葬儀で演奏する“献奏アーティスト”10年選手の中村麻由が経験した、とんでもエピソード3選!(Part.1)
まさかの「ふるさと」違い?開式直前にスタッフを凍り付かせた、最悪の間違い
これは私が、初めてご葬儀で演奏した時のお話です。
当時の私は、社会人1年目で22歳。
初めて受け取った依頼書の楽曲名の欄には、「ふるさと」と記載がありました。
皆さんは、「ふるさと」と言えば、どんな曲を思い浮かべますか?
私は「ふるさと」と言えば、♪兎追いしかの山〜の『童謡ふるさと』が思い浮かびます。 当時の私は、この曲以外の「ふるさと」を知りませんでした。
ここからは当日の恐怖体験をお話ししましょう
開式の1時間半前に会場入りし、担当者との打ち合わせを済ませた後、照明や音響の確認のためリハーサルへ。献奏曲を演奏。
イントロから1コーラスを終えた辺りで、
司会者さんとスタッフさんが書類をめくりながら慌てた様子で話しているのが視界に入ってきて、そこに小走りで担当者が駆けつけたのが見えました。
「わぁー何か起きたんだ〜」
と他人事のように考えていると、
担当者さんがどんどん自分に向かってくるのが分かりました。
「まさか演奏へのダメ出しか
」
と思った瞬間、
「五木ひろし〜
五木ひろし の ふるさと〜」
予想だにしなかった言葉に、
すぐには理解ができなかった...
というより、正直、
理解したくなかったです
ご遺族のリクエスト曲である「ふるさと」は、童謡ではなく、〝五木ひろし〟の歌う「ふるさと」だったのです
この時点で開式30分前。
ご遺族、参列者が会場内に入る時間ということで、本番までエレクトーンに触ることはできません。
私は急いで控え室に戻り、YouTubeで曲を探し、耳コピーで楽譜を起こしました。頭の中で音を想像して、膝の上で指を動かしたのは、演奏グレード試験以来でした。
ヤマハのグレード試験は、こういうピンチを凌ぐためにあるのだと改めて感謝。(←絶対違う)
無事に演奏を終え、そのご葬儀式は何事もなく終了しました。
私はその出来事 以来、必ず
「ご遺族⇆担当者(葬儀社)⇄奏者」で、
Youtube音源を利用して確認し合うようにしています。
楽曲名と歌手名だけでも良いのですが、古い曲の場合、ご遺族も曲名と曲自体が一致していなかったり、勘違いをしていることがあったりと、トラブルも多いため、音源を共有するのが確実。
これは、私の演奏人生で3本の指に入る、背筋も凍るハプニングでした
関連リンク
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▼コーポレートサイト
▼「中村麻由」Wikipedia