仲野太賀さんって、多才です。
初めて意識したのは、「ゆとりですがなにか」の山岸ひろむ。
この人、おもしろっと思って出演作を観て行ったわけですが、役によって全然雰囲気が違う!
『淵に立つ』では心に影があるってこういうことだよな、という表情が印象的で演技力すごいなと思っていたら、『南瓜とマヨネーズ』では乙女心をがっちりつかまれちゃうし、『海を駆ける』のインドネシア語の上手さと現地っぽさにびっくりして、、という感じでどの作品を観ても惚れ惚れしちゃうんです。
インドネシア語はわからないのでもしかしたら流暢ではないのかもしれないけれど、それを感じさせない観ている人を引っ張っていく力があると思うんです。
かと思いきや、「今日から俺は」のような役もやれちゃうわけで、、本当にすごい!
どの役もすてきだなと思っていますが、私の1番好きな太賀さんは『母さんがどんなに僕を嫌いでも』です。
ふとした表情が切なくて切なくて、観てからしばらくたちますが、その表情が忘れられないですし、悲しいニュースが流れるたびにこの映画のことを思い出します。
前置きが長くなりましたが、そんなわけで『静かな雨』を観る前の私の期待度の高さは相当だったのです。
やはり、、良かった。。
(以下少しネタバレあります)
感情を言葉で表現する場面がすくなくても、仕草だったり、目線だったり、表情で充分に気持ちが伝わってきました。
じっくり感情移入できる映画でした。
『50回目のファーストキス』がちらちら頭をよぎりましたが(日本版には太賀さんでていましたね。)実際にも、一晩眠ると前日の記憶がなくなってしまう後遺症ってあるんですかね。
どんなに楽しく過ごしても明日は覚えていない。。
朝を迎えるシーンが何回もあるんだけど、それがすごくよかった。
朝を迎えるときに1人でいたほうがいいのかも。という優しさが続いていた中で、最後だけ眠り方を変えていたのが、新しい優しさの形としてすーっと入ってきて、すごくよかった。新しい1歩だね。と2人に寄り添えたシーンでした。
私の解釈ですが。。
今までのことを全部を忘れてしまっても、これからのことは覚えていられる。
今までのことは覚えているけれど、これからのことは覚えられない。
考えさせられますね。。
うんと明るい未来ではないけれど、最後にはマイナスがプラスに見えてくる暖かい終わり方でした。
エンディング見ながら、しばらくぼーっとしちゃいました。