🍀✨✨東西ハーフストーリー✨✨🍀
《芝居の道をまっしぐら》
⭐️遂に運命の本番の時が来た!の巻⭐️
(前編)
唯一の本番直前の舞台稽古(リハーサル)は
我々役者に重大なミスはなく、さすがプロのスタッフさんは完璧だった。
舞台監督から少しの手直しの指示があり
後はM先生が「落ち着いて今まで通りのことをやれば、必ず大成功するから頑張れ‼️」と激励を頂いて全員ちょっと安堵したものの本番はこれからだと皆の顔はすぐ真顔に戻った。
とはいえ受付開始まで2時間以上、開演までは後3時間近くあるので、今から緊張しまくっていては本番まで身体も気力も持ちそうもない。
早くから来て下さっていた劇団の先輩は
「それぞれ好きなようにしてリラックスしておいた方がいいよ」とアドバイスして下さった。
舞台の方からは トントンという木槌の音や、「ハイ❗️オッケー❗️」というような
最高の最後まで微調整をして下さり本当にお世話になりっぱなしのスタッフの先輩方の声が聞こえてくる。
有難いなあという感謝と共に遂にここまで来たという少しの高揚感と、リラックスリラックスと早る気持ちを抑えようというように皆それぞれの時間を過ごしていた。
私は本番用の少しヒールが高くて幅のある黒い靴を脱いで、スリッパに履き替えて
M君に本番前に靴に履き替えるけど忘れてたら絶対に言ってねと、何度も念を押して頼んだ。何しろ私は究極の慌て者なのでスリッパのまま静々と舞台に上がりかねない事は我ながらよくわかっているのだ。
その点M君は落ち着いているし周りのこともよく見えるタイプなので、相方としては最良の人である。
私は小柄なので少しヒールのある靴を選ぶ事にしたが、少しの出入りはあるが、ほぼ定位置に立ちっぱなし。
セリフは男女必ず続くのでそのかなり長い時間は客席から凝視されている可能性が高く、モゾモゾすることも出来ない。かと言ってペッタンコの靴やスニーカーという訳にもいかず 手持ちの靴を履いたり脱いだりしながら漸く1番ピッタリ来て長く履いても痛くならない中ヒールのパンプスに決めて 立ち稽古からは床に新聞紙を敷いて靴は履いたまま稽古をした。
鏡に自分の立ち姿を写し あまりの直立不動も見ている方々も疲れそうだし 私も
身が持ちそうもない。何度も立ち方を研究して声も出しやすく見た目も姿勢が良く自然に見えるように工夫してきた。
あまりにも舞台上を動き回る役も大変だが
長時間動けない役も大変だなあと実感した
まあ当時は若かったので 10cm以上のピンヒール(踵の先が丸くて小さくてピンと呼ばれている)を履いて、混雑して人が行き交う心斎橋通りを、タッタカタッタカと誰にもぶつからずに歩けた時代だから、何とか立ち姿も決められたと思う。
今は既に足がハイヒールの形をなしていない😱
流行を良い事に大概の洋服にもスニーカーでそれもスタスタからヨタヨタに変わりつつある事を薄々感じながらも、何とか頑張って歩いているのだ。
そうこうする内に舞台の上での音が消え
スタッフも一度楽屋に戻ったようだ。
私はそっと立って一旦ぬいだ靴を履き
舞台の上手(右そで)に行ってみた。
舞台も劇場も静まり返り誰もいなくてとても静かだった。
袖のギリギリまで行って舞台を見ると一場の装置もきっちり出来上がり地明かり(舞台一面を照らす照明)だけの
仄暗い舞台を暫く眺めて、大きく深呼吸して「宜しくお願いします」と心を込めて
舞台に深く一礼をして楽屋に戻った。
不思議に心が落ち着いた。
それからずっとこれが開演前の私のルーティンになった。
商業演劇での大劇場では出来ないけれど
所属劇団の公演や、小劇場での公演では
必ず舞台が無人になる時間がやってくる。
私はいつもこの時間を同じように過ごし
何故かそうすると落ち着いてきて
更に「さあ!やるぞ❗️」とスイッチが入るのだ。
楽屋に戻って暫くすると受付が始まり
観客席に早く来られた方たちの入場が始まったようだ。
開演の15分前には一場に出演する役者たちが、自分の出る方上手(右)下手(左)に分かれてスタンバイする。
M君と私は下手から舞台の短い花道に
1番初めに出て行くので、楽屋を出る時にM君が私の靴を確認してくれてちゃんと履いていたので、どちらともなくニッコリ笑って、無言のまま軽くハイタッチして下手の出る場所 お客さんからギリギリ見えない所に立った。
そこにまず「ブーッ」という1ベルが鳴り
「まもなく開演ですのでお席にお着き下さい」とのアナウンスが入った。
その5分後再び「ブーッ」とベルが前の1ベルより少し長く鳴った。これを2ベルと言いいよいよ幕が開く‼️
M君と私は静かに舞台に出て、テープの
印の付いている定位置にしっかりと立った
この後は後半に続きます🍀ドキドキ💓
紫 まいこ
