これまでのあらすじ。英語が苦手なフランス人青年に出し抜けにstay tune(チャンネルはそのまま)と言われてコーヒーを買いに行かれ困惑している所に、戻って来たと思ったら「実際会って、僕の事どう思った?」とカジュアルに割と大事な事を聞かれ、矢継ぎ早の謎アクションに困惑するバツイチ子持ち中年。

 

20代フランス人経営者と極東の39バツイチ子持ちがスピード婚に至った経緯①~マッチングから初アポ編~ 

 

20代フランス人経営者と極東の39バツイチ子持ちがスピード婚に至った経緯②~困惑の初デート編~ 前回までのお話し

 

 

ー突然初デートの終わりに気持ちを聞かれて一瞬焦る中年

 

 

 「実際会って僕の事どう思った?今後も会って貰えるかな」

 

 実はこの質問は、今までの初アポの最後に必ず聞かれる質問だった。結果的に最終候補二番手で断ってしまった、美しすぎてほぼマネキンのドイツ人プログラマー(25)にも、新宿駅前で別れ際に緊張して照れた笑顔で下を向きながら同じ事を聞かれた。

 

私の走馬灯の一部を構成する光景であり、冥土の土産に持って来いの逸品である。ちなみにこの時は婚活開始約一か月で、このマネキンの彼と夫、そして他候補達もやりとりは同時並行しているのだった。

 

 それはいいとして、想定より早く気持ちを聞かれてしまった場面での25年物の使い古し文句が口から出て来た。

 

「あなたは一緒にいて楽しくて良い人だし好感を持っている。ただまだ会ったばかりだから、もう少し時間を過ごしてお互いを知ってこの先の事を考えたいと思う」

 

 まだよくわからないけど暫く考えたい時に持って来いの上に、ヤリモクは「チッめんどくせえなあ」とダルくなって消えてくれる便利フレーズである。婚活中の方に是非お使い頂きたい。

 

よく覚えていないが彼は納得したようで、彼も実際会って私の事を気に入っていて、この東京出張中に出来るだけ会いたい。

 

という様な事を言っていたと思う。青年のフランス語訛りの英語にも何となく慣れてきて、色々な事を話して初日は夕方ごろ解散した。

 

 

ー2回目のデート

 

 数日後にまた会う事になり、仕事の終わりに彼が宿泊するホテルのロビーで待ち合わせをした。薄暗いお洒落なエレベーターに二人きりになると、彼は

 

「あら、ちょっとあなた、、少し遠すぎやしませんこと?」

 

と思うくらい離れた対角のコーナーに立った。彼がホテルの車寄せでタクシーを拾い、ミシュランに選ばれた事もある神楽坂の雰囲気の良いフレンチレストランに到着した。

 

 国際会議のフランス経営者代表団の一員として来た青年と一緒に来日したメンバーの弟さんが経営しているお店だった。彼らにデート向きのお店を相談したら、お勧めされて直前で席を取って貰えたそうだ。

 

そんな繋がりがあるので、オーナーと青年はお国の言葉で何やら盛り上がってワインを選んでいた。因みにオーナーは日本人女性と結婚していて、日本語ぺらぺらであった。

 

フランスには人生で全く縁がなかったので、目の前でフランス語を聞いて「ほお、フランス語とはこういう風に聞こえる言語なのか、、」と感心したり、特に美味しい一品で感動したら、これはリヨン料理だと言われ、「、、リ、リヨン、、、料理、、??」と困惑したり、翌年フランス移住する者としてあるまじき、フランスに関する平均以下の無知を晒すのであった。

 

 ラフな格好で殆ど大学生に見える様な外国の若者とのぎこちない初デートから一転、二度目の今日はスーツを着て確かに若手IT社長然とした雰囲気で、タクシーから素敵な店予約からエスコートも完璧でずいぶん印象が違った。

 

29歳の私ならそこで素敵!!と加点されるが、いかんせん39歳バツイチ子持ち経産婦だったので、

 

「むしろ超年上で自国の私が予約やら支払いやらしなきゃいけない立場なのに、外国の若い人にこんな色々やって貰ってすまないねえ、、ありがたいねえ、、」

 

という気持ちで一杯だった。この再婚活中ずっと、相手男性達に良くして貰う度に、仏壇に手を合わせて先に亡くなった爺さんにその日あった有難い出来事を報告する老婆になっていた。

 

それより、彼のフランス語訛りの英語も慣れて前回の3割から6割ほど理解できるようになり、心が通じてきた事で前回より好印象を持ち出していた。

 

家族や自分の人生、お互いの将来の夢、同業界の仕事のトレンドなど色々なトピックを自然に話せてとても楽しい時間を過ごせた。

 

 時間を忘れて打ち解けた頃、親に子供を預けているのでそろそろ帰るわと伝え、彼がタクシーを拾い一緒に新宿駅まで戻った。因みに彼なりに外国で頑張ってロマンチックデートを演出してくれた事が伝わったのと、彼の性格を鑑みて支払いを申し出ると水を差すので、ここは有難く支払って貰って、大きく喜んで感謝の気持ちを伝えることにした。

 

タクシーに乗って引き続き色々な話をしていると、ここまで初デートから徹底して指一本触れてこなかったどころか、普通より離れて隣を歩くなど「ビジネスシーンのパーソネルスペースかな?」と思うくらい最大限気を使っていた様子の山が遂に動いた。

 

Can I kiss you?

 

と聞かれて、

 

とても頑張って貰ったし、少し変わってはいるが凄く良い人で価値観も合って楽しい。まあこちとら爺が蒸発して家庭崩壊して適応障害にもなって、恋愛とかそれどころじゃなく感覚も忘れてしもたが、まいっか!こっちは死線を潜り抜けた39のバツイチ経産婦だからな!

 

こんなもんで失うものないっつーか、むしろ萎びた中年なのにこんな可愛い若人に丁重に扱って貰っちゃってなんかすまねえなぁ

 

と秒で考え、堂々たるさまでオッケー☆彡と軽く答える中年。

 

注:これは結婚10年を含む自分自身の長年の恋愛経験、営業経験、沢山の人達の相談などを受けて色々見てきた39歳バツイチ子持ちの私が、「この人はまあ順当にいけば私と結婚したいだろうな」と根拠を持ってある程度確信を持ったのと、最悪騙されててもすぐ気づいて軽く流せる自信があったので軽くオッケーしましたが、見極めに自信がない方は慎重になって、早い展開は避けてください。

 

その後新宿駅で降りて、名残惜しそうに私の手を取り犬のように離れない青年。終電が近いので、また滞在中に会おうね。と言い残して帰った。

 

彼は少年のように高揚してとても嬉しそうだった。私は会うの二回だし、同時進行する一つのデーティング(複数同時オッケーの仮交際的なもの)のつもりで、この時は割と軽く考えていた。

 

というのも私は当時の凄く好条件の仕事を辞めたくなかったし、実家近くに住んで子供もいつでも両親に見て貰える文句のない生活だったので海外移住は全く考えていなかった。

 

そして他候補者達は全員が日本在住か日本移住希望で、彼らと基本条件が一致していた。一方、この青年だけが唯一私が海外移住一択になる相手なので、一緒にいて楽しくて尊敬出来てとても良い人とは思ったけど優先順位度は低く、なんとなく可能性を残しておこう程度であった。

 

の筈だったのだが、、、彼のクセ強の性格が表れる3回目のデートを超えて、人生がひっくり返る想定外の出来事が連発する一か月になるとは夢にも思っていない初夏の蒸し暑い真夜中の新宿であった、、

 

続く

 

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