産業看護師とは、医療業界ではなく一般企業で働く看護師のことである。
健康に関する指導や従業員のメンタルヘルスケアを業務としている。

産業看護師の仕事は、健康診断、健康に関する指導、従業員のメンタルケアなどである。
健康診断は、生活習慣病の予防や疾病の発見などができるため重要な業務だ。
病気になることや、重症化することを防ぐことで、従業員も生き生きと仕事ができる。
また、従業員が元気に働くことで雇用者にとってもメリットがある。

健康に関する指導では、健康相談に乗る、また過剰なアルコール摂取が危険であることなどについて指導をする。
病気になる前に予防することができれば、産業看護師としてやりがいを感じることができる。
従業員にとっても、身近に健康相談ができる相手がいることは心強いことである。

産業看護師になるために必要な資格は看護師免許のみで、他の資格を取得しなくても良い。
しかし、健康指導に役立つ資格を取得することで、業務に役立てることが可能だ。

例えば、産業カウンセラーや禁煙支援士などの資格が役立つ。
産業カウンセラーは、メンタルヘルスケアについて講座を終了することで取得できる民間資格である。
禁煙支援士は、禁煙の支援方法について学ぶ資格で試験に合格すると取得できる。

資格以外にも、ワードやエクセルなどのビジネス文書の作成やスケジュール管理力も産業看護師に求められるものである。
病棟看護師にはあまり馴染みのない業務ではあるが、表作成やプレゼンテーションができるように準備しておくことが重要だ。

産業看護師とは、一般企業や規模の大きい工場で従業員の健康を守るために働く看護師のことである。
産業看護士として働くメリットは、日勤がメインで土日祝日に休める、福利厚生や昇給がある、身体的な負担や精神的な負担が少ないことである。

病棟で勤務する看護師の場合、基本的に夜勤を避けることは難しい。
患者が夜間も病院にいる以上、夜も見回りをする必要がある。
外来やクリニックで夜勤はなくても、拘束時間が長い所が多い。
一方、企業で勤務する産業看護師は従業員と同じ勤務形態になるため、日勤中心に働くことができる。

ある程度の規模がある企業や工場は、福利厚生が整っている、もしくは昇給があることが多い。
クリニックや病院には福利厚生が整っていない、多少はあっても充実していない可能性がある。
しかし、産業看護師は大企業に設置されているので、職場にもよるが福利厚生が充実している。

病院で働く看護師と比較すると、精神的な負担や体力的な負担が少ないところも産業看護師のメリットである。
病院では慌ただしく患者の処置に追われる、もしくは患者の命に関わる現場も珍しくない。
しかし、産業看護師は急病人の対処に追われるということは基本的になく、パソコン業務が多いため体力的な負担もあまりない。

命の危機に直接関与しない産業看護師には、ワークライフバランスを取ることができるメリットがある一方、即戦力として求められる辛さもあることに注意しないといけない。

このように産業看護師という働き方には多くのメリットがあると言える。
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