして
「残された者たちのこれから支えるもの」

 

筆者が今まで参列した葬儀式の弔辞で、数多くの遺族が共通して願うことがあります。
それは、
「どうかこれからは苦しむことなく、楽になって欲しい。」

というもの。

人生は楽しいことや嬉しいこともたくさんありますが、苦労や悲しみもたくさんあります。
亡くなった後もその魂はどこかに存在していて、苦しまずに元気で過ごしていてほしい。
そう願っている人が多く見受けられます。

そんなご遺族の想いは、どうやったら報われるのか。
死者と話して「今幸せか?」なんて問うことは、もちろん今の世の中ではできません。
遺族が「故人は幸せに過ごしているのだ」と、“前向きな気持ち”で想像するほかないのです。
しかし中には、そういった想像ができなかったり、故人様のいなくなった喪失感から、立ち直れない方も多くいます。

大切な人との最期の時間(=葬儀式)に、心に寄り添える演奏をすることで、残された人たちが少しでも故人のことを“前向き”に想えるようになり、自身の“献奏”が「大切な人との最期の想い出」として、素敵な記憶となる手助けになれば、と中村は語りました。
 

 

 最後に 

 

真っ白で無機質なホール内を、

故人様のイメージや好きだった花で葬儀社があしらえた祭壇と、

そこから故人の人生や雰囲気を汲み取り、故人のために、そして遺族や参列者のために“癒しの音”を奏でる中村とが一緒になって創り上げるこの空間は、世界中のどこを探しても「この日のこの一式」のみ。

それは、人生最大の「特別な時間」なのではないかと、筆者は思います。


改めて、この葬儀を見学してみて『“献奏アーティスト”として大切なこと』は、

・気づける力 ー 参列者や遺族のご様子、会場の雰囲気に合わせ、臨機応変に対応する。
・想像する力 ー ご遺族の思い出話や祭壇の飾りなどから、想像できる故人のイメージを演奏に反映させる。

この2点ではないかと感じました。


“献奏”とは、遺族から故人への最期の贈り物。
そして、最期の時間が幸せな記憶として残された人々の中に刻まれ、故人のことをいつまでも想い出すための鍵。

故人のいないこれからの人生を、強く歩んでいくために、筆者はエレクトーンで創り上げる、この中村による“献奏”をお勧めしたいです。

 

 

お知らせ


エレクトーン献奏アーティスト 中村麻由 のインタビューが

業界雑誌「月刊終活」へ掲載されました。

全4ページに渡るロングインタビューとなっております。

ぜひお手に取ってご覧ください。

 

 

関連リンク

▼各種プランをまとめたサイト
エレクトーン生演奏でのご葬儀式や、イベントをご希望の方は、
下記サイトをご覧ください。

 

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▼「中村麻由」Wikipedia